2025.06.20
FRINGE フリンジ ファイナル・シーズン コンプリート・ボックス
あのTVシリーズ完結編「FRINGE フリンジ ファイナル・シーズン」
DVDリリースを前に、主人公オリビアに話を聞いたぞ!
J・J・エイブラムスが製作を担当した超科学ミステリー・ドラマシリーズ「FRINGE フリンジ」が、とうとう完結。ファイナル・シーズンのDVDリリースに合わせて、主人公のオリビアを演じたアナ・トーブが来日した。
■作品紹介
「FRINGE フリンジ ファイナル・シーズン コンプリート・ボックス」
DVD&ブルーレイ発売中 人知を超えた事件が発生し、捜査のためにFBIにチームが設置される。捜査官のオリビアは“周辺科学=フリンジ”サイエンティストのウォルターと、彼の息子ピーターとともに、怪事件の捜査を開始するが、その裏には壮大な実験が隠されていた。ファイナル・シーズンでは、世界を支配する非情な“監視人”たちに、フリンジ・チームが最後の抵抗を試みる。 |
「FRINGE フリンジ」の中の出来事も100年後は現実になるかも
――初めまして。トーブさんにとって初めての日本の印象はいかがですか?
アナ・トーブ(以下トーブ)「日本の人たちは優しくて素晴らしいです。日本には昔から来たいと思っていた。というのは、周りの友達が日本に1~2年滞在して英語の先生をしていたりして、彼らが帰ってきてはいろんな楽しい話を聞かせてくれるんですね。なので、やっと来られたという感じです」
――さて、トーブさんは以前のインタビューで「私は現実的だ」とおっしゃっていましたが、この「FRINGE~」の中に出てくる不思議な出来事、事件、超自然科学的なことについてはどう思われますか?
トーブ「現実的だと自分のことを言ったのがいつだったか忘れましたが、実は私はイマイチ現実的でないところもあって、もうちょっとそうならないかなと思っているんですよ(笑)。本作は“パラノーマル”とか“スーパーナチュラル”とかと形容されますが、私はあまりそうでもないと捉えていて…。と言うとびっくりされるかもしれませんが、でも、このシリーズ内で起きるいろいろな超常現象は、わりと科学的根拠を意識してつくられているんです。現実離れしたファンタジーをつくるつもりはなかったので、全部ちゃんと根拠があるんです。こういった現象というのは、今ある科学のもう一歩先を行ったものじゃないかと思っています。今はいろいろ自由に言ったり想像したりしている現象です。50年後、100年後には現実に起きるかもしれないと思っています」
――50年前、100年前の人が現在の科学を見て、本当にこうなっちゃったか…というのと同じですもんね。
トーブ「おっしゃるとおり。視力回復のためにレーザーで手術をしたりとか、心臓移植をしたりとか、義足で100m走を健常者より速く走れたりとか、今は本当に何でもアリの世の中になっていて、それだって明るみに出ている現象だけですよね? 裏で何が行なわれているかわからないし、例えばドーピング・スキャンダルがありますが、もしドーピングするのがアリだったら、人が成し遂げられたことはその人自身ではなく薬やら何やらで作り上げたハイブリッドな何かだったりするわけですよね。もうそういう状態ってすぐそこまで来てるなと思います」
オリビアは重いキャラクターだったと後で気づいた
――長丁場のTVシリーズに参加して難しいと感じたこと、苦労したことはありますか?
トーブ「先輩の俳優のみなさんがよく言うことなんですが、こういう1時間もののTVシリーズをやる時とにかく一番最初に大変だと思われるのは、拘束時間なんですよね。1年目はそれに慣れるまでが大変で。仕事自体は楽しいのですが、とにかく、なかなか帰れないし、帰ったら夜はセリフを覚えないといけないし、慣れるまでは大変でしたね。タイムマネジメントができるようになるまでは、本当に大変でした。でもさすがに5シーズンもやれば、そのうち10ページ分のセリフを15分で覚えられるようになったりするんです。慣れてしまえば、精魂込めてよい仕事ができます」
――では、“常に眉間にシワ”のオリビアという役を演じるにあたって、難しかったところは?
トーブ「オリビアは本当にシリアスで真剣で誠実な人なんです。だから脚本を読みながらよく、オリビアはいつ笑うんだろうと感じながらやっていました。といっても、状況が状況だからしかたないんですが。世界がまもなく崩壊しようとしていて、愛する男性がいるのに愛していると伝えられず、ちょっとおかしな男性のケアをしなければならない。なのに相談相手は誰ひとりとしていない。そんな、孤立無援で誰も頼ることができないキャラクターをリアルに演じるのは疲れました。そういうオリビアでなければ、世界の運命を背負うことはできないだろうとも思うのですが」
――5シーズンも続くと、オリビアが自分の中に入ってきてしまって、自分とオリビアの区別がつかないという事態にはならなかったですか?
トーブ「私自身は演技するにあたってメソッド的アプローチをとるわけではないので、例えばオリビアはアメリカ英語を話すんですが、カメラが止まって監督がカットと言えば、私は普通のオーストラリアなまりに戻りますし、そういう意味では分けていました。とはいえ、やっぱりあれだけ入り込むと影響を受けないわけがないですよね。一日中笑顔で過ごしていればその分ハッピーになれるように、オリビアとして一日中眉間にシワを寄せていれば、笑い方を忘れてしまうようなことも多少はあります。ということを、“(異次元の)もうひとりのオリビア”が登場してはたと気付きました。『実は重かったんだ、最初のオリビアって』ということに後から気付いたんですよ。今は、長いシリーズで同じキャラクターをずっと演じてきたので、さよならを言うのが寂しくないといったらウソになりますし、どこかにポッカリ穴が開いたような気分はあります。でも、もう十分にやった、思い残すことはないとは思っています」
――オリビアが実際にいたら、トーブさんは友達になれると思いますか?
トーブ「仕事が仕事だから、オリビアはいつも孤独です。いつもひとりバーで飲んだりしているけど、人としては私も友達にはなれると思います。状況が状況ですから、相談できる人がいないという彼女の状況を考えると、私だったら彼女に会いに行って相談に乗るかもしれませんね」
――その時はどういうふうに声をかけます?
トーブ「なにせ人を寄せ付けない人で、きっとにらまれてしまうだろうから、妹さんを介したりしないと友達にはなれない気がします。もしくは事件の被害者になるとか(笑)。それだったら何かつながるかもしれないですね」
――本作のヒットでトーブさんご自身人気者になったと思いますが、周りの人たちの自分への接し方が変わったな、自分は有名になったんだなと思うときはありますか?
トーブ「スクールバスで出会って以来11歳の時から付き合っている幼なじみがいて、彼女を仕事のいろいろなイベントに連れていくことがあるのですが、彼女はいつも興奮して『すごいすごい!』って言ってるんです。同席していた私のパブリシストに、変なファンがつきまとっていると勘違いされたこともあるんですよ。何しろ彼女は、私がアマチュア劇団で活動していた時代から、いつも何かにつけて興奮してくれるんです。そういう意味では、友達っていうのは変わらないし、自分は業界にいても“現実はこうだ”とちゃんと教えてくれる人がいさえすれば、そんなに浮かれてしまうことはないと思います」
――この大きなプロジェクトを経験して女優として成長されたと思いますが、それを踏まえて今後どのようなことをやりたいか、展望や目標を教えていただけますか?
トーブ「普通映画などは短期で終わってしまうので、なかなか周りのスタッフやキャストとなじめないまま終わってしまうことが多いんです。長期にわたるTVシリーズは、同じ人と長年一緒にやっていくので、余裕が出てきます。余裕が出てくるから周りの製作過程を見ることができます。だから映像をつくる、番組をつくるというのはこういうことなんだというのを学び、いろいろ試してみることができます。それがすごく大きな糧になりましたね。できれば将来年をとって白髪になっても、女優としてずっと活躍し続け、自分の興味をひかれるプロジェクトに参加できればと思っています。女優になろうと思った時点でみんなが望むことですが、それを最後まで貫ければと思っています」
撮影/植村忠透







