インタビュー

2026.05.15

  • ニューヨーク 冬物語
    コリン・ファレル インタビュー

 

ハードなアクション作で主役を張ったかと思えば、ベテランの先輩俳優が主演する人間ドラマできっちり脇を固める。最近とみに演技の幅が広がっているコリン・ファレル。本作ではロマンティックなラブ・ストーリーに挑んだ。

 

■作品紹介

「ニューヨーク 冬物語」

5月16日(金)丸の内ピカデリー他全国ロードショー
ワーナー・ブラザース配給
監督/アキバ・ゴールズマン
出演/コリン・ファレル ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ ラッセル・クロウ

 

1900年代。裏社会で生きていたピーターは、ある日忍び込んだ邸宅で余命少ない令嬢と出会い恋に落ちる。しかし2人の楽しい時間は瞬く間に過ぎ、彼女は亡くなってしまう…。100年後、一切の記憶をなくしたピーターは、生きる意味もわからずニューヨークをさまよっていた。

 

壮大なスケールと親密な物語が共存している

 

――「ニューヨーク 冬物語」に関わることになったきっかけは?

 

コリン・ファレル(以下ファレル)「これまでのどの作品も、脚本に惚れ込んだことがきっかけで出演を決めている。『ニューヨーク 冬物語』の脚本を読んだとき、魔法のような魅力に満ちていて、その規模の大きさや、冬のニューヨークという設定、コソ泥が盗みに入った家で女性と恋に落ちる展開とか、こういう要素が複雑に絡まっていて、壮大な作品だと感じたんだ。ものすごく大きなスケールと、親密な物語が共存していて、そこが何よりも魅力だった」

 

――あなたが演じるピーター・レイクとは、どういうキャラクター?

 

ファレル「泥棒だ。孤児として育った彼は、手先が器用であることに気がつく。どんなカギや金庫も開けてしまうし、スリとしても一流だ。彼は強盗団の仲間入りをすることになるんだが、ラッセル・クロウ演じるキャラクターと対立することになる。ピーターにとって盗みと暴力は別のものだが、ラッセル演じるキャラクターはそうは考えない。そこで、ピーターは窮地に陥ることになる。その後、彼は女性と出会い、真実の愛に目覚める、という展開なんだ」

 

――アカデミー賞に輝く演技派たちの贅沢なアンサンブルが話題ですが、ラッセル・クロウや、ジェニファー・コネリーとの共演はいかがでしたか?

 

ファレル「最高だった。ラッセルは、『ハーケンクロイツ ネオナチの刻印』」(’92)のころからの大ファンで、共演を楽しんだよ。真面目で、仕事に真剣に取り組む素晴らしい俳優だ。できれば、もっと共演したかったほどだ。ジェニファーは自分が演じる役柄について明確なイメージを抱いていた。特に、彼女と娘とのシーンが素晴らしい。準備万端で、女優の鏡だ」

 

あらゆる愛の形も一夫一婦制も信じている

 

――ピーター・レイクはひとりの女性を深く愛しますが、このように女性を愛したことは?

 

ファレル「うわっ、それは厳しい質問だな(笑)」

 

――昔はプレイボーイぶりが報道されましたしね(笑)。

 

ファレル「ただ、ぼくはあらゆる愛の形を信じているし、一夫一妻制も信じている。ぼく自身はずいぶん長いあいだ独身で、ガールフレンドがいない状況が続いているけれど、恋愛や結婚を信じている。結婚したところで、うまくいくとは限らないけれどね。ぼくには、ピーターのような経験はない。でも、ピーターを演じることで、深い愛の可能性をより強く信じるようになったことは確かだ」

 

――本作のように、愛は時代を超えると思う?

 

ファレル「誰かを愛する気持ちは、たとえその人が死んだとしても、相手の人にきちんと受け継がれるものだと思う。そういう意味では、愛は時間を超えることができると思う。たとえば、マーティン・ルーサー・キング牧師は、人類が平和に共存できると信じていた。そして、彼の愛はいまだにみんなの心に残っているし、受け継がれている。小説家や詩人などが綴った愛も永遠だしね」

 

――どんな人に見てもらいたい?

 

ファレル「ぼくの予感だけれど、女性はラブ・ストーリーの要素に夢中になってくれると思う。体裁を気にする男と違って、女性のほうが感情的にオープンだから」

 

ニューヨークのもつエネルギーが重要な要素

 

――撮影で一番の大変だったところは?

 

ファレル「ピーターが再覚醒するところかな。いろんな出来事の積み重ねが、ピーターに語りかけてくる。誰かに言われたことがきっかけで、過去のことを思い出したり、少しずつ何かを思い出していくんだ。その過程を演じるのが、トリッキーだった」

 

――2つの時代を演じ分けるときに、どのようなことを意識した?

 

ファレル「ピーターはひとつの時代から別の時代に行くことで、大きな変化を体験する。彼は半死状態で川に投げ込まれる。全てを奪われてしまったあとでね。そこで、ある力によって、60年代、70年代、80年代、90年代と、ニューヨークの街が変わる姿を眺めることになるんだ」

 

――監督と脚本を兼任したアキバ・ゴールズマンとのコラボレーションは?

 

ファレル「グレイトだ。とてもスマートで、おまけに素晴らしいクルーを集めている。撮影監督のケイレブ・デシャネルや衣装のマイケル・カプランとか。それに、最高のキャストを集めた。なにより感心したのは、明確なビジョンをもちあわせていたことだ。この映画は、頭脳的というよりは感覚的な作品だ。だからこそ、フィーリングがものすごく重要になる。彼はそれぞれの場面で、どのような感情を伝えるべきか、完璧にわかっていたよ」

 

――ニューヨークでの撮影は?

 

ファレル「ニューヨークという街はとてもタフだ。だいたい、こんな街が存在していること自体が信じられないよ。800万人以上のあらゆる人種の人たちが、同じ島で暮らしている。世界の人々が共存できるという可能性を証明していると思う。『ニューヨーク 冬物語』で、ニューヨークは重要なキャラクターになっているんだ。街のもつエネルギーが重要な役割を果たしている。世界にある善悪や恐怖や希望や欲や親切心とかが、ニューヨークの象徴となっている。だから、ほとんどのシーンをニューヨークの名所で撮影した。スタジオで撮影したのは、ごくわずかだ」

 

――この映画はあなたの俳優人生でどのような位置づけになる?

 

ファレル「それはわからない。ただこの業界では、自分の出た映画がいい評価を得れば、映画監督やスタジオが声を掛けてくれるようになる。だから、ぼくは自分の出演作がいい評価を得たり、ヒットしてくれることを望んでいる。そのとおりになることはあまりないけれどね(笑)。ぼくにできるのは、オファーされた作品のなかで、最良の選択をしようと心掛けるくらいだ」

 

――「ニューヨーク 冬物語」が大ヒットとなれば、ロマンティックな役ばかりをオファーされることになりますよ。

 

ファレル「それは大歓迎だよ(笑)」

 

●プロフィール
コリン・ファレル
1976年生まれ、アイルランド、ダブリン出身。ジョエル・シューマッカー監督に見いだされ「タイガーランド」(’00)でハリウッド・デビュー。代表作は「マイノリティ・リポート」(’02)「フォーン・ブース」(’02)「デアデビル」(’03)「S.W.A.T.」(’03)「マイアミ・バイス」(’06)他多数。

 

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