2025.09.20
弁護士イーライのふしぎな日常
「弁護士イーライのふしぎな日常」10月8日DVDリリース開始
製作総指揮・脚本 マーク・グッゲンハイム インタビュー
野心家だったエリート弁護士が、お告げとも思える奇妙な幻覚=ビジョンを見るうちに、それに導かれるように人々の味方になり、正義の弁護士へと変わっていくという新海外ドラマ「弁護士イーライのふしぎな日常」が10月8日からDVD順次リリース開始! このドラマ、ストーリーのおもしろさに加え、主人公イーライが見るビジョンの中で、出演者たちが歌って踊るシーンが話題に。しかも、なぜか、あの英国のポップ・スター ジョージ・マイケルの楽曲が多く使われているばかりか、本人がたびたび登場して熱唱することで、さらなる注目を集めているのだ。
この製作総指揮を務め、脚本も手掛けたマーク・グッゲンハイム(写真左)にインタビューをすることができた。さっそく、ジョージ・マイケル登場の理由も含めて、本作の魅力を聞いてみた。このグッゲンハイム、実は本人も元弁護士の超エリート。エンターテインメントが好きで、この世界に転職したという変わった経歴の持ち主なのだ。しかも、映画「グリーン・ランタン」の脚本を手掛けるなど、映画業界にも進出。早くも今後の活躍が期待される人物だ。
| ■作品紹介
弁護士イーライのふしぎな日常
2008年、米 「弁護士イーライのふしぎな日常」
【リリース・スケジュール】
イーライ・ストーンはサンフランシスコの大手弁護士事務所のエリート弁護士。報酬は高額、高級車を乗り回し、婚約者テイラーは超美人で同じ弁護士、という誰から見ても勝ち組。主に引き受けるのは大手企業や富裕層など資金豊富なクライアントの案件で、その勝利を勝ち取るのが彼の主義だった。 だが、ある日突然イーライは不思議な体験をするようになる。誰にも聴こえないはずの音楽が聴こえてくるのだ。 最初はオルガンの美しい和音、そのうちそれが曲になり、そして自宅でくつろいでいると、完全なる楽曲が聴こえる。 その曲に導かれてリビングルームにいくと、そこにはなんと、テーブルの上で名曲「フェイス」を熱唱するジョージ・マイケルが! 困惑するイーライだったが、その後も、突然同僚たちがオフィスで歌いながら踊りだしたり、自分に向かってプロペラ機が飛んできたり、オフィスのトイレのドアを開くとハワイだったり、幼い頃に亡くなった父親が現われたり・・・毎日奇妙な”ビジョン”に悩まされつづけるようになる。 医師である兄のネイサンに相談し、精密検査を受けると、脳の治療困難な場所に動脈瘤があることが判明。ネイサンの診断は「動脈瘤の位置により、まれに幻覚が見えることがある」というものだった。だが、彼が見るビジョンは未来を予見しているようなものばかり。しかもそのビジョンは、まるでお告げのようにイーライの意思とは無関係に、彼を”正義の弁護士”として弱者を救う道へと引っ張っていくのだった。 |
ミュージカルが大好きでやってみたのですが、実はドラマとのバランスが難しいのです
―本作の設定はとてもユニークなものですが、この物語が生まれた背景を教えてください
マーク・グッゲンハイム(以下グッゲンハイム)「いろいろな要素を持ち寄って設定を考えているときに、現代版の”預言者”と”幻覚”を取り入れた作品をつくろうと共同製作者(製作総指揮)のグレッグ・バーランティとアイデアを出し合いました。アメリカのTVドラマでは一般的に、主人公が「弁護士」、「医者」、「警察官」などのことが多いのですが、この3つのどれがよいかと話している中で、「弁護士」というのは導く者、”預言者”という意味もあるため、今回『弁護士』でいこうということになりました」
―主人公の幻覚の世界をミュージカル・タッチで描くのもユーモアあふれる表現方法ですが、どうしてミュージカルの要素を入れようと思ったのですか
グッゲンハイム「グレッグと私はミュージカルが大好きなんです。ブロードウェイのミュージカルも映画で見るのも全て大好きです。それで、2人でこの作品にミュージカルのエッセンスを取り入れたら楽しいのではないかと考えたのですが、どれくらいの頻度で取り込むとよいのか現実的にはすごく大変でした。ミュージカルの撮影は時間がかかりますので、予算面のことももちろんありますが、それよりもミュージカルの部分をドラマに入れるとストーリーを進める尺が減ってしまうため、そのバランスが難しいのです。ですが、難しくても楽しい部分でもあるので、やってみようということになったのです」
―キャストは歌うことを前提で起用したのですか
グッゲンハイム「それはありませんでした。でも、起用してみたら、ビクター・ガーバー、ロレッタ・デバインがミュージカルの経験があることがわかりました。これはうれしい偶然です。キャスティングに関しては、役者としていいかどうかを基準に進めました。でも、最終的には経験があるなしに関係なく、全てのキャストが歌ったり、踊ったりすることになって(笑)。経験に関係なく、皆がミュージカル・シーンを楽しみましたよ」
まさかジョージ・マイケルが出てくれるとは思っていなかったので、うれしかった(笑)
―ジョージ・マイケルの楽曲を使用した理由と、本人が出演することになったいきさつを教えてください
グッゲンハイム「これはおもしろいストーリーなのですが、最初に脚本を書いたときから、ジョージ・マイケルの名前を入れていたんです。それは、ジョージを起用するということが決定していたわけではなくて、後から出演する方が決まったら名前を入れ替える予定でした。彼はきっと出てくれないだろうと思っていましたし・・・。僕たちは、『人の記憶の何かしらは音楽と繋がっている』と考え、あるひとつの音楽を、イーライの”ある人生の1ページ”を思い出させる象徴として使おうと思いました。それは彼が初体験をしたときに聴いていたであろう音楽として、彼の記憶や脳にとっての象徴的な音楽として結びつけたかったのです。 イーライが10代の多感な時期、つまり1980年代に人気があり、絶対にイーライが聴いてるはずの曲という設定で、候補者としてビリー・ジョエル、エルトン・ジョン、デビッド・ボウイなどさまざまなアーティストもイメージしていました。でも、ドラマの内容を考えれば考えるほど、当時大ヒットしていたジョージ・マイケルの楽曲はぴったりだったのです。彼の80年代の存在感の大きさや、アメリカでの絶大なる人気、そして今なお誰もが彼のことを知っている大スターであることなどを考え、最終的にやはりジョージ・マイケルこそが適任ではないかという話になったんです。オファーしてみると幸運なことに彼自身もアメリカのドラマが大好きで、好きなドラマの中で私とグレッグが携わった作品もあり、すぐに本作の内容も気に入ってオファーを受けてくれたのでうれしかったです」
―曲とエピソード名がリンクしていることが多いのですが、選曲はどうやって決めたのですか
グッゲンハイム「実際にジョージ・マイケルと「作品の中で何をしようか?」と相談したときに、各エピソードのタイトルを曲のタイトルにしていこう、という話がでたのです。その後、毎回、ストーリーを考えるときに、この話はどの曲のタイトルにしようか?という感じで合わせていきました。ジョージ・マイケルの曲はとても象徴的なタイトルが多いので、うまくストーリーに当てはめやすかったですね。 あるストーリーでは、その曲名にぴったりな内容のことが起こっている設定のときもあれば、あるストーリーでは、その曲名が象徴的な意味合いで使われるときもある。それぞれの曲をストーリーに結びつけるという点では、とてもうまくいったと思っています」
―ご自身も元弁護士で、作品を作るうえでその経験はどのように役立っていますか。 エピソードごとにでてくる弁護案件などの設定は自身の経験からですか
グッゲンハイム「とても役立っていますね。具体的に私が扱った案件を取り入れたりはしていませんが、ただ、弁護案件自体ではなく、自分の経験の中の証拠であったり、弁護上で進んでいった仕組みというように、要素として参考にした部分はあります。基本的には裁判の内容を先に考え、イーライと主要人物をどのように絡めていくかを考え、一部自分の経験も加えながらエピソードとしてまとめていくという感じです」
―イーライが感じるビッグ・クライアントと正義との間で揺れ動く感情などは自身も経験したのですか
グッゲンハイム「はい、その点は自身の経験がとても関係しています。イーライの弁護士としての考え方として、最初は大企業相手の野心家弁護士だったのですが、最終的には弱者、正義のために戦っていくという方向に変わります。これはまさに実際の私の経験に基づいています。私自身も、せっかく弁護士になったのに、気がついたらお金持ちをさらにお金持ちにするために手助けしているだけだと気がついたときがありました。イーライの心の変化は、まさに私のその経験からきています」
本作の最も大切なメッセージは正義。ただエンターテインメントとして純粋に楽しんで欲しい
―最新劇場公開作「グリーン・ランタン」では、脚本と原案を担当されていますが、劇場映画と「フラッシュフォワード」や「弁護士イーライのふしぎな日常」のようなTVドラマシリーズでは、何が大きく違いますか
グッゲンハイム「TV業界が洗練されればされてくるほど、TVと映画の業界の違いもなくなりつつあると思います。たとえば「フラッシュフォワード」のような番組は、一話一話を映画のようにしていこうという意欲で臨んだ作品でした。だから今あえて違いを言うとすれば、「時間とお金」だと思います。TVよりも映画のほうが時間もお金も比較的割くことができるという点ですね。アメリカの場合、脚本家がその作品に関わることができる度合いで考えると、TVのほうが比較的最後まで関わることができ、映画のほうはそうでもない、ということも言えますね。ただ、どちらがよいということではないですね」
―個人的にはどんなジャンルの映画が好きなのですか
グッゲンハイム「アクション・ムービーとSFが大好きです。中でも「スタートレック」「スター・ウォーズ」などが好きです。ほかにも選ぶのが難しいくらいいろいろあります(笑)」
―脚本家としては将来的にどのような作品に携わりたいですか
グッゲンハイム「脚本家としては最終的にはやはりアクション・ムービーに携わりたいと思っていますが、ただ、それまでの間もさまざまなジャンルのTVシリーズにも関わっていければと思っています」
―映画やTVドラマの監督業にも興味があるのでしょうか
グッゲンハイム「かもしれませんね。そういう依頼もたくさんあるのですが、今は絶対に監督をしたいと強く思っている段階ではないですね。イーライの次のシーズンをやるときには監督をやれば?と言われることもあるのですが、自分としては現状では監督業を強く望んでいるわけではないですね。将来的にはあるかもしれませんが」
―「弁護士イーライのふしぎな日常」は仕事のこと、家族のこと、恋人とのこと、善と悪、など多くのメッセージがあるドラマですが、見た方に最も感じてほしいことは? これから見る方へ、見どころとメッセージをお願いします
グッゲンハイム「この作品のいちばん大切なメッセージは正義です。正義と言っているのは、法的なことで正義を貫くということだけではなく、人としての公平性、正義を貫く生き方などを感じてほしいと思います。また、信念をもつということもこの物語の大切なメッセージです。特にアメリカでは、宗教と信念ということで混乱しがちなのですが、宗教心がなかったとしても、心の中に信念をもつ、何かを信じていくことはできるということを伝えたかったのです。世界中ではさまざまなことが起こっています。たとえば社会正義に関することであったり、経済や、戦争、動物保護の問題であったり、健康に関することだったり…。このドラマのひとつひとつのエピソードも、こうしたいろいろな問題意識の喚起になればと思っています。ただ、この物語はエンターテインメントなので、純粋に楽しんでいただいて、そこから何か感銘を受けたり影響を受けたりしてくれればうれしいですね」
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●プロフィール
マーク・グッゲンハイム |










