インタビュー

2025.09.04

  • アップサイドダウン 重力の恋人
    キルスティン・ダンスト インタビュー

 

「アップサイドダウン 重力の恋人」は、“二重引力”が存在する世界に住む、ある男女の身分違いの恋を描いたファンタジックなラブストーリー。本作でヒロイン、エデンを演じたキルスティン・ダンストが、その独創的な世界観や撮影の舞台裏、役作りについて語った。

 

■作品紹介

「アップサイドダウン 重力の恋人」

9月7日(土)角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国公開
角川書店配給

 

真反対に引力が作用し、両世界間の交流が禁じられた双子の惑星で、“下の世界”に住む少年アダムは、“上の世界”に住む少女エデンと出会い恋に落ちる。だがある日、境界を監視する警備隊に見つかってしまい、逃げようとしたエデンは頭を強く打って意識を失い、アダムは上の世界の人間と交流した罪を問われ、家を焼き払われる。10年後、2つの世界をつなぐ唯一の建物であるトランスワールド社でエデンが働いていることを知ったアダムは、彼女に再会するため、同社に就職する。

 

今回のキスは、スパイダーマンの時とは違う

 

――重力が逆にかかる世界が舞台の本作。演じるうえで難しかったことは?

 

ダンスト「アダム役のジム・スタージェスの方がずっと大変だったと思うわ。私は一度だけハーネスが岩の下に挟まってしまったことがあるけど、それもほんの少しの間だけだったし、ジムに比べたら私の方は大変ではなかった。森の中で跳ねていたときも私が彼の上に乗っていたわけだし、彼がずっと大変で私はどちらかというと楽をした方ね」

 

――楽しんでできたということ?

 

ダンスト「楽しいかと言ったら(このような撮影はハーネスをつけているから)そうではないわね。でも、スパイダーマンの時と比べたらずっと楽だった。スパイダーマンは本当に大変だったから」

 

――スパイダーマンといえば、逆さでキスをするのは今回が2度目ですが、あのシーンの撮影は難しかった?

 

ダンスト「そう・・・えーっと、ちょっと待って、確かに空中に浮いていた時にキスしたけど、今回はスパイダーマンの時のような逆さのキスはないわね。空中にはいるけど、2人の頭の方向は同じよ。スパイダーマンの時のキスとは違うわ。スパイダーマンの時の方がずっと大変だった。トビー(・マグワイア)は逆さ吊りになっていた訳だから」

 

――アダムとエデンは、重力や住む世界が異なるという障害がありながらもそれを乗り越えていきます。アダムは身の危険を冒しても自分のもとに来てくれるわけですが、そのような男性をどう思いますか?

 

ダンスト「これは本当にロマンティックなファンタジーの映画で、実際の状況では誰もそんな危険に侵されることがあってはならないと思う。そんなことがあったら本当にひどいことだと思う。これはロミオとジュリエットのようなファンタジーのラブストーリーで、(そのような状況があるから)気持ちが高揚することはあると思うけど、彼らが置かれた状況もとても珍しいサイエンス・フィクション的な環境。彼も彼女もこのような2つの世界でお互いが離れ離れになるのは間違っていると感じているから、政治的な意味合いも含んでいるの」

 

――恋愛に障害がある、そのような状況をどう思いますか?

 

ダンスト「彼らにとっての困難は、彼らが幼い時に愛しあっていたのに、彼女は頭を打って記憶喪失になってしまったこと。普通は女の子が男の子を追いかけることが多いけど、このストーリーは反対で、それはロマンティックなストーリーとしてはとてもいいと思う」

 

――ジム・スタージェスと共演してみて、いかがでしたか?

 

ダンスト「彼はとてもいい人よ。気取らなくて、音楽好きで。人生で何が大切かをちゃんとわかっている人よ」

 

――この映画は、とても美しくロマンティックな世界が描かれていましたが、ご覧になってどう思いましたか?

 

ダンスト「セットが作られた部分もあったけど、多くの場面はCGIだったから、私にとっても驚きだったわ。とにかく美しくって、今までに映画では見たこともなかったような世界だった。この映画で特別なことは沢山あるけど、いちばん特別なのはとにかく驚くほど美しいということ」

 

――そうですね。本当に美しいです。またファッションもこの映画の見どころの一つかと思いますが、特にリクエストした物はありますか?

 

ダンスト「フアン監督の奥さん、パーラが私の衣装を決めてくれたの。彼女はとても趣味がいい人で、フェミニンでもそれほど露出度が多くない服を選んでくれたわ。それからタンゴを踊るシーンのドレスは私がリクエストしたドレスで、RODARTE(ロダルテ)のもの。それほど派手過ぎず、でも動きが美しいドレスをリクエストしたの」

 

私にとって大切なのは監督が誰かということ

 

――日本でもあなたが出演されている作品が沢山公開していますが、日本に来るご予定はありますか?

 

ダンスト「今のところ予定はないわ。大作映画は予算があるから日本に行けるけど…」

 

――日本の印象は?

 

ダンスト「日本は大好きよ。前回はアーティストの村上隆さんの仕事で来日したわ。彼のミュージック・ビデオ(「Akihabara Majokko Princess」)でコスプレしたの。楽しかったわ。いつもとちょっと違う仕事で、それがたぶん3年前くらいかしら」

 

――日本のファンに一言いただけますか?

 

ダンスト「遠いところにいる私の応援をしてくれている日本のファンにありがとうと言いたい。これからもファンの人が気に入るような映画に出演し続けることができたらと思っているわ」

 

 

――あなたは大変長いキャリアをおもちで沢山の作品に出演されていますが、今後どのような作品に出てみたいですか? また、どのような人と共演したいですか?

 

ダンスト「そうね、私にとって大切なのは監督が誰かということ。例えば、ラース・フォン・トリアー監督との仕事(「メランコリア」)は本当に女優として特別な経験だった。女優が演じるいい役を見つけるのは難しいけれど、私にとって最も重要なのは、(この監督なら)特別な映画をつくれると信じられる監督と一緒に仕事をすること。映画には子供の頃からずっと出演しているから、ただ映画に出ればいいとは考えないの。だから今の方が以前よりもずっと仕事を選んで決めている」

 

――ということは、脚本やストーリーよりも監督重視ということですか?

 

ダンスト「やっぱり監督が大事。でも時には俳優が大事な時もある。前回の作品(「The Two Faces Of January(原題)」)ではヴィゴ・モーテンセンと共演したわ。ずっと彼のファンだった。彼と共演できて、ストーリーもよかったし、監督との仕事は初めてだったけど、彼は作家として素晴らしいセンスをもっている人だとは知っていた。プロジェクトに関わっている人たちのクリエイティビティによって、魅力を感じるかどうかということね」

 

――ヴィゴの話が出ましたが、他の俳優、アーティストで共演したいと思っている人は?

 

ダンスト「そうね、ティルダ・スウィントンはプレイベートでも知っているけど、女優としてもアーティストとしても尊敬している。でも大事なのはどの役を演じるかということ。素晴らしい女優は沢山いるけど、それぞれの作品の中で互いに相性が合う人が参加することが大切なの」

 

●プロフィール

キルスティン・ダンスト

1982年、ニュージャージー州生まれ。3歳からテレビCMで芸能活動を開始し、’89年、ウディ・アレン監督の「ニューヨーク・ストーリー」で映画初出演。’94年の「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」でゴールデン・グローブ賞にノミネートされ注目を集める。その他の代表作に「ヴァージン・スーサイズ」(’00)、「スパイダーマン」3部作(’02、’04、’07)、「マリー・アントワネット」(’07)など。

 

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