インタビュー

2025.12.20

  • ブラッド・ウェポン
    「ブラッド・ウェポン」主演のジェイ・チョウにインタビュー!

12月22日に公開されるアクション大作「ブラッド・ウェポン」。香港アクション作品の代表的監督、ダンテ・ラムによる、ヨルダンやマレーシアンのクアラルンプールの街中を戦闘ヘリやバズーカまでが飛び交う、強力なアクション映画。台湾のアーティスト、ジェイ・チョウと香港のニコラス・ツェーが兄弟役で主演した。弟役で初めての大掛かりなアクションに挑戦したジェイにインタビューした。

 

■作品紹介

 

「ブラッド・ウェポン」

 

12月22日(土)公開

巨大犯罪組織が企むウイルス・テロを追っていた国際警察のジョン(ジェイ・チョウ)は、ヨルダンの市街戦で頭部に重症を負い、余命残りわずかと宣告される。幼い頃に生き別れた父と兄を探して欲しいと母親に頼まれた彼は、マレーシアのクアラルンプールへ。しかし兄、ヨウはテロ実行犯に選ばれていた。追跡と逃亡の果てに、兄弟は互いに銃口を向け合う。

 

 

派手なアクションだったけどもう二度とやりたくない(笑)

 

 

――ダンテ・ラム監督と組んだ感想を教えてください。中国でのインタビューでは「リアルであること」を求められて、自分の演技が一皮向けたとおっしゃっていましたね。

 

ジェイ・チョウ(以下ジェイ)「ダンテ・ラム監督と組めば何か学べると思ったんです。彼のワザを学びたかった。実際、スピード感のある展開やアイディアがすごかったですね。ロケ現場で次から次へと斬新なアイディアを役者に提示してくれるし、実際に監督自身が演じてそれを役者に見せてくれるんです。そして最大に尊敬しているのは彼のコミュニケーション能力。相手になかなか意図が伝わらない監督もいますが、ラム監督は非常にストレートに、自分が思っているイメージを伝えてくれます。それはすごく素晴らしいことだと思いましたね」

 

――ラム監督の演出の中で最も印象に残っていること、あるいはことばは何でしたか?

 

ジェイ「本作の中でいちばん忘れられないシーンは、ヨルダンの死海でのシーン。自分が死海に浮いているというオープニングとエンディングですね。本作がなければたぶん一生体験できないことだろうから。監督の演出でいちばん感じたのは、演技指導はするんだけれど決して先生のように説教はしないこと。役者と平等な立場というか、同じ目線で伝えてくれるんです。もちろん立場上は向こうは監督、こっちは役者ですが、彼は“監督である”ことを感じさせない。親切にいろいろ教えてくれ、僕らにプレッシャーを感じさせない。とても有難い監督じゃないかなと思っています」

 

――ラム監督は昔から派手なアクション監督として知られていますが、今回もド派手なアクションの連続で。お金を使いすぎてる気もしたし、危険すぎましたよね。カークラッシュやヘリでのアクションに体当たりをした正直な感想を。もうやりたくない?

 

ジェイ「全くそのとおり何度も感じました、もう二度とやりたくないと。こういう映画なら、もし続編があっても他の役者を起用してくれよと思いましたね(笑)。いやいや、でもこれは僕自身にとって有難い人生経験のひとつだったと思うし、他の監督と撮ってもここまではできなかっただろうし、とても有難かったと感じてます。監督自身、危険なロケ現場で銃を持って実演してくれたし。例えば戦闘シーンでは、監督自身も臨戦服を着て銃を持ってやるんです。ここまでやる監督は他にいないでしょう?」

 

――ラム監督、やりたかっただけなんじゃないですか~、戦争ごっこが。

 

ジェイ「そうそうそう(笑)。本作を見た人も誰も気づいてないと思うけど、実は監督は出演してるんですよ」

 

――え~? この作品にですか?

 

ジェイ「ええ、この中に。僕が戦闘ヘリに乗ってる時のパイロットです」

 

――ええ~~っ!

 

ジェイ「本当に戦争ごっこが体験したかっただけなのかも(爆笑)。コレは“言えない秘密”ですかね(笑)」

 

ニコラスの役者魂を尊敬してます

 

――ニコラス(・ツェー)ともマジに殴り合っているみたいに見えましたが、実際に危険な目にあった、あるいはケガしたことは?

 

ジェイ「(笑)。彼には本当に殴られてしまいましたよ。そういうシーンがあるから、みんながリアルだなと感じるのかもしれないですね。でも軽いケガはしましたけど、まだピアノは弾けるから大丈夫です(笑)」

 

――よかったです~。指と声だけは傷つけないで下さい(笑)。ところでニコラスと初競演されましたが、彼とのコラボレーションについての感想を。

 

ジェイ「ニコラスは演技も上手、歌も上手、それからルックスもいいと全部揃ってますよね。とてもすばらしい役者だなと思います。僕はどっちかというと、歌手であることに心の底ではこだわりたいという潜在意識があって。ニコラスはアイドルのイメージを全て捨てて演技を見せることができます。泣くシーンでは鼻水たらして大声で泣くし、リアルな演技が身を捨てる覚悟でできる。僕は彼のレベルまではできないだろうな。やっぱり歌手としての存在感をどこかで守りたいということがあるんでしょうね」

 


――ニコラスから、演技やアクションなどについて何かアドバイスをもらったりは?

 

ジェイ「アドバイスはいろいろもらいましたね。彼は役者として僕よりキャリアがあるし、こういうアクションは自分は初めてだし。ロケ現場でアクション・シーンだと告げられた直後に撮影に臨むということの繰り返しだったので、ニコラスは常に僕のそばでいろいろアドバイスをしてくれました。尊敬するのは、役者としての彼の資質、マインドというか。どんなことでも全力投球し、どんなことでも自分自身でやってあまりスタントマンを使わないところ。今回もいろいろ危険なシーンがありましたが、例えば娘を救うために船に飛び移るシーン、そこは本当にスタントマンを使っても全然問題ないシーンなんですが、彼は自分で飛び込んだ。その時僕は彼の役者魂に感動して、彼が飛び込んだところをケータイで撮影したんです。で本人に見せたら“なんだ、これじゃ僕かスタントかわかんないじゃないか”と(笑)。そういうふうに全部自分でやる人だから、いろんな演技賞を取るのは当たり前。僕には絶対及ばないところです」

 

――そうですか? でもいいです、ジェイは歌手なんですから。ところで、あなたには実際にはいないけど、(ニコラスの演じた)お兄ちゃんの存在ってどうでしたか?

 

ジェイ「ええ、本作は兄弟愛と親子愛がメインテーマなんですが、実際の僕はシングルマザーと自分だけという環境だったから、映画の中での離婚した母親の夢を実現させるために父と兄を探しに行く、そういう部分では、とても自分の実生活と重なる部分がありましたね。兄弟に関しても、自分に兄や弟がいたらいいんだけどとずっと思っていたんで、今回それをかなえられました」

 

――とはいえ設定は極端で、弟が警察で兄が犯人です。もしもこれが本当だったらあなただったら兄を捕まえます?

 

pic05ジェイ「絶対逃がしてあげる(笑)。人間にとっていちばん大事なのは感情、そして絆だと思うから。映画の中での僕は理性が働きますが、実際の僕はどっちかというと感性ですからね、逃がすと言うよりも一緒に逃げますね(爆笑)。やっぱり家族の愛より大事なものはないですから」

 

――本作は12月22日にやっと日本でも公開になります。ココを見ろというアピールを。

 

ジェイ「本当は、公開に合わせて日本のファンに会いたいところなんですが。ぜひ家族と一緒に劇場に行ってください、これは家族と一緒に見る映画です。それと僕の苦労も体感してください。実際にここまで苦労した映画もないと思いますから」

 

――最後に、今までジェイさんはラブストーリー、青春ドラマ、カンフー・アクション、時代劇と出演してきましたが、今後はどんなものに出たいですか? どんな作品を監督したいですか?

 

ジェイ「実は今北京で撮っている『天台』という作品があるんです。監督と主演をしていて来年3月に中国で公開になります。これは歌、ダンス、コメディ、アクション、ラブ・ストーリー全てが入ってる。監督としてはこの作品を見てほしいです。僕は欲張りなタイプなので、全てのジャンルを盛り込みましたよ。でも役者としては時代劇をやりたいですね。『王妃の紋章』のような作品がクールだと思っているんです。だって昔の時代になんて実際はさかのぼっていくことはできないじゃないですか。それが映画でならできるし。時代劇テイストの音楽も作っているくらい、昔の時代に対する憧れがありますね」

 

――まず本作、そして次は「天台」を楽しみにしています。そして次はコンサートをぜひ。あなたを最後に見たのは去年の9月深センで、こーんな豆粒の大きさのあなたでしたから。

 

ジェイ「今年も日本でコンサートをやりたかったんですが、あまりにも多忙だったので来られなかったんです。12月28日に新しいアルバムが出ますので、今度はぜひに」

 

●プロフィール

ジェイ・チョウ
1979年台湾出身。‘00年ミュージシャンとしてアルバムでデビュー。それ以降、8枚のアルバムをリリースし、アジア全土で絶大な人気と巨大セールスを誇るカリスマ・ミュージシャン。俳優としては、’05年香港映画「頭文字<イニシャル>D」で主演デビューし、以後チャン・イーモウ監督の「王妃の紋章」(’06)やハリウッド映画「グリーン・ホーネット」(’11)などに出演。台湾映画「言えない秘密」(’07)では監督も務めた。

 

 

 



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