
漫画界のキング、週刊少年ジャンプのテッペンを目指す高校生2人組の姿を描いた、人気漫画原作を映画化した『バクマン。』。プロジェクション・マッピングなど大胆な映像表現を用いて撮りあげた『モテキ』の大根仁監督に、映画について質問をぶつけてみた!

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「バクマン。」
4月6日(水)レンタル、4月20日(水)発売
DVD●3800円、6800円(豪華版)
BD●4800円、7800円(豪華版)
発売元/集英社、アミューズ 販売元/東宝
監督・脚本/大根仁
企画・プロデュース/川村元気
原作/大場つぐみ、小畑健
出演/佐藤健 神木隆之介 染谷将太 小松菜奈 桐谷健太 新井浩文 皆川猿時 宮藤官九郎 山田孝之 リリー・フランキー
高校生の最高と秋人がコンビを組んで初めて描いた漫画が入選した! 「週刊少年ジャンプ」で連載を勝ち取った2人は、ライバルの新人漫画家たちと、誰が先に人気アンケートで1位を取るのか、勝負を始める。

――すごい漫画業界の生々しさが表現されてましたね。その臨場感を出すために、撮る前にどんな取材をされましたか?
大根仁(以下、大根)「この物語は著者側の話というだけではなく編集部の話でもあるので、まず編集部の取材から始めました。ふたりほど編集部の方を紹介してもらって、普段どういう仕事をしているのか密着させていただいて、一緒に漫画家の先生のお宅にお邪魔したり。それから実際の新人漫画家さんを紹介してもらって、どういう場所で描いているのかを見せていただいたり。でも取材したことをまんまリアルに描いても、映画的にリアルになるわけではないので、そこからどう映画的な嘘をつけば良いのかというのを序盤ではさぐっていた感じでしたね。ところが、実際のジャンプ編集部がすごかったんですよ」
――すごくぶっ飛んだ感じだったとか?
大根「普通は取材して、現実はこうだけど映像的に足りない部分があるからハッタリを効かせることが多いんです。でもジャンプ編集部は本物のほうがハッタリが効いてて(笑)。強い現実にどう勝つか、美術デザインについてはずいぶん話しましたね。廊下は結局、ジャンプ編集部の廊下でロケしました。“場所の映画”でもあるので、編集部と最高の部屋についてはいろいろ考えました」
――編集部の会議シーンもすごく生っぽかったですよね。
大根「ジャンプ編集部を(映画に)出すってことは、実際に編集部にいらっしゃる方達を出すということですからね。佐藤さん、神木さん…という俳優の皆さんのなかで、編集部の人には匿名性が欲しかったし、あと編集部員役のキャスティングのポイントとしては大卒感、いい学校を出ているイメージ、かつちょっと個性的な人を選んでほしいとお願いしました。結果的には小演劇場界の精鋭が集まってきましたね」

――山田孝之さんもすごくリアルでした。
大根「山田さんが演じた役は、原作よりは実際に編集部にいた方のイメージに近づけたんです。彼もその編集者の方といろいろ話をして研究してくれたのだと思います。リリー・フランキーさんも実際にいろんな編集長をご存じなので、役作りに利用したところもあるかもしれませんね。ただ締め切りを守らないで有名なリリーさんが、締め切りに厳しい発言をしているのは僕的にはおもしろかった(笑)」
――たしかに! でもそういった生々しさがある一方、イマジネーションにあふれた世界にもなっていました。監督の創造力が満開でした。
大根「どうしても描くシーンが多くなるので、描くシーンをどう見せようかと考えた結果、プロジェクション・マッピングを使うというアイディアが出てきました。漫画家の脳内を映像化するというのは、最初から狙っていたので。巨大なペンを持って戦う場面は手塚治虫先生の『紙の砦』という作品にあるんです。漫画を題材にした映画を作る以上は“手塚オマージュ”は欠かせないと思っていたので、ああいうシーンになりました」
――ちなみにプロジェクション・マッピングを映画内で使うというアイディアは最初からあったアイディアですか?
大根「プロジェクション・マッピングは森山未來くんが出演した舞台『TeZuKA』で、コマが動いているのを見て、面白い表現だから使いたいと思っていました。その後、『マキシマム・ザ・ホルモン』のPVでいろんなディレクターと組んで仕事をしたのですが、そこで上田大樹くんに漫画のコマを動かすのを使った映像を作ってもらって。ただあんだけモノがある中で映像を映すのは大変だったんです。床とか全体的に白い材に張り替えたりして。あの映像に紙に画を描くペンの、シャッシャッという音が次第に音楽の一部になっていくというのは、サカナクションが作曲した音楽にすでに入っていたので、それを使おうと。もちろん自分でもいろいろ考えてはいたんですが、今回は皆さんが創造してくれたものが自分の考えたものをすべて上回っていて。いい具合にそれをまとめた感じです」

――ちなみに監督は漫画がお好きだそうでですが、漫画家になろうと思ったことは?
大根「小さいころは漫画家になりたかったですよ。でも画が今ひとつで無理だなあと。ただ中学生くらいの時に遊びで自分がアイディアを出して、画のうまいヤツに漫画を描いてもらうというタッグを組んだこと、あるんですよ」
――最後にBD&DVDの見どころを教えてください。
大根「まずは特典。メイキング映像がすごい!そう思っています。どのシーンもこだわっているので“特にこのシーン”というのはないですが、ただ映画を撮る時に考えていたのは、大スクリーンでかかるイメージがありつつも、BDやDVDで観られることにも意識しているんです。作品と初めて出会うのは、映画館ではなくBD&DVDってことも今は多いと思いますから。そして、今後も漫画原作の作品に携わることもあると思うけど、映画界全体のムードを変える意味も含めて、『バクマン。』では、“これ以上ない、漫画原作の映画”を目指しました!」
■プロフィール
大根仁(おおね・ひとし)
1968年、東京都出身。数々のTVドラマの演出を手掛けた後、「モテキ」(’11)で映画監督デビュー。福山雅治がパパラッチ役で主演する監督第4作「SCOOP!」が今秋公開。
●取材・文/横森文
(c)2015映画「バクマン。」製作委員会 (c)大場つぐみ・小畑健/集英社














