アメリカン・コメディ界の巨匠、ボビー&ピーター・ファレリー兄弟の最新作は、監督デビュー作で世界的大ヒット作「ジム・キャリーはMr.ダマー」の20年ぶりの続編! 先頃開催された第8回したまちコメディ映画祭in台東でのジャパン・プレミアにあわせて来日したボビー・ファレリーに話を聞いた。
「帰ってきたMr.ダマー バカMAX!」
11月20日(金)公開
配給/東京テアトル
監督・脚本/ピーター・ファレリー ボビー・ファレリー
出演/ジム・キャリー ジェフ・ダニエルズ キャスリーン・ターナー
ファレリー兄弟、ジム・キャリー&ジェフ・ダニエルズの主演コンビが再結集。お馴染み超絶バカ・コンビ、ハリー&ロイドが、ハリーの娘ペニーに会うため、珍道中を繰り広げ、行く先々で大騒動を巻き起こす。
ジム・キャリーから電話がかかってきて続編をつくることになったんだ
――新作の「帰ってきたMr.ダマー バカMAX!」最高でした! 監督が作る作品は常に単なるコメディではなく、心がこもった作品ばかりです。
ボビー・ファレリー(以下ファレリー)「ありがとう。そうだね、そうすることでより良いコメディにもなるし。観客も観る前は、笑えるコメディなのか心がこもった感動作なのか、その両方の要素が入った作品なのか分からないと思うんだ。僕らは観客を驚かせるのが好きなんだよ」
――デビュー作の20年ぶりの続編ですね。製作のきっかけはなんだったのですか?
ファレリー「一作目の直後に続編を作る構想があったんだけど、ジム・キャリーが大ブレイクしてね。『エース・ベンチュラ』の続編が作られたりして『もう続編はうんざりだ! やりたくない!』って彼に言われて。そこで続編の企画は消えたんだ。でも5年前に彼から電話がかかってきてね。『ホテルのTVで今「〜Mr. ダマー」を観たよ。面白くて最高だった! 続編を作ろう!』って言ったんだ。『よし、やろう!』ってことになってジェフに電話したら、彼も『やろう!』って言ってくれて。それで動き出したんだ」
――一作目のキャストたちとの再コラボはどうでした?
ファレリー「僕とピーター(・ファレリー/共同監督)は、続編を作るなら一作目以上の作品を作らないといけないと感じていた。一作目は大好きだけど、面白くない続編を作って一作目の評判に傷をつけたくなかったしね。気になったのが、ジムとジェフがロイドとハリーというキャラクターを再び自分のものにしてくれるかだったんだけど、撮影初日の半分の時点で『これぞハリーだ! これこそロイドだ!』って思うことができてね。二人とも20年経っているのに、すぐにあの役になりきってくれたんだ。すごく楽しかったね」
――劇中、「バーバラ・ハーシー・ハイウェイ」という道路が登場して爆笑しました。なぜ女優のバーバラ・ハーシーの名前を使用したのでしょう?
ファレリー「わはは。なんでだろうね(笑)。知ってると思うけどアメリカではよく、ハイウェイに人名がつくことがあるんだよ。ジャック・ニコルソン・ハイウェイとか(笑)。バーバラ本人も、もし観ていたら驚いたんじゃないかな」
身体障がい者にとっても僕にとっても最悪なのは“存在しない者”として扱うこと
――映画の中で、主演二人のアドリブはどれぐらいあるのでしょう?
ファレリー「ジェフは脚本に書かれている通りにやるだけでハッピーなんだけど、ジムは違う。彼は常に色んなことを考えていて、かなりアドリブをやるんだ。次々に違うことを言うから、彼に合わせなきゃいけないジェフが大変だよ(笑)。でも、ジェフは素晴らしいパートナーで、ジムに合わせてうまく対応していたね」
――今作でのジェフ・ダニエルズのキレっぷりが見事でした! コメディ俳優としての彼についてどう思いますか?
ファレリー「一作目の製作準備中、ジムがどれだけ面白くて素晴らしい俳優であることはよく分かっていた。問題は、そのパートナーを誰にするかだった。で、ピーターがある日『ジェフ・ダニエルズはどうだろう? 彼は面白いし素晴らしい俳優だ。彼ならジムに異なる方向から挑むことができるかも』って言ったんだ。よしやってみようってことになり、ジェフがやってきた。二人の相性は完璧で、まるで陰と陽のようだったね」
――このシリーズはバディ・ロード・ムービーでもありますが、これはハロルド・ライミスの「ナショナル・ランプーンズ」シリーズの影響もありますか?
ファレリー「いやいや、ないね(笑)。50年代や60年代にボブ・ホープやビング・クロスビー主演の『バリ島珍道中』などバディ・ロード・コメディがたくさん作られていたんだ。旅の道中にいると色んな街で面白い逸話が生まれるから、より面白くなるし。このシリーズも一作目がロード・ムービーだったから、もう一度旅に出させることにしたんだ。とはいえただ旅をするだけじゃ面白くない。ちゃんとゴールを設けないとね」
――監督の映画には身体障がい者がよく登場しますが、そのことで怒る観客もいます。まったく理解できません。見下しているわけでも馬鹿にしているわけでもないのに。このようなネガティブなリアクションについてどうお考えですか?
ファレリー「いい質問だ。『そんなことするな!』『まったくけしからん!』って怒る人もいるけど、身体障がい者の人もその家族も障がい者コミュニティの人も、そんな反応をしたことは決してない。それどころか僕らの映画が大好きなんだ。だって誰もそんなことしたことなかったから。彼らはコメディの中で扱われるのが好きだし、気にしない。彼らにとっても僕にとっても最悪なのは“存在しない者”として扱うことだ。『私のような人を登場させてくれてありがとう』って身体障がい者の人たちによく感謝されるよ。僕たちにとって非常に意味があることだ。一般的に怒っている人っていうのは、彼らのことを何も分かっていない人たちだね」
■プロフィール
1958年生まれ。兄のピーターと共に監督・脚本・製作を務める。代表作は「ジム・キャリーはMr.ダマー」(’94)、「キングピン/ストライクへの道」(’96)、「メリーに首ったけ」(’98)など。
取材・文/小林真里
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