設楽統のこの映画にしたら? Vol.18「LUCY ルーシー」
2015年1月8日

脳の覚醒前後、同一人物とは思えないぐらいの主人公の“目”の違いに注目です!

■今月の一本
LUCY ルーシー

■見せたい相手
鈴木奈々さん

公開時の“100%覚醒した彼女は、人類を救うのか? 滅ぼすのか?”というコピーに惹かれ、楽しみにしていた一本です。主人公ルーシーの体内である薬物が誤って拡散し、脳が覚醒していくというお話。100%まで覚醒したらどうなるかという過程を、ポップでシャレたスピード感で見せる構成は気持ちよかったなぁ。ルーシーが覚醒していくにつれ、自身の細胞をコントロールして髪を瞬時に伸ばしたり、色を変えたり、携帯電話の電波が見えるようになる描写には驚きました。でも生き物すべてに当てはめて考えると、カメレオンが護身のために擬態化したり、イルカが超音波を発して仲間とコミュニケーションするのと同じようなことで、ある意味、理にかなっているんじゃないかなって。ただ、ルーシーには超人的な力を駆使して地球の危機を救うぐらいの活躍をしてほしかった。それこそ「マトリックス」みたいなね。巨大な敵が相手のバトルを期待していたのに、敵がマフィアっていうのはやや物足りなくて、思わず映画自体の覚醒率を想像してしまいました。う〜ん、キビシい! いつになくキビシい(笑)!

とは言え、リュック・ベッソン作品は「TAXi」や「トランスポーター」(共に製作)などを見ていますけど、真骨頂とも言うべきカー・チェイスは今作でも興奮しました。そして何より主演のスカーレット・ヨハンソンがスゴい! 冒頭の平凡な女性だったルーシーと、脳が覚醒してからの彼女が同一人物とは思えない変貌を遂げています。これは彼女の演技力によるところが大きいと思う。特に“目”の表情がまったく違うので注目してほしいです。

僕自身、脳が目覚めている=覚醒していると思う瞬間は、トーク中の切り返しなど“反応速度”が速い時。仕事柄、出だしが遅いのは致命的なので、常に速度を高めておきたいと思っています。(相方の)日村さんを見ていても感じますよ。「今日はすごく冴えているな」とか「今日はぜんぜんダメだな」とか(笑)。反応速度で言えば、鈴木奈々ちゃん。先日の収録でも、18歳の男の子がVTRに出ていて、テロップにも18歳と書いてあるのに「81歳には見えない!」と衝撃のひと言を。18と81を見間違えるという、別の意味で脳がキレッキレ(笑)。でも彼女はおバカキャラですが、僕は天才だと思っています。というのも、勉強ができない=脳が働いていないではない。彼女は切り返しが人とズレているからおもしろく映るけど、それ以前に反応に瞬発力があってスゴい。脳が覚醒しているのかも。だから奈々ちゃんにもこの映画を見てほしいけど「なんで? どうして?」ってずっと言ってそう(笑)。

脳の目覚めを感じるもうひとつの瞬間は、ネタづくりの時。準備期間が1カ月あったとして、長めのネタがどんどん思い浮かんで転がり出す時もあれば、何も浮かばない時はホントになんにも出てこない(笑)。“脳が覚醒する瞬間待ち”みたいな状態になります。で、自分だけで考えると同じ発想になっちゃうから、たまに“自分の脳に誰かを憑依”させてみるんです。「このセリフは○○さんになって考えてみよう」と。僕の脳だから自分の考えではあるけど、スイッチが変わる分、今までと違って見えておもしろいんですよ。ちなみに「IPPONグランプリ」の大喜利みたいな番組収録の場合は、瞬発力が試されるので、脳が覚醒していてほしいですね。でも、それ以前に「この場は絶対にはずせない」という瞬間のために、「よっ!」とか「イェイ!」とか合いの手を入れながら徐々にギアをあげていく。脳の働きどうこうより、ここぞ!という時に最大限の力を発揮できるような“身体”でいたいと常に意識しています。

この映画もそうだけど、発想がおもしろい映画が次々とつくられていますよね。そうやって過去の人たちの脳内覚醒=知恵やアイデアが受け継がれて今がある。本作でもモーガン・フリーマン演じる脳科学者が言っています。「生物の使命は“伝えていくこと”」だと。……アレ、今気づいたけど、この映画、深いですね(笑)。


「LUCY ルーシー」
リュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンと初タッグを組んだアクション。台北でマフィアの闇取引に遭遇し、体内に新種の薬を埋め込まれた主人公ルーシー。だがアクシデントにより体内に物質が漏れ出してしまう。彼女の脳の機能は徐々に覚醒していき、制御不能な暴走状態へと陥っていく。

監督・脚本/リュック・ベッソン
出演/スカーレット・ヨハンソン モーガン・フリーマン チェ・ミンシク アムール・ワケド

DVD&ブルーレイ/NBCユニバーサル・エンターテイメント

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。俳優の仕事も多く、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。フジテレビ系「ノンストップ!」、テレビ朝日系「~世界にひとつ~ミラクルレシピ!」の司会を務める。

■バナナマンinformation
トークバラエティ「バナナステーキ」DVD-BOX第2弾、深夜特番「そんなバカなマン」が現在発売中。昨夏の単独ライブのもようを収めた「banana man live Loveis Gold」が2015年1月14日にDVD化される。

©2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

撮影/諸永恒夫

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