人工知能だけど人間らしく、ひたすらセオドアのそばにいるサマンサは“最高の彼女”!
■今月の一本
her 世界でひとつの彼女
■見せたい相手
アンガールズ田中さん
いや〜、久々にほっこりする恋愛映画を見ました。離婚調停中のセオドアが、人工知能型OSのサマンサにひかれていくというストーリー。自分ぴったりに最適化されたサマンサはウィットに富んだジョークも言うし、時にはヤキモチを焼いてくれる。でも人工知能だからやろうと思えばスゴいことができそうなのに、彼女がやったのは、手紙代筆業者のセオドアの文才を見いだし、パソコンのデータを見繕って本を出版してあげるという、本当に人間の彼女がやれそうな範囲のこと。後はただひたすら彼のそばにいるんです。もう“最高の彼女”じゃないですか! 舞台は近未来だし設定は一見突飛なんだけど、現代にもあり得る話だと思いましたね。パソコンをもってない僕ですが、サマンサにはいてほしい!
見ていて思い出したのは、90年代の漫画「電影少女」。レンタルビデオ店で借りてきたテープから“ビデオガール”が実体として現われるという設定に、当時の中高生はみんなハマりました。サマンサも自分のビジュアルをつくり上げて見せることもできただろうけど、「電影少女」と違って最後まで“声”だけなのがオシャレ。記念写真が撮れない代わりに“2人のいる風景をイメージした曲”を贈るセンスの良さ!
サマンサのセクシーな声を演じているのは、スカーレット・ヨハンソン。最初サマンサにはもっとかわいらしい声が合うなと思っていて、あのハスキーボイスが正直自分にはなじまなかったんです。でもヨハンソンの声のおかげで、不思議な恋愛をどんどん“リアル”に感じることができて。奥さんや幼馴染みなどセオドアの周りの女性はみんなカワイイのに、最後はサマンサに肩入れしちゃいました。僕自身、女性の声へのこだわりはあまりないですね。声にひかれるというより、好きな人の声を好きになります。……ってことは、スパイク・ジョーンズ監督もヨハンソン本人が好きなんじゃないか!?なんて思わず勘ぐっちゃいますね(笑)。
ホアキン・フェニックス演じるセオドアも飛び抜けてカッコいい男じゃないのが好感もてましたね。聞くところによると、この映画、男でもハマる人と共感できない人、2パターンに分かれるみたいです。僕が思うに、女性に対して幻想を抱いていなかったり、「かわいい彼女がほしい!」から一転、「恋愛は外見じゃなく心だ!」みたいな考えに落ちついた人ほどハマるんじゃないかと。冒頭、「自分が一生のうちで味わうべき感情をすべて経験し尽くしてしまった」というセオドアのセリフがあるんですが、自分自身に置き換えると、僕みたいに結婚している人は、恋愛にトキメキを求めることがある程度の年齢になるとなくなってくる。相手とおしゃべりするだけで満足なときもあるかもしれない。そこに共感する人も多いんじゃないかな。あ、でも僕は普段そんなにしゃべらないから、サマンサにはあこがれるけど、結局使いこなせないかも(笑)。
セオドアはデジタルツールを使いこなす男ですけど、僕はせいぜいiPadで漫画を読むぐらい。ここ数年進化しつづけているコミュニケーションツールも正直よく分からなくて。でもみんな、LINEで何を話しているかといえば「今日楽しかったね!」みたいな他愛のないこと。最新のモノを使って普通にできることをやっている感じがします。それにいま、人工知能を使って洋服の色を選んでくれるスタイリングアプリなんていうのもあるらしいじゃないですか。便利だし、楽しいことは間違いないから発展はしてほしいですけど、ここまでくると、人間、何にも考えなくなっちゃうだろうなぁ(笑)。
誰に見せたいかというより、誰にサマンサを紹介したいかですが、やっぱりモテない人かな。筆頭格はアンガールズの田中ですね。番組収録中も耳元のイヤフォンからサマンサが絶妙なアドリブを教えてくれたりして(笑)。ただし、田中に忠告。サマンサは人工知能なので、パソコンの中身をぜんぶ見られちゃいます。メールはもちろん、エロ画像もバレます。浮気なんてできません。セオドアはまっとうに働いていたけど、田中は欲望のままにどっぷりハマることも考えられるので、くれぐれも人生破綻しないように!
「her 世界でひとつの彼女」
スパイク・ジョーンズ監督によるラブストーリー。手紙の代筆業者として働くセオドアは妻と別居し、傷心の日々を送っていた。そんなある日、彼は人工知能型OS、サマンサに興味をもつ。セクシーな声で語りかけてくるサマンサにひかれたセオドアは、彼女と過ごす時間にしだいに幸せを見いだしていく
監督・製作・脚本/スパイク・ジョーンズ
出演/ホアキン・フェニックス スカーレット・ヨハンソン(声) エイミー・アダムス ルーニー・マーラ オリビア・ワイルド クリス・プラット
DVD&ブルーレイ/アスミック・エース、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。俳優の仕事も多く、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。フジテレビ系「ノンストップ!」、テレビ朝日系「~世界にひとつ~ミラクルレシピ!」の司会を務める。
■バナナマンinformation
トークバラエティ番組「バナナステーキ」のDVD-BOX第2弾が好評発売中。また、フジテレビで放送のバラエティ「そんなバカなマン」が12月26日にDVD化。さらに、今夏行なわれた単独ライブのもようを収めたDVD「bananaman live Love is Gold」も2015年1月14日に発売される。
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撮影/諸永恒夫










