設楽統のこの映画にしたら? Vol.23「滝を見にいく」
2015年6月15日

映画を見る!と決めて、3本目にチョイスしてほしい

「幻の滝」「サバイバル」と聞いてワクワクする人へ。大前提として言いたいのは、振りかぶって見ない方がいいです(笑)。舞台はずっと山の中で、出ているのは知らないおばちゃん7人。大きな出来事が起こるわけではなく序盤は「あれ? さざ波だな」みたいな(笑)。

でも途中から自然とニヤニヤしている自分もいて。趣味に没頭しすぎて周りが見えなくなっていたり、タッパーに梅干しが入っていたりと“おばちゃんあるある”が満載なんです。これもひとえに素人さんだからこそ先入観ナシに見られるし、だんだん7人が本職の役者さん以上に個性的な人たちに思えてくるんです。不思議ですよね。

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あとおばちゃんたちを見ていて思い出したのは、なぜか学生時代のこと。見ず知らずの人たちがバスに揺られる冒頭は、新学年で友達ができるか不安な感じ。で、娘のプレゼントでツアーに参加した主婦ジュンジュンが、最初は目立たなかったのに意外な能力を発揮して一目置かれるようになる過程は、おとなしいヤツが一気にクラスの中心になる感じ。物語に派手さはない分、リアルな人間もようが、本作の魅力なんでしょうね。

公式サイトのキャラ紹介もまたおもしろくて。画面に映っていないけど、各々がどういう背景を抱えてツアーに参加したかがよく分かる。僕もコントでは「矛盾をなくす」がテーマなので、「コイツはこういうことを言わないだろう」とか、表には出ない設定も考えながらつくっていて。この映画もキャラをつくり込んでいるからこそ、深みが出ているんだと思います。

僕は「歳を重ねた先にも楽しみがある」と考えているんですけど、この映画を見て「歳をとることは切ないな」と思いました。腰を痛めたり(笑)、夫と死別したりと突き抜けて幸せな人がいない。でもそんな7人が、サバイバルを通して、現実からほんの一時解放されて“女の子”になる瞬間が描かれています。まさに、おばちゃん版「スタンド・バイ・ミー」。おばちゃんたちのその後……気になるなぁ。

■見せたい相手
国生さゆりさんと新田恵利さんに見せたい!

■見せたい理由
元おニャン子クラブで不仲説の根強いお二人。本作のようにサバイバルを通して“女の子”に戻り、距離を縮めてほしい…って大きなお世話ですかね(笑)

■今月の一本
「滝を見にいく」

「南極料理人」「横道世之介」などで知られる沖田修一監督によるコメディ。幻の滝を見にいく温泉付き紅葉ツアーに参加したおばちゃん7人がツアーガイドとはぐれ、山で遭難。大自然の中に放り出された彼女たちのサバイバルが始まる。オーディションにより、演技経験のまったくない素人を含む7人の女性が選ばれた

監督・脚本/沖田修一
出演/根岸遙子 安沢千草 荻野百合子 桐原三枝 川田久美子 德納敬子 渡辺道子 黒田大輔

BD&DVD/キングレコード

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。「ノンストップ!」で司会を務める他、「そんなバカなマン」(共にフジテレビ系)、「クレイジージャーニー」、「バナナマンのせっかくグルメ」(共にTBS系)に出演中。

■バナナマンinformation
昨夏の単独ライブDVD「banana man live Love is Gold」、特番「そんなバカなマン」のDVD、「ゴッドタン キス我慢選手権THE MOVIE2 サイキック・ラブ」BD&DVD、「バナナステーキ」DVD-BOX第3弾が発売中! 6月24日にはバナナTVのDVD第4弾「ハワイ編」「台湾編」完全版を同時リリース。

(C)2014『滝を見にいく』製作委員会

撮影/諸永恒夫

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