設楽統のこの映画にしたら? Vol.21「ゴーン・ガール」
2015年4月10日

ラブラブの男性にこそ見てほしい。女性がいかにコワい生き物かがわかります!

■今月の一本
ゴーン・ガール

■見せたい相手
バイきんぐ小峠さん

僕の周り、特にLiLiCoさんをはじめとした女性陣から「おもしろい!」と聞いていたので楽しみにしていたんです。ただ気になっていたのが「とにかくコワいよ」という感想。僕、前にも話しましたが、ホラーが苦手で。だからドキドキしながら見たんですけど、ホラー的なコワさとは違う、新感覚の恐怖を感じました! ストーリーは、失踪した妻を捜すニックが、警察の捜査やマスコミの過熱報道によって妻殺しの容疑をかけられていくというもの。アメリカで実際に起きた事件が元ネタみたいですね。僕も情報番組のMCをやっているのでこうしたワイドショー的な展開はよく目にしていますが、普通の人が一夜にして“渦中の人”にされてしまうあたりにリアリティを感じ、思わず見入っちゃいました。主人公がズブズブと蟻地獄にはまっていく描写がコワかったし、見る人の緊張感をぐーっと高めていき、最後にギュンッと加速する畳み掛け方にはゾクゾクしたなぁ。

詳しくはネタバレになるので言えないんですけど、ロザムンド・パイク演じる妻エイミーの存在感がとにかく強烈。世間から見た“理想の夫婦像”に執着する完璧主義者。一見あり得ないけど、どこかにいそうな感じもして…。彼女が劇中で見せる〝ある変化〟には鳥肌がたちました。前にこの連載でも紹介した「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」にも出ていましたが、同じ人とは思えないほどたたずまいがまったく違う。今年のアカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得の演技、いや“怪演”です! 一方、ベン・アフレック扮する夫ニックは怠慢で浮気までしていて。挙げ句の果てに、妻の失踪を受けての記者会見でニコッと笑ってしまう始末…。そりゃダメでしょと。ただ女性から見たら非難轟々だろうけど、世の中にあふれている旦那像のひとつの例ともいえます(笑)。そんな彼が、5年連れ添った妻についてなんにも分かっていなかったことに気づくシーン。これにはハッとさせられたというか、僕の奥さんも実はエイミーみたいな人だったらどうしようかなと(笑)。

エイミーの元カレ役とか女刑事など脇役もひとりひとりキャラが立っていておもしろかったですね。僕がいちばん気になったのは、ニックの妹。とにかく兄思いなんですが、単なる兄妹とは思えないようなちょっと意味深なセリフがあり、思わず僕、近親相姦を疑っちゃいました。聞くところによると、公開時にも見た人の間でそんな解釈がたくさん出回っていたらしいですね。ホントのところはわからないけど、見る側にいろんな想像をさせてくれるのも「ゴーン・ガール」の魅力のひとつかも。

この映画、サスペンスと受け取る人が多いと思いますが、僕は「コントみたいだな」と思いました。全米を巻き込んだド派手な夫婦ゲンカを描いたブラック・コメディですよ、これは。そして、ニックと妻の両親の不仲や、夫の都合で引っ越しを余儀なくされるなど、日本の家庭でも見られる、身近な問題が描かれていて、一気に引き込まれました。

夫婦についての物語というより、純粋に男と女のドラマとして堪能できました。そして、僕の中で出た結論はというと…「女っておっかない!」。「夫婦やカップルで見たら気まずくなる」と言われているようだけど、いやいや、今まさに恋人とラブラブな人や結婚を考えている男性にこそ見てもらいたい。ある意味、究極のデートムービーですよ。見終わった後、相手とあれこれ議論するのも楽しいと思うし。特に見てほしいのは、バイきんぐの小峠さんですかね。女性がいかにコワい生き物かがよ〜くわかります。あ、もちろん今つき合っている彼女がコワいってことじゃないですよ? ただ術中にはまっているといいますか“得体の知れない何か”に巻き込まれている感じがヒシヒシと伝わってきますしね(笑)。小峠さんに限らず「うちはうまくいっているから大丈夫」とあぐらをかいている夫婦やカップルのみなさん。パートナーのこと、ちゃんと見えていますか?

「ゴーン・ガール」

鬼才デビッド・フィンチャー監督によるサスペンス・スリラー。結婚5周年の記念日に妻エイミーが失踪するという不幸に見舞われた主人公ニック。だが自宅には大量の血痕が残されており、悲劇の夫から一転、妻殺しの容疑者として疑惑の目を向けられる。そんな折、事態は思わぬ方向へ転がりはじめる。

監督/デビッド・フィンチャー
製作/リース・ウィザースプーン
原作・脚本/キリアン・フリン
出演/ベン・アフレック ロザムンド・パイク ニール・パトリック・ハリス タイラー・ペリー

DVD&ブルーレイ/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。俳優の仕事も多く、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。フジテレビ系「ノンストップ!」、テレビ朝日系「~世界にひとつ~ミラクルレシピ!」の司会を務める。

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。俳優の仕事も多く、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。フジテレビ系「ノンストップ!」、テレビ朝日系「~世界にひとつ~ミラクルレシピ!」の司会を務める。

©2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

撮影/諸永恒夫

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