設楽統のこの映画にしたら? Vol.25「花とアリス殺人事件」
2015年8月19日

楽しかった!でもアニメだからと期待値を上げすぎた……

前作「花とアリス」を観ていない僕でも楽しめましたよ。学園生活で起こる、些細だけど本人たちにとっては一大事に思える日々と青春時代特有のフワフワした感じが丁寧に切り取られています。岩井俊二監督作品は、’95年の「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」に始まり、いろいろ観ていますけど、とにかく世界観がブレないのがイイ。オシャレだけど切なくて。キラキラしているけど危うくて。本作でもそれが貫かれていて、さすがだなと思いました。そして、そんな若い子たちの感情の起伏や複雑な人間模様を、実写ではなく、アニメーションで表現しているのが新しい!

前作で主人公の2人を演じた蒼井優さん、鈴木杏さんが声を吹き替えていますが、リアルで良かったです。絵の大人っぽさと声の生々しさは、僕が大好きなジブリアニメーション「おもひでぽろぽろ」にも通じるところがあって、違和感なく物語に入り込めました。何も起こらない日常を淡々と描いているという意味では、大人向けのアニメなのかなと思うけど、考えてみたら僕も昔、「機動戦士ガンダム」で描かれる人間ドラマみたいなものを子供ながらになんとな〜く理解できていたなって。だから意外と子供が観ても楽しめるかもしれないです、本作は。……とはいえ、「〜ガンダム」はガンダムがいるからおもしろいんだけど(笑)。

今後は実写とアニメ、俳優と声優という境界線がボーダーレスになっていく感じなんですかね。そう考えると「花とアリス殺人事件」は、派手さはないけど映画の未来を変えちゃうような、革新的な作品かもしれない。何より僕の今回の収穫は、ロトスコープという技法を知れたこと。登場人物の細かい動きがスゴく滑らかなんです。ゼロから絵を描きおこさなくてもアニメが作れるってことは、僕も頑張ればアニメーション監督になれるってこと? 可能性が広がるなぁ。あ、バナナマンのコントをロトスコープで作ったらおもしろいっすね。よし、やろう(笑)!

■見せたい相手
広瀬アリスさんと広瀬すずさんに見せたい!

■見せたい理由
「花とアリス〜」が鈴木さんと蒼井さんの転機となったように、今後こういう作品を数多く残すであろう広瀬姉妹にぜひ!“アリス”被りは偶然ですよ(笑)


■今月の一本
「花とアリス殺人事件」

岩井俊二監督が、2004年に手掛けた実写映画「花とアリス」(’04)の前日譚をアニメ化。ある事件が原因で引きこもる荒井“花”と、“アリス”こと有栖川徹子の中学時代を舞台に、2人がいかにして出会い、親友となったのかを描く。実写映像をトレースしてアニメーションにするロトスコープという技法が取り入れられた

監督・製作・企画・脚本・原作・音楽/岩井俊二
声の出演/蒼井優 鈴木杏 勝地涼 木村多江 平泉成 相田翔子 鈴木蘭々

BD&DVD/ポニーキャニオン

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。「ノンストップ!」で司会を務める他、「そんなバカなマン」(共にフジテレビ系)、「クレイジージャーニー」(TBS系)、「YOUは何しに日本へ」(テレビ東京系)に出演中。

■バナナマンinformation
バナナTV第4弾「ハワイ編」「台湾編」DVD完全版が発売中。日村勇紀初主演作「新選組オブ・ザ・デッド」のBD&DVDは9月9日に、好評のロケ企画、忘年会&新年会スペシャルを収録した「バナナステーキ」DVD-BOX第4弾、第5弾は9月2日に同時リリースされる!

(C)花とアリス殺人事件製作委員会

撮影/諸永恒夫

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