「オタク向けのアニメでしょ?」と思っていると、みごとに裏切られます!
■今月の一本
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語
■見せたい相手
中2、中3の男子
ようやく見ましたよ、「魔法少女まどか☆マギカ」。おぎやはぎがラジオで絶賛していて気になってたんですが、TVアニメ12話を再編集した劇場版前編&後編と先日ソフト化された新編を続けて見ました。“魔法少女”というタイトル、そしてアニメというだけで30~40代の男性は敬遠してしまうかもしれません。でも「オタク向けのアニメでしょ?」と思っているとみごとに裏切られます!
まず画のクオリティがスゴい! シルク・ドゥ・ソレイユのセットみたいな異空間のビジュアルにド肝を抜かれます。萌えキャラとダークな物語のギャップにも引き込まれました。特に、カワイイ女の子が魔女に食べられちゃう描写はグロかったですね。前後編は「まどかはいつ魔法少女になるんだ?」と思って見てたんです。でもなかなかならず、「魔法少女にならないための話」だと気づいたときは衝撃的だったなぁ。詳しくはネタばれになるので言えないけど、「え?コイツが!?」っていう推理小説みたいに引き込まれていく感じもあっておもしろかったです。
時間がループする展開は、僕が好きな「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の世界観にも通じますが、新編はさらに複雑に。そして魔法少女が魔女と闘う設定が、新編ではねじ曲がって…。そうした新鮮なものが見られる一方で、TVシリーズからのファンへのサービスもちゃんとあって。まどかを含む5人がそろって闘うシーンなんかは「待ってました!」っていう感じですよね。まさにノってるチームがノってる時期につくったんだなということがビシバシ伝わってきます。あ~、もう1回見たい!
でもね、奇想天外な話に見えて、シビアな現実も描いているのがこのシリーズの魅力なんです。例えば、少女たちは願いを叶えてもらうのと引き換えに魔法少女としての過酷な運命を受け入れます。奇跡を起こすにはそれなりの代償が必要ってわけです。だから見ていて「何でこういう展開に?」という“矛盾”を感じないんですね。僕もコントをつくるときに「矛盾をなくす」のがテーマで。コントって矛盾から始まるものだけど、違和感を放りっぱなしだと見る人が感情移入できないから、腑に落ちる仕掛けがないといけない。「まどか☆マギカ」も納得できるようにつくられていて気持ちよかったです。
あと、神話や宗教みたいなものもベースになっているので、重厚感や深みがあるんですよね。3月号で取り上げた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のときも話しましたけど、今ってアニメを見る人のレベルがどんどんあがっているじゃないですか。つまり、ちょっとやそっとじゃみんな納得しないんです。そんな中、この「まどか☆マギカ」。聞くところによると、新編は深夜アニメ映画初動動員数と興行収入が歴代1位を記録したそうです。スゴすぎるものって垣根を越えてみんなに指示されるんでしょうね。「まどか☆マギカ」もエンターテインメントとして昇華されていて、とりわけ新編はハリウッドのSFよりもコーフンしました。
大人でさえワクワクするんだから、多感な時期の子はどう感じるんだろう? ちなみに「新世紀エヴァンゲリオン」のシンジ君はまどかたちと同じ14歳。思春期ってやっぱりドラマチックだし、シンジ君の葛藤は当時14歳の男子に確実に影響を与えたと思うんです。だから「まどか☆マギカ」も、今の中2、中3の男子が同い年の魔法少女の痛みや苦悩を見て、どう成長するか気になりますね。ただヒット作とは言え、「好きな映画は『まどか☆マギカ』です」って言うのは少し勇気がいるかも。でもね、僕、高校生の頃、漫画「白鳥麗子でございます!」にハマったんですよ。それまでは「男が少女漫画を読むなんて恥ずかしい」と思ってたんだけど、読みはじめたら止まらなくて。周りにどう見られようと「おもしろいものはおもしろい」という探究心をもった方がステキですよ。「『ゴッドファーザー』も『まどか☆マギカ』も好きだぜ!」って言える方がカッコいいし、この作品をおもしろがれる子はセンスがいいと断言します!…と言いつつ、40代の僕はついつい「好きな映画は『ゴッドファーザー』です」ってカッコつけちゃうと思いますけどね(笑)。
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」
深夜放送ながら社会現象を巻き起こしたTVシリーズを再編集した劇場版前編&後編を経てつくられたオリジナルストーリー。鹿目まどかの願いによって魔女が消えた世界には、なぜか夜な夜なナイトメアと呼ばれる悪夢が出現。残された魔法少女、暁美ほむらは、まどかとの再会を夢見て闘いつづける
総監督/新房昭之
監督/宮本幸裕
声/悠木碧 斎藤千和
DVD&ブルーレイ/アニプレックス
■プロフィール
1973年、埼玉県出身。’93年に日村勇紀とお笑いコンビ、バナナマンを結成。俳優の仕事も多く、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」(’10)で映画初主演。現在、フジテレビ系「ノンストップ!」の司会を務める
■バナナマンinformation
ひかりTV、TVKで放送のトークバラエティ「バナナステーキ」が7月2日にDVD化。また、「バナナTV」DVD第3弾として、「~タイ・バンコク編~【完全版】」「~サイパン編~【完全版】」「~ハワイ編 Part2~【完全版】」が7月30日(水)に同時発売!!
©Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion
撮影/諸永恒夫













