• 第十二回 思春期ならではの爽快感&ほろ苦さがツボ! 「サニー 永遠の仲間たち」【後編】

  • 2025.07.14

黒木華が“華”(=ハイライト)と“実”(=テーマ)を合言葉に気になる映画を語る、本誌好評連載のロング・バージョン。今月のセレクトは【韓国映画】から。仲良し女子たちの変わらぬ絆をさわやかに描いた傑作青春コメディ!

 

高校時代はナミのようにグループの中にいるのではなく、外側から見ているような感じでした。

 

――あと、思春期の恋愛エピソードも「ああ、わかるわかる」という感じで、これまた染みるんですよね。

 

黒木 大人になってから初恋の人を捜しに行く一連のエピソードで、いい感じで期待感をもたせてくれるじゃないですか。ちょっと甘酸っぱくていいですよね。あの辺りの理想と現実に対しては切なくなるものもありますけど、人生の機微を感じさせてくれるのも確かであって。

 

──ホント、おっしゃる通りなんですよ。同窓会でかつて好きだった人と再会すると、たいていは「思い出は美しいままにしておけばよかった」と思うことが多いですから…。

 

黒木 そんなことを言われてしまうと、同窓会に出るのが怖くなります(笑)。

 

──ちなみに、黒木さんはどんな高校生だったんですか?

 

黒木 目立つ存在ではなかったですね(笑)。主人公のナミもおとなしい子ですが、彼女のようにグループの中にいるのではなく、外側から見ているような感じでした。…彼女がまた、いい芝居をするなぁと思わせてくれるんですよね。転校してきて初めて教室に入ってくる時の不安げな仕草を見せたかと思うと、「サニー」の仲間たちと仲良くなって垢抜けていき、ハジけるような踊りも披露する…。その振れ幅の広さに目を引かれました。

 

──シム・ウンギョンですね。新作「怪しい彼女」がもうすぐ日本でも公開されますが、彼女はまだ二十歳になったばかりだそうです。

 

黒木 魅力的ですし、気になる女優さんの一人なので、これからも動向をチェックしていこうと思います。

 

──個人的には高校時代のチュナを演じたカン・ソラがタイプだったりもしますが…って、聞いてないですね。それはさておき、韓国映画というお題だったので、「殺人の追憶」に代表されるシリアスな人間ドラマを選んでくるかと思いきや、青春映画だったのが意外でした。

 

黒木 私自身の青春の思い出は演劇部の活動がほとんどで、それこそ映画のような感じとは異なりましたが、青春映画を見るのは好きです。甘酸っぱさも、ほろ苦さも感じさせてくれるから──。また、感覚的に近いところがあるのか、韓国やアジアの青春モノは理屈じゃない部分でわかると言いますか…以前に取り上げた「つぐない」で描かれた青春とはちょっと受け止め方が違うんです。

 

──その辺りはアジアと欧米の文化や風習の違いというのがあるのかもしれませんね。ところで、もしアジア圏の国から映画出演のオファーが届いたら、お受けしますか?

 

黒木 はい、挑戦してみたいです。聞いたところでは、間に入る通訳さんが映画、あるいは演劇に造詣が深くないと、演出の意味合いやニュアンスが変わってくることがあるそうなんですね。だから、海外の作品に多く出演される役者さんは監督と直接コミュニケーションがとれるように英語のスキルを高めている方が多いとか。そういったエピソードを聞くにつれ、興味が深まっていきます。

 

「サニー 永遠の仲間たち」(’11韓国)
80’s洋楽ポップスが彩る女たちの友情と青春
主婦のナミはある日、高校時代の親友チュナと再会。重病を患い余命2カ月のチュナの頼みで、ナミはかつての仲良しグループ“サニー”のメンバーを捜しはじめる。ノスタルジックな80年代描写と普遍的な友情物語が涙を誘う感動ドラマ
監督/カン・ヒョンチョル
出演/ユ・ホジョン シム・ウンギョン ジン・ヒギョン カン・ソラ
BD&DVD/ミッドシップ

 

<PROFILE>
くろきはる
1990年3月14日、大阪府生まれ。NODA・MAP番外編「表に出ろいっ!」(’10)で本格デビュー。「小さいおうち」(’14)で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。現在放送中のNHK連続テレビ小説「花子とアン」では主人公の妹、安東かよを演じている。その他の待機作に、映画「繕い裁つ人」(2015年1月公開)
最新情報は公式サイトへhttp://www.tokyo24.jp/artist/kuroki/

取材・文/平田真人 撮影/石川信介 スタイリスト/井伊百合子 ヘアメイク/北一騎