• 第一回 新連載スタート!【前編】

  • 2025.07.30

クローネンバーグは、息子から入りました(笑)

 

──新連載の1回目ですので、まずは黒木さんの自己紹介的な内容にしようかと。小さい頃はどんなお子さんだったんですか?

 

黒木 小学校時代はわりと活発な子でした。サッカーをやったり、男の子たちと遊んだり、親がキャンプに連れて行ってくれたりもして、けっこうアウトドアの思い出があります。中学からおとなしくなって…いや、そうでもないんですけど(笑)、本が好きになり、あと、映画を見たりすることのほうにだんだん興味が移っていきました。それでもスポーツ好きなので、バレーボールをやったり、剣道を習ったりもしてました。

 

──剣道ですか! でも中学から活字好きになられて、今日に至るわけですね。映画「舟を編む」の、国語辞書の編纂に取り組んでいく役、ピッタリでした!

 

黒木 ありがとうございます。

 

──いろいろと映画をご覧になられていると思うのですが、最近は?

 

黒木 ちょっとだけ自分の時間ができたので、「アンチヴァイラル」「スプリング・ブレイカーズ」「俺俺」を劇場で見ました。

 

──「アンチヴァイラル」ってあのデビッド・クローネンバーグの息子、ブランドンが長編初監督したエグみのあるSFサスペンスじゃないですか。もしかしてお父さんのファン?

 

黒木 いえ、実はまだ未体験で。友達に再三勧められている「ザ・フライ」も見てなくて、そうしたら息子から入りました(笑)。これは父の作品も見なくてはと思っています。

 

──「スプリング・ブレイカーズ」はハーモニー・コリンの監督作品ですが。

 

黒木 初めて見ました。

 

──いきなり飛びこんじゃったんですか!?

 

黒木 はい。ジェイムズ・フランコも気になる役者さんのひとりで、悪役をやっていると聞いて興味をもったんです。ちょっと前ですが「127時間」の彼はよかったです。監督のダニー・ボイルの作品も毎回楽しみにしています。

 

──自分のスタイルをもっている映画作家に魅かれる?

 

黒木 そうですね。その監督ならではの感覚に浸りたいです。

 

──ご自身の価値観をグラっと揺さぶられた最初の映画って何でしたか。

 

黒木華の好きなモノ嫌いなモノ
【好きな映画】
「リリイ・シュシュのすべて」「ルビー・スパークス」「汚れた血」「エターナル・サンシャイン」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「シザーハンズ」など
【好きな映画監督】
岩井俊二、ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ティム・バートン
【好きな俳優】
ドニ・ラヴァン、ゲイリー・オールドマン
【好きな音楽】
くるり、きのこ帝国、KANA-BOON、中森明菜、serph、平沢進など
【好きなもの】
豆腐、柑橘系、猫、ミィ(ムーミン)
【苦手なもの】
トマト、ホラー映画、お化け屋敷

黒木 やっぱり「リリイ・シュシュのすべて」です。思春期に見た映画なので、けっこう深いところに突き刺さりました。それからラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も。

 

──しばらく引きずりそうな映画ばかりですね。「リリイ・シュシュのすべて」はどういうキッカケで。

 

黒木 「アンチヴァイラル」もそうなんですけど、ポスターやフライヤーのビジュアルとかで選ぶことが多いんです。「なんか好きかも」と思わされると見たくなります。あと予告も重要ですね。けっこう前情報なく、ふらっと見に行くのが好きで、「リリイ・シュシュのすべて」のときもそんな感じでした。

 

──たしか、「リリイ・シュシュのすべて」の宣伝のメインビジュアルって、美しい田園の中に、市原隼人さんが佇んでいる絵でしたよね。

 

黒木 携帯CDプレイヤーで音楽を聴いている…なんか不穏な感じがしたんです。

 

──美しすぎて、逆に何かを隠しているような。

 

黒木 ええ。どこか市原さんの姿が切なくて…。

 

──見た直後は、誰かと話したくなりませんでした?

 

黒木 ひとりで劇場に行ったんですけど、自分ひとりの中にしまっておきたい気持ちになりました。劇中の架空のアーティスト、Lily Chou-Chouの音楽を担当されていたSalyuさんの楽曲に浸りながら。

 

──映画が終わって現実に戻ると、そこからまた自分の中の物語が始まるという感じですもんね。

 

黒木 そうですね、岩井さんが書かれた小説版も大好きです。

 

──じゃあ、流れで聞いちゃいますが、黒木さんの最新作「シャニダールの花」(公開中)のフライヤーの仕上がりはどうですか。

 

黒木 とっても気に入っています。綺麗だし、妖しさもあるし。綾野剛さんとわたしが顔を寄せて“鼻キス”をしているシーンがメインビジュアルになっているんですけど、これは撮影のときのシーンをそのまま使っているんです。

 

──あのー、ずいぶん前の話になりますが、完成披露試写会のときのもようを、「綾野剛、女優陣から“変態”呼ばわり」って多くのマスコミが見出しにしてましたよね。

 

黒木 綾野さんは「何でもいいから見てくださるキッカケになれば、別に“変態”って書かれてもいい」とおっしゃって、カッコいいなと思いました。私の中では「みんなとは一緒ではない、個性のあるもののほうがおもしろい」という意味で使ったんですけど、言葉のおもしろみだけで“変態”って出されちゃいました(笑)。でも、実際に作品を見ていただければ意図はきっとわかってもらえる、と信じています。

 

──やっぱり、尖ったものがお好きなんですね。

 

黒木 どうでしょう…映画でも映画館に行かなければ見られないものに興味があるというか、「お前が来い!」って言われているような、たしかに、ちょっと尖ってる映画のほうが「ハイ、行きます」という気になります(笑)。演劇もそうですけど、触発されて自分で選んで見に行くのが楽しいんです。

 

<PROFILE>
くろきはる
1990年3月14日、大阪府生まれ。大学在学中に野田秀樹の演劇ワークショップに参加し、NODA・MAP番外編「表に出ろいっ!」(’10)で本格デビュー。映画初出演は「東京オアシス」(’11)。2013年は、「草原の椅子」「舟を編む」「シャニダールの花」に立て続けに出演。待機次回作に、深川洋栄監督の「くじけないで」(’13年11月公開)、山田洋次監督の「小さいおうち」(’14年1月公開)
最新情報は公式サイトへ http://www.tokyo24.jp/artist/kuroki/

 

<INFORMATION>
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取材・文/轟夕起夫 撮影/西村彩子(SELF:PSY’S) スタイリスト/梶雄太 ヘアメイク/北一輝


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