第九回 フランス映画の傑作を見る! 「グラン・ブルー」【前編】
- 2026.03.26
黒木華が“華”(=ハイライト)と“実”(=テーマ)を合言葉に気になる映画を語る、本誌好評連載のロング・バージョン。今月のお題は【フランス映画】。彼女が選んだのは、美しい映像に魅了される海洋ロマンの傑作!
子供の部分をもっていて夢を見させてくれる男性って魅力的です。
――「小さいおうち」でのベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)受賞、本当におめでとうございます!
黒木 ありがとうございます。山田洋次監督を応援するためについて行ったので、ずっと「金熊賞来い!」って思っていたのですが、まさか自分が賞をいただけるだなんて。もう現実感がなくって、名前を呼ばれた瞬間もあんまり覚えてないです(笑)。
――しかも審査員が黒木さんが大好きなミシェル・ゴンドリーで。
黒木 そう、会えたんです! 授賞式後のパーティーで、うれしくて「全部見てます」って通訳してもらったら「おお!」って、写真やサインにも快く応じてくださってテンションあがりました(笑)。あと映画祭の雰囲気がよくて、地元の人が温かくて映画が大好きな感じが伝わってきました。
――さて、今回のお題は【フランス映画】。リュック・ベッソン監督の「グラン・ブルー」を選んでいただきました。
黒木 はい。フリーダイビングに情熱を捧げる男たちの映画で、男の子で好きな人がすごく多い。実際にm見てそうかもって思いました(笑)。
――おお、男子が見切られた感じですか?(笑)
黒木 いえいえ(笑)。でも愛の描き方とかフランスらしい魅力が詰まってました。映像のキレイさは本当に“華”。あんな海の青さをどうやって撮ったのかと驚きますし、イルカが人魚みたいに映ってたり、深海の暗さに怖いけど惹き込まれたり。これ実際にいた方の話なんですよね?
――ジャック・マイヨールというフリーダイバーで74歳で自殺という最期でした。テーブルの上には、この映画のビデオが置いてあったそうです。
黒木 ええ!? でもあの映画を見たら、ちょっとわかる気がします。不安定で、海に捕らわれてずっと深海にいる感じとか。部屋の中が水でいっぱいになっていくシーンが衝撃で、彼は海が好きだけど怖いと感じながら、ずっとそんな精神状態でいたのかな…。そんなところに、ロザンナ・アークエット扮するヒロインはよく送り出せたな、ああ恋してるんだなって思いました。
――男たちがある意味、みんな身勝手でワガママですよね。女性として腹が立ったりはしませんでした?
黒木 そうですよ…(笑)。私だったらイヤだなって思いながら、本当に海が好きなのを理解したら、行かせちゃうのかなとも思います。でも子供がいたら、ちょっと夫としては困りますが…。でも男の人って夢を追いかける存在として描かれることが多いし、子供の部分をもっていて夢を見させてくれる男性ってやっぱり魅力的ですね。私もキュンとして付き合っちゃうかもしれない。でも結婚は厳しいですね!(笑)
【後編】へ続く(4月6日UP予定)
| <PROFILE> くろきはる 1990年3月14日、大阪府生まれ。NODA・MAP番外編「表に出ろいっ!」(’10)で本格デビュー。「小さいおうち」で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。映画「銀の匙 Silver Spoon」が公開中。今後の出演作は、NHK連続テレビ小説「花子とアン」(3月31日~放送)、映画「繕い裁つ人」(2015年1月公開)など 最新情報は公式サイトへhttp://www.tokyo24.jp/artist/kuroki/ |
取材・文/村山章 撮影/石川信介 スタイリスト/井伊百合子 ヘアメイク/北一騎








