ファヴローが創りだした美味しい物語
「アイアンマン」(1、2)シリーズのジョン・ファヴロー監督が手掛けたヒューマン・ドラマ。一流レストランの天才シェフがオーナーと対立して仕事を辞めた後、米国を横断するフードトラックで移動販売をしながら、料理や人生への情熱、家族の絆を取り戻していく姿を描く。
制作費が数百億を超える「アイアンマン〜」と比べると、同作は自主映画並み。だが、劇中のセリフ「この世で一番幸せなこと。それは、自分が一生懸命に作ったものを人に味わってもらうことだ」とあるように、富や名声ではなく、監督自身が自分のやりたいことを形にした作品といえる。
主演も兼ねたファヴローは、料理人(監修を務めたロイ・チョイ)のもとに弟子入り。そのため、劇中の調理シーンで観られるカール(ファヴロー)の包丁さばきは実に見事だ! さらに、ゆく先々の土地の料理を取り入れて創りだされる、魅惑の料理の数々は、観る者の食欲を激しく刺激し、ずっとお腹は鳴りっぱなしである。
ロバート・ダウニーJr.が、「アイアンマン」のトニー・スターク役と同様、金持ちのプレイボーイとして登場していたり、スカーレット・ヨハンソンがカールを支える重要人物を演じていたりと、ついつい“クスッ”としてしまうキャストティングも楽しい。
日本でいうところの“屋台(=フードトラック)始めました”なのだが、ただの料理映画にあらず! SNSなど現代のさまざまな問題に始まり、芸術とは何か? 仕事とは何か? 親子とは何か?など、様々な要素(=食材)を調理し、見事にトッピングした、最高に美味しい作品なのだ。












