ダーレン・アロノフスキー監督、聖書の「ノアの箱舟」と
その新解釈について、記者会見で語りたおす- 2026.05.14
「ノア 約束の舟」の緊急PRのため、全世界で最終公開となる日本に、ダーレン・アロノフスキー監督がやって来た。完成披露試写会での舞台挨拶の翌朝開かれた記者会見では、本作に込めた思いの丈を語りつくした。
4度目の来日だが、考えてみれば「ファウンテン 永遠につづく愛」以来7年ぶり。まず説明したのは、今なぜ聖書映画を作ったか、ということだった。
「何しろこのノアの物語は何千年も語り継がれてきた偉大な話だが、メジャー映画作品になったことが実はない。そして洪水の説話は、キリスト教圏でなくても世界中どこにもある破壊と再生の話だから、受け入れられるだろうと思った。13歳の時この物語について詩を書いて賞を取り国連で読み上げたことをきっかけに、ストーリーテラーになったのだから」と、30年も前からの企画だったことを告白。
ノアにラッセル・クロウを、養女イラにエマ・ワトソンをキャスティングしたことについては、「“奇跡”がたくさん出てくるので、それを起こるものと観客に信じさせる俳優が必要だった。ラッセルは目、唇の動き一つで感情を伝えられる。それに『グラディエーター』以来ヒーロー的な叙事詩をやっていないから、ピッタリだと思った。聖書では、神は自分の創造物である人間を破壊することは非常な苦しみだと書かれている。親にとってみれば子供を破壊することこそ一番の苦しみ。神の苦しみを表現するためにノアを苦しませたんだ。イラというキャラクターは聖書に出てこないが、ノアの息子の妻たちという者は出てくる。イラは善の象徴、未来への希望の象徴だ。エマは『ハリー・ポッター』で世界中に愛されているが、女の子ではなく女性として新しい面を見せたかった」のだという。
本作には、アロノフスキーが訴えたかったテーマが厳然として存在する。それが、ノアの方舟物語にない新解釈の部分となっている。特に、聖書には描かれていない“箱舟に乗ってから”の部分に。
「聖書の記述とは矛盾したくなかった。聖書が提示するテーマとは、正義と憐み、人間になるとはどういうことか、公正な人間とはどんな人間かということだ。このテーマをふくらませ、どうやったら映画のシーンになるかを考えた。どうやったら人間同士の葛藤として描けるかを考えたんだ」。
そしてできあがったのが、かなりオリジナルな“ノアの箱舟”物語なのだ。
| 「ノア 約束の舟」
6月13日(金)公開 パラマウント配給
アベルとカインの弟、セトの子孫であるノアは、ある日悪がはびこる世界が大洪水に現れる夢を見る。これを神の啓示と受け取った彼は、祖父からもらった種を植え、出来た森の木を伐採して巨大な箱舟を作り、洪水を生き延びさせるべくあらゆる動物のつがいを乗せる。しかし、カインの子孫である一族も箱舟に乗せろと暴動を起こし、ノアはきびしい決断を迫られることに。 |










