ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で直撃!
「ビー・デビル」チ・ソンウォン

キム・ギドク監督の助監督を長年務めていたチャン・チョルス監督の長編映画デビュー作。本作で主人公の幼なじみを演じるソンウォンを、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で直撃した。長編映画としては「ハーモニー 心をつなぐ歌」に続き、3作目となるソンウォン。「ホラーやスリラーは苦手」と語る彼女が「ビー・デビル」の出演を決めた理由とは?

―「ハーモニー 心をつなぐ歌」とは180度違う残酷描写満載の本作ですが、そもそもなぜこの映画に出演しようと思ったのでしょうか?

チ・ソンウォン(以下ソンウォン)「本作の製作会社が自分のマネージャーと知り合いで、そのマネージャーからオーディションがあるよと知らせてきました。私はスリラーもホラーも苦手で、最初はと惑いましたが、シナリオを読んでみて一気に引きこまれました。この作品は主人公の復讐に正当性があり、ただのホラーやスリラーにはなってない、人間の成長を描いていると思ったからです」

―本作は、被害者、加害者、傍観者の3つの視点からひとつの事件が描かれています。そしてそれぞれの立場が前半と後半で大きく変わっていくところも非常におもしろく拝見しました。ソンウォンさんが演じるヘウォンというキャラクターは、物語前半に関してキャリアウーマンとして自分のことにしか興味がない、傍観者という立場でしたが、演じる上で苦労したことなどはありましたか?

ソンウォン「私が演じたヘウォンという女性は、都会の中たった一人で生活してきたキャリアウーマンで、強さと弱さの両方を備えるキャラクターです。彼女の孤独感を表現することに苦労しましたね。自分の性格とヘヨンの性格が正反対ということと、どちらかというと主人公の方に感情移入してしまうので、傍観者としての目線になりにくかったからです。演じながらどうしても一緒に復讐したくなってしまって困りました(笑)」

―なるほど。では役作りをするにあたって参考にしたことはありますか?

ソンウォン「役づくりにあたっては監督といろいろ相談しました。ヘウォンは女らしくある反面、我の強い男勝りな性格というイメージでのぞみました。何を参考にしたかというと、ソ・ドヨン(「春のワルツ」など)やキム・ジス(「太陽の女」など)といった女優さんたちです。彼女たちの出演する映画を監督と見ながら、あーでもないこーでもないと話して。もちろん同じようには演じないと努力しましたが」

―女優といえば主演のソ・ヨンヒさんとの共演はいかがでしたか?

ソンウォン「彼女とは大学の先輩後輩の関係で、元々仲は良かったですが、今回でもっと仲良くなりましたよ。そうそう、ひとつ言っておきたいことがあります。劇中彼女は日焼けしてとても汚れた感じになっていましたが、あれはもちろん役作りですからね(笑)。本当はもっと色白です。撮影中は私も都会暮らしという設定と、ヨンヒ演じるボンナムとのコントラストを強調する為に終始日差しを避けていました」

―本作で一番印象に残っているシーンは?

ソンウォン「警察署でボンナムと対峙するクライマックスのシーンが、何度見返しても涙してしまいます。ヘウォンとボンナムがやっと和解するいいシーンだと思います。」

―ドラマ性はもちろんのことですが、ショッキング描写も多々ある作品でした。本作を見た家族や友人の感想はどのようなものがありました?

ソンウォン「(日本語で)スゴイ(笑)」

※ここで付き添いのお母さんがおもむろに話し出した。

ソンウォンの母親「非常に冷たい女性だったのが、最後にボンナムを助けられなかったのを後悔し、反省する。そして最後傍観者でいてはいけないと考えを変えるところがカッコ良かったよ」
ソンウォン「他の知り合いにも人を殺すスリラー映画でしょと言われることもあるけど、ストーリーがしっかりしている、人間の成長を描いた非常に良い映画だと言っています」

―今後どういった役を演じていきたいですか?または決定している次回作があれば。

ソンウォン「もちろんどんな役でも常に新しいものに挑戦したいですね。次の作品については「四人組」(原題)という映画を予定しています。4人の彼氏のために泥棒をするというアクションコメディで、私の役は中国の朝鮮族の住んでいる地域からきた女性です。地方から来ているという設定なので、中国語の訛りなどを練習したり、実際に現地に行ったりなどしています。アクションもコメディもあって、本作とはまったく180度違うキャラ。新しい私が見られると思いますので、期待していて下さい」

プロフィール

チ・ソンウォン

1980年、韓国生まれ。「幻の王女チャミョンゴ」(DVD/ポニーキャニオン)などTVドラマを主に活躍している。「春香伝」(DVD/アップリンク)、「ハーモニー 心をつなぐ歌」を経て、本作が映画出演3作目。

「ビー・デビル」 

3/26(土) シアターN渋谷他にて全国順次ロードショー

ソウルの銀行に勤めるヘウォンは、勤め先でトラブルを起こし、会社から休暇を出される。気分転換もかね、彼女は幼ななじみのボンナムのもとに幼少期を過ごした島へ遊びに向かう。数える程しかいない島民と世話を焼いてくれるボンナムに甘え、きままな島生活を過ごすヘウォン。一方ボンナムは島の男たちから日常的に性的な虐待を受けており、ヘウォンに助けを求めるが、ヘウォンは真に受けず拒絶する。絶望の淵に追いやられたボンナムは、さらなる悲劇をきっかけに、凄惨な復讐劇を開始する。

配給:キングレコード株式会社
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