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「ライアーゲーム 再生(リボーン)」 松山博昭監督インタビュー
2025.08.22

大ヒット・シリーズ「ライアーゲーム」の劇場版第2弾、「ライアーゲーム 再生(リボーン)」のDVD&ブルーレイがリリース。ドラマ版から続いて映画版も演出を手掛けた松山博昭監督が、シリーズの魅力と撮影の裏側を語ってくれた。

●作品紹介

「ライアーゲーム 再生(リボーン)」

9月19日DVD&ブルーレイ発売
フジテレビ

秋山深一(松田翔太)が、ライアーゲーム事務局を壊滅に追い込んでから2年。復活を遂げた事務局が、秋山潰しを目論んで新たなゲームを仕掛けてくる。今回のゲームは、総額20億円をかけて20名のプレーヤーが行なう究極の“イス取りゲーム”。秋山と共に、篠宮優(多部未華子)やカルト教団の教祖・張本(船越英一郎)、超キレ者の桐生(新井浩文)らひと癖もふた癖もあるプレーヤーたちがゲームに挑んでいく。

世界観もキャストも、すべてが濃いです

――作品を見て、原色使いの独特な世界観に驚きましたが、これはテレビシリーズから続いてのものですか?

松山「もともと原色使いは意識してやっていました。『ライアーゲーム』は、ある日突然、招待状と1億円を受け取った人々が、だまし合い、マネーを奪い合うことで物語が展開していくんですが、現実と照らし合わせたり、いろいろなつじつまを気にしはじめると、成立しなくなってしまう。そういう意味で、ファンタジーというか、“現実の日本ではない”というふうに見えないといけないと思っていました。それに、'07年、シーズン1を作った当時、あまりエッジの立っているドラマがなかった。だから、画も音も含めて、普通のドラマとは異質なものを作りたいということが頭にあったんです」

――それは最初、土曜深夜のドラマ枠だったからですか?

松山「そうですね。『土曜ドラマ』の枠ができて、その一発目の作品が『ライアーゲーム』でした。ゴールデンの時間帯と違って、『遠慮しないで見たことのないものを作れ』と言われていたので、思いっきりやれたということはありますね」

――今回、秋山役の松田翔太さんのドヤ顔もずいぶんと堂に入ったものになってますね

松山「ドヤ顔、ハハハハ(笑)。どんどん濃くなっていきましたね。ドラマ版のシーズン1は、彼が『花より男子』に出ていた頃で、まだ幼い感じもありました。ちょうど、この『再生』が公開になった頃、深夜の再放送で過去の『ライアーゲーム』を見たら、本当に彼が幼く見えた…。キャラクターもどんどん立って、独特のヒーロー像となった今は、秋山は翔太以外に考えられない。もっとも、原作の設定は26歳だったんです。だから、今回初めて、秋山のイメージが翔太の実年齢とシンクロしたんです」

――そういう意味では原作ファンも納得していると。

松山「だと思いますよ。翔太も非常に大人になった感じというか、色気も出てきたと思いますし。今回ピタリとはまったと思います」

――新たに加わった多部未華子さん、芦田愛菜さん、江角マキコさんや、ゲーム参加者役の方たちは、どんなことがキャスティングの決め手になったのですか?

松山「基本的にはいかにキャラを立たせるかということを考えているので、衣装や髪型なども独特なものにしていますし、演じる役者さんもなるべく濃い人をキャスティングしています。さらに言えば、濃い人と濃い人が同じ場にいれば、もっと濃くなる…みたいなことも意識してやっています」

――世界観もキャストも、全部、濃いということですね。

松山「濃いですね。だから今、シーズン1を見ると、ずいぶんとキャラが薄く感じます(笑)。ただ、最初から鈴木(浩介)さん演じる福永はテンションも高かったし、濃かったんですよ。でも、単に濃いということだけじゃなく、役を膨らませてくれる人をキャスティングしてます。たとえば、今回でいうと、カルト教団の教祖を演じる船越さんをはじめ、新井(浩文)さん、マエケン(前田健)さん、それと池鉄(池田鉄洋)さんもそうですね。みなさん、芸達者なので、こちらが求める以上にいろいろとやってくれました」

――廃墟のようなセットは茨城県の高萩市にある廃工場を使ったと聞いています。

松山「最初、僕はゴルフ場みたいな場所があればいいなとイメージしていたんです。というのは、ライアーゲームはワンセットでやるので、撮影スケジュール的には早朝から夜中までできる。でもロケに出ると、移動のために時間にロスが生じてしまい、撮影効率が格段に落ちる。だから、表と中を一緒に撮れる場所、つまりゴルフ場みたいなところで、昼間は外を撮り、夜は室内のセットで撮ればいいと思っていたんです」

――その廃墟のようなセットなんですが、どこの国かわからないような雰囲気がありますね。

松山「もともと製紙工場だったところなんですが、うまい具合に壁があちこち吹っ飛んだりしている部分もあって、それが廃墟のようにも見えてるんです。CGで描き足したり煙を足したところもありますが、全体の雰囲気が日本ではないように見えれば、こちらの狙い通りですね」

――ゲームのルールが複雑で、すぐに飲みこめない観客もいるのでは?

松山「ドラマ版のときから、途中途中の説明は多少、理解できなくてもいいかなと思ってやってきています。つまり、ルールがしっかりわからなくても、だまされているということがわかれば、物語にはついていけるし、ゲーム自体のどんでん返しのスリルや、プレーヤーたちが裏切られた焦りを見せることで物語の面白さは見えると思うんです。そのために、キャストのちょっと過剰なリアクションも含めて、どれぐらい悲しいことなのか、どれぐらいウルトラCなことなのか。それはちゃんと伝わるようにそこでハラハラドキドキできるように意識して作ったつもりです」

――最後に、DVDだからこその楽しみかたがあれば教えてください。

松山「多くのプレーヤーがゲームに参加しているけれど、描かれていない物語も多いんです。だから、『今、ここに映っていない他のプレーヤーは、この時に一体、何をしていることになるんだろう?』そういうことを考えながら、見ていくと楽しいと思います。とくに池鉄さん演じる嶋タカヒロの動きに注目すると、ゲームの裏側では何が起きているのか、見えてくることも多いと思いますよ」

取材・文/前田かおり

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