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人間の五感を刺激する!
日本初上陸の劇場上映システム「4DXTM(フォーディーエックス)」を体験
2013年5月20日

もしも、自分が映画の主人公のような気分を味わえたら…そんな願いを実現してくれる韓国発の最先端上映システム「4DXTM」が、日本で初めて名古屋市の「中川コロナワールド」で導入され、内覧会が行なわれた。「4DXTM」は「3D」のその先、つまり“体感型(4D)”を演出するための上映設備。シーンに合わせて座席が動いたり振動したりする「モーション効果」と、水や風などの「環境効果」のWの効果で、人間のあらゆる感覚を刺激し、まるで映画の登場人物になったかのような臨場感を味わえるというのだ。株式会社コロナの営業本部長・大原輝久氏によると「昨今、ブルーレイの普及やネット環境の充実といった理由から、映画館離れが進み、観客動員数は全国的に減少傾向にある。『映画館でなければ体験できない』サービスを提供したいとの思いから、導入に踏み切った」という。設備投資に総額1億5000万円をかけたという日本初の上映システムを体験してみた。

これが「4DXTM」の
スゴい機能だ!

4DXTMのシアターでは、天井や壁、座席に特別な設備を備え、映画のシーンに合わせて各種アトラクション的な演出が体感できる。主な効果は以下のとおり。

<環境効果>

  • 各所に設置されたファンがつくり出す「風の効果」
  • 座席前部から吹き出すミストによる「水の効果」
  • シアター壁面のライトのフラッシュによる「光の効果」
  • 座席から吹き出す「エアーの効果」
  • 天井からシャボン玉が降り注いでくる「バブルの効果」
  • フォグ・マシーンから発生する「煙の効果」
  • 何千種類もの「香りの効果」

<モーション効果>

座席は前後上下左右に動く「モーション席」となっていて、アクションシーンなどと完璧にリンク。背中やお尻の部分に衝撃を与える効果やバイブレーションもあり、作品内で起こるシーンをリアルに体感できる。

内覧会当日は、デモ映像と「アベンジャーズ」が上映された。戦闘機がバトルを繰り広げるデモ映像では、戦闘機の動きとリンクして座席が激しく動き、天井や座席頭部から風も吹き出して、まるで自分が操縦席にいて空を切っているかのような感覚に。「アベンジャーズ」では、ホークアイが矢を放つ場面で、「エアーの効果」で矢が耳元を“シュッ”と通り過ぎるような不思議な感覚に思わず「おおっ」と声が漏れてしまったほどだ。アイアンマンが水しぶきを上げながら水面ギリギリを跳ぶシーンでは前面からミストが吹き出し、爆発シーンでは火薬のような匂いがプーンと漂う。ソーのシーンでは雷と稲妻に合わせ、フラッシュ効果で暗い劇場内に鋭い閃光が走り迫力満点! 極めつけはハルクが大暴れするシーン。ハルクがロキをブンブン振り回すたびに体が座席に打ち付けられるほど激しく揺れ、思わず両方のアームをしっかりと掴んでしまったほど。まさに“手に汗握る”状態で、これはもはや映画館というより遊園地のアトラクションといったほうが近いかもしれない。カップルなら盛り上がること間違いなしだ。

4DXTMを開発した韓国の「CJ・4DPLEX」社のキム・ゾンヒョン氏によると、「国によって4DXTMに求められる需要は異なります。例えば韓国ではデート時に利用する男女が多いので、「水の効果」で女性のメイクが落ちないように水しぶきを少なくしています。一方でメキシコやイスラエルでは激しい水しぶきや座席のモーション効果など、刺激を求めるお客様が多いので効果を強めるなど、制作スタジオの許諾範囲内で、お客様に満足いただけるよう努めてきました。このように4DXTMの機能は調整が可能なので、日本でも実際に体感されたお客様の反応や意見を反映させて、よりよいエンターテインメントを提供していきたい」とのこと。料金は大人の場合、基本料金に加え、2D版は1000円、3D版は1300円の追加料金が必要。記念すべき上映作品第1号は「アイアンマン3」で、5/31(金)からは「オブリビオン」を上映予定。株式会社コロナでは、全国で展開する系列館にも4DXTMを導入していく方針で、アクションやホラーなど、年間12本の作品を上映していきたい考えだ。はたして4DXTMは3Dのように定着していくのか。映画館の新しいカタチが日本中に広がるのを楽しみにしたい。

「終(つい)の信託」公開記念「周防正行映画祭」に歴代出演者が勢ぞろい!
2012年10月8日

周防正行監督の最新作「終(つい)の信託」の公開を記念して、10月8日、東京、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで周防監督作品の特集上映会「周防正行映画祭」が開催された。
上映されたのは「シコふんじゃった。」「Shell we ダンス?」「それでもボクはやってない」の3作品。会場には、役所広司、草刈民代、加瀬亮、瀬戸朝香、竹中直人、田口浩正、徳井優という周防監督作の出演者が集結した。「『Shell we ダンス?』はいろんな国の映画祭でパスポートになる作品。この作品に出て人生が変わりました。堂々とした映画作家。心から愛しています!」と役所が周防監督への愛を語り、「それでもボクはやってない」で主演した加瀬も「初対面でホッとできた初めての監督でした。正直で誠実な方です」と絶賛。
竹中に至っては最新作に呼ばれなかった″ヲみつらみを監督ぶつけ、「今回は民ちゃん(草刈)と濡れ場を演じまして…」と妄想コメントも飛び出し、監督に「出演してませんよね」と突っ込まれるひと幕も。
そんな状況に照れも入った周防監督は「生前葬かと思いました(笑)。本当の葬式は質素でいいからと妻(草刈)に伝えました」と、最新作「終の信託」にもつながるジョークを飛ばし、観客は爆笑。また、「Shell we〜」で監督と女優として出会った草刈と結婚に至ったエピソードを初披露。「口説いた覚えはなくて、僕の勘違い。毎晩電話で2時間くらい話すようになって、これは好意的に思われてるに違いないと俄然その気になって」と説明、「ところが、この話にはオチがある! 結婚してみたら、妻は誰かと毎晩のように長電話をしていたんです」と、監督らしい締めで、また会場を笑いの渦に。
草刈も「死ぬまで精進して、いい作品をたくさん撮ってほしい」と夫へのエールを送った。
周防監督は「『終の信託』は全く笑えるところがない作品。映画らしい映画をつくろうと思ってつくった映画です。映画は何よりも、映画を見た人のもの。これからもみなさんの心の中に生きる映画を頑張ってつくっていきたい」と新作への意気込みと、会場に集まったファンへ、映画づくりへの新たな思いを語った。

「終の信託」
10月27日、東宝系ロードショー

朔立木の小説を監督自身が脚本化。愛に傷ついたエリート女医、折井綾乃(草刈民代)は、重度の喘息患者、江木秦三(役所広司)と医者と患者という立場を越えて信頼関係を結んでいく。やがて江木は、綾乃に「最期は早く楽にしてほしい」と自身の最期を託すのだが、綾乃がとった行動が、刑事事件へと発展する。終末医療、愛と死のテーマなどを絡めて描く、濃密な大人のラブ・ストーリー。

©フジテレビジョン 東宝 アルタミラピクチャーズ

カンヌ映画祭、ラインアップが明らかに! 候補1779本から選ばれた作品リスト
2012年04月20日

5月16日から27日まで南仏のリゾート地で行なわれる世界最大級の映画の祭典、カンヌ国際映画祭。65回目を迎える今年のオープニングは、ウェス・アンダーソン監督が少年と少女のひと夏の冒険を描く、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン共演の「Moonrise Kingdom」が選ばれた。クロージングには、今月4日に亡くなった映画監督クロード・ミレールの遺作「Thérèse Desqueyroux」(フランソワ・モーリアック原作「テレーズ・デスケルウ」の映画化)が上映される。最高賞パルムドールをめざすコンペ部門をはじめ、ある視点部門、特別招待作品などに出品される公式セレクションは長編54本(+サプライズ作品いくつか)。出品作は1779本の候補から選ばれた。ちなみに昨年は58本が上映されている。

コンペ部門で上映される監督は「白いリボン」(2009)のミヒャエル・ハネケ、「4ヶ月、3週と2日」(2007)のクリスティアン・ムンギウ、「麦の穂をゆらす風」(2006)のケン・ローチ、「桜桃の味」(1997)のアッバス・キアロスタミといったパルムドール受賞組に、「預言者」のジャック・オーディアール、「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ、「クラッシュ」のデビッド・クローネンバーグら審査員賞受賞者と、そうそうたる顔ぶれ。クローネンバーグは息子のブランドンも"ある視点"部門に参加し、父子でカンヌを訪れることになる。大物スターでは「Killing Them Softly」のブラッド・ピット、「Cosmopolis」のロバート・パティンソン、「On the Road」のクリステン・スチュワートとキルスティン・ダンスト、「Rust and Bone」のマリオン・コティヤール、「Mud」と「The Paperboy」のマシュー・マコノヒーらの登場が期待される。

昨年は珍しく、カンヌ出品作からなんと3本もアメリカでアカデミー賞作品賞にノミネートされた。ウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」、テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」(パルムドール受賞)、そしてアカデミー作品賞や監督賞、主演男優賞まで射止めたミシェル・アザナビシウス監督の「アーティスト」だ。「アーティスト」の主演女優ベレニス・ベジョは、今年のカンヌでオープニングとクロージングの司会を務める。

コンペ部門の審査委員長はイタリアの監督ナンニ・モレッティ(「息子の部屋」)。ある視点部門は俳優のティム・ロスが審査委員長を務める。短編およびシネフォンダシオン部門の審査委員長は「少年と自転車」で知られ、パルムドール2回、審査員賞1回の受賞歴を誇る兄弟監督の兄ジャン・ピエール・ダルデンヌ。

カンヌといえば上映直前まで秘密にされるサプライズ作品がつきものだが、今年はテレンス・マリックの「The Burial」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソンの「The Master」が観客を驚かすのではないかと噂されている。マリックは昨年「ツリー・オブ・ライフ」でパルムドール、アンダーソンは2002年に「パンチドランク・ラブ」で監督賞を受賞している。

日本からの出品はミッドナイト・スクリーニングの三池崇史監督「愛と誠」(日本公開6月16日)、ある視点部門の若松孝二監督「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(日本公開6月2日)のほか、学生部門(シネフォンダシオン)で東京芸大大学院卒の秋野翔一監督「理容師」が上映される。三池監督は昨年の「一命」に続き2年連続のカンヌ行き。また、キアロスタミ監督の「Like Someone in Love」は日本で撮影され、奥野匡、高梨臨、加瀬亮、でんでんらが出演している。

おもな上映作品は以下のとおり。( )内は監督の過去の代表作。

コンペ部門:
「Moonrise Kingdom」 ウェス・アンダーソン監督 *オープニング作品(「ダージリン急行」) ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントン、フランシス・マクドーマンド出演
「Rust & Bone」 ジャック・オーディアール監督(「真夜中のピアニスト」) *マリオン・コティヤール出演
「Holly Motors」 レオス・カラックス監督(「ポンヌフの恋人」) *エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ出演
「Cosmopolis」 デビッド・クローネンバーグ監督(「ヒストリー・オブ・バイオレンス」) *ドン・デリーロ「コズモポリス」原作 ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、マチュー・アマルリック出演
「The Paperboy」 リー・ダニエルズ監督(「プレシャス」) *ザック・エフロン、ニコール・キッドマン出演
「Killing Them Softly」(Cogan's Trade) アンドリュー・ドミニク監督(「ジェシー・ジェームズの暗殺」) *ブラッド・ピット、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ベラ・ヒースコート出演
「Reality」 マッテオ・ガローネ監督(「ゴモラ」)
「Amour」 ミヒャエル・ハネケ監督(「ファニー・ゲームU.S.A.」)*イザベル・ユペール、ジャン・ルイ・トランティニャン出演
「Lawless」 ジョン・ヒルコート監督(「ザ・ロード」) *シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ジェシカ・チャスティン出演
「In Another Country」 ホン・サンス監督(「女は男の未来だ」) *イザベル・ユペール、ジュン・サン・ユー出演
「Taste of Money」 イム・サンス監督(「ハウスメイド」)
「Like Someone in Love」 アッバス・キアロスタミ監督(「トスカーナの贋作」)
「The Angels' Share」 ケン・ローチ監督(「エリックを探して」)
「Beyond the Hills」 クリスティアン・ムンギウ監督(「4ヶ月、3週と2日」)
「After the Battle」 ユスリ・ナスララ監督(「Ehky ya Scheherazade 」)
「Mud」 ジェフ・ニコルズ監督(「テイク・シェルター」)
「Vous n'avez encore rien vu」(You Haven’t Seen Anything Yet) アラン・レネ監督(「去年マリエンバートで」)
「Post Tenebras Lux」 カルロス・レイガダス監督(「Japón」) 
「On the Road」 ウォルター・サレス監督(「モーターサイクル・ダイアリーズ」) *ジャック・ケルアック原作 ギャレット・ヘドランド、サム・ライリー、ヴィゴ・モーテンセン出演 
「Paradis: Amour」 ウルリッヒ・ザイドル監督(「ドッグ・デイズ」) 
「The Hunt」 トマス・ヴィンターベア(「光のほうへ」)
「Innebel」(In the Fog) セルゲイ・ロスニツァ監督

コンペ部門外:
「Io E Te」(Me and You) ベルナルド・ベルトルッチ監督(「ラストエンペラー」)
「Hemingway and Gellhorn」 フィリップ・カウフマン監督(「存在の耐えられない軽さ」)
「マダガスカル3」 エリック・ダーネル監督&トム・マグラス監督(「マダガスカル」)
「Une Journée Particuliére」 ジル・ジャコブ、サミュエル・フォーレ監督(65周年記念ドキュメンタリー)
「Thérèse Desqueyroux」 クロード・ミレール監督(「ある秘密」) *クロージング作品 オドレイ・トトゥ出演

ミッドナイト・スクリーニング:
「愛と誠」 三池崇史監督(「十三人の刺客」) *妻夫木聡、武井咲主演、原作梶原一騎
「Dario Argento's Dracula 3-D」 ダリオ・アルジェント監督(「ジャーロ」)

ある視点部門:
「Aimer a Perdre la Raison」 Joachim Lafosse監督
「Antiviral」 ブランドン・クローネンバーグ監督(初監督作)
「Beasts of the Southern Wild」 ベン・ザイトリン監督 *サンダンス映画祭グランプリ受賞
「Confession of a Child of the Century」 シルヴィ・ヴェレイド監督(「閉じられた裸身」)
「Despues de Lucia」 ミシェル・フランコ監督
「Elefante Blanco」 パブロ・トラペロ監督
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」 若松孝二監督(「キャタピラー」)*井浦新主演
「La Pirogue」 Moussa Toure監督
「La Playa」 ファン・アンドレ・アランゴ監督
「Laurence Anyways」 グザヴィエ・ドラン監督 (「マイ・マザー/青春の傷口」)
「Le Grand Soir」 ブノワ・ドゥレピーヌ、ギュスタヴ・ケルヴェン監督
「Les Chevaus De Dieu」 Nabil Ayouch監督
「Miss Lovely」 アシム・アルワリア監督
「Mystery」 ロウ・イエ監督(「スプリング・フィーバー」)
「7 Days in Havana」 ベニチオ・デル・トロ、ローラン・カンテ、ギャスパー・ノエ、フリオ・メデム、エリア・スレイマン、ファン・カルロス・タビオ、パブロ・トラペロ監督
「Student」 ダルジャン・オミルバエフ(「ザ・ロード」)
「Trois Mondes」 カトリーヌ・コルシニ監督

特別招待作品:
「Garbage in the Garden of Eden」 ファティ・アキン監督(ドキュメンタリー)
「Mekong Hotel」 アピチャッポン・ウィーラセタクン監督(「ブンミおじさんの森」)
「A Musica Segundo Tom Jobim」 ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督
「Journal De France」 クローディーヌ・ヌーガレ&レイモンド・ドゥパルドン監督
「Roman Polanski: A Film Memoir」 ローラン・ブーゼロー監督
「The Central Park Five」 ケン・バーンズ、サラ・バーンズ、デビッド・マクマホン監督 *レイプ事件で冤罪となった被告5人のドキュメンタリー
「Les Invisibles」 セバスチャン・リフシッツ監督 
「Villages」 ゴンサロ・トバル監督

ダニエル・クレイグ、ボンドの酒の嗜好の“変更”を語る
2012年04月20日

ロンドンでサム・メンデス監督のもと、ジェームズ・ボンド・シリーズ最新作にして23作目の「007 スカイフォール」を撮影中のダニエル・クレイグ。今回、ボンドの酒の好みが“変わった”ことについて映画のサイト、ムービーフォンで語っている。

ボンドの飲む酒といえば「ステアでなくシェイク」したウォッカ・マティーニ。ショーン・コネリー演じるボンドが「ゴールドフィンガー」(1964)で使った「Shaken, not stirred」というフレーズは、アメリカン・フィルム・インスティチュートの『映画の台詞ベスト100』の90位にランクインしている(同じく「ボンド、ジェームズ・ボンド」は23位)。他の映画やTVではもちろん、ボンド映画の劇中でもパロディにされたほどの名台詞だ。

だが少なくとも今回は「ステアでなくシェイク」の出番はないようだ。

「007 スカイフォール」では映画製作にあたってオランダのビール・メーカー、ハイネケンと4500万ドルの契約を結び、画面に同ビールを登場させることになっている(いわゆるプロダクト・プレースメント)。メンデス監督はみずから、クレイグの出演するハイネケンのCMも撮る。

歴史的な名台詞が登場しないことにクレイグは「残念だが、しかたがない」と語っている。「この映画を作るのにたくさん会社とタイアップしている。簡単にいえば、彼ら無しには映画は撮れないのさ。製作費はかなりかかる。タイアップがなければ費用はさらに膨らむ。だからできることをやるのさ」。

ウォッカ・マティーニ愛好家(それも混ぜるだけのステアでなく手間のかかるシェイクで)のボンドが劇中でビールを飲むのか、と早くも批判を浴びているが、クレイグは「大事なことはボンドが酒好きということ。ずっとそうだったし、飲酒は彼自身の一部ですらある。正しいかどうかは人それぞれの考えだが、ビールだって悪くはない。たまたま今回はハイネケンというだけだ」。

ボンドといえば車はアストン・マーティンだが、シリーズの途中ではBMWを愛用したこともあり、クレイグ主演の「007/カジノ・ロワイヤル」「007/慰めの報酬」ではまたアストン・マーティンに戻っている。またボンドが「ステアでなくシェイク」したウォッカ・マティーニをオーダーする日も遠くはないだろう。

「007 スカイフォール」は全米公開11月9日、日本公開12月1日の予定。

大友は生きていた! 「アウトレイジ ビヨンド」撮影スタート
2012年04月20日

ヤクザ社会での熾烈な下克上を描いた北野武監督のバイオレンス映画の続編「アウトレイジ ビヨンド」(10月6日公開)が4月2日より撮影スタート。ロケを行なっている千葉・生命の森リゾートで開催された記者会見は、撮影の合間を縫ってのわずか30分という短時間ながら、濃厚で衝撃的な内容だった。北野武監督、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、松重豊、小日向文代、高橋克典、桐谷健太、新井浩文の“悪者”9人がそろい踏み。撮影中ということで全員が衣装(黒スーツ)で登場し、異様な緊張感がただよう中、シリーズ初参加の西田敏行はおどけた声で「あこがれの北野組、しかも悪役ということで心はずんでます♪」とノリノリ。「前作を見て今回出てくださった、神山繁さん、中尾彬さん、西田敏行さんらベテラン俳優の方たちがコテコテの芝居をするので、見ててヘトヘトになった。おさえるのがタイヘンで」とこぼす監督に、「なるべくコテコテの芝居をしないようにしていたんですが、中尾さんがしつこくて。参っちゃいました」と弁明し、笑いを誘った。一方、前作からの数少ない生き残りで、山王会会長にのし上がった加藤役の三浦友和は「追われる立場になったのでヒヤヒヤしております。今日も2人ほど殺してきました(笑)」と平然とあいさつ。さらに「現場ではひと言も口をきかず、入っていくと皆がいっせいに立ち上がって挨拶をしてくれる」と撮影現場も殺気(!?)ムンムンなことを明かしてくれた。

北野監督にとって初の続編、しかも獄中で殺された大友組長(ビートたけし)が実は生きていたという衝撃の事実が明かされ、「前回オレは死んだはずだったんだけど、いい手を思いついて」とニヤリ。森昌行プロデューサーによれば「出所した大友の第一声が『誰がまたヤクザやるって言ったよ』なので、単なるヤクザの復讐劇ではない」らしく、新たな展開に期待が膨らむ。「台本は面白く仕上がっている。失敗したら演出のせいといわれるので、頑張ります」と宣言し、前作で話題になった悪者たちのキョーレツな死にざまについても「今回も期待されてて困ってるんだけど、“痛えッ”ていうのやんなきゃいけないなとは思ってる」と意気込みを語った北野監督。公開規模は北野作品過去最高の200館以上を予定。“〜を越えて”という意味もある“ビヨンド”をタイトルに付けたこの続編、悪者たちの壮絶な裏切り合いがどう決着するのか、そして最後に笑うのは誰なのか、いろいろな意味での“前作超え”を楽しみに待ちたい!

「アウトレイジ ビヨンド」
ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野配給●10月6日公開

関東一円を支配する暴力団・山王会と関西の巨大組織・花菱会の抗争、そしてヤクザ組織の壊滅を図る警察との争いに、大友が巻き込まれていく。

©2012「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会

"若手の登竜門"としてのゆうばり国際ファンタスティック映画祭!
2012年03月19日

2月23日から2月27日の5日間に渡って開催された第22回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭。もちろん我々「DVD&ブルーレイでーた」も現地を取材してきました! 本誌的には、招待作品として上映されたメジャー作に触れたいところですが、ここやはり、本映画祭の特徴である「オフシアター・コンペティション部門」にスポットを当ててみましょう。同部門は過去に、「SRサイタマノラッパー」の入江悠監督や「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督といった気鋭の若手を輩出。映画ファンの中には、同部門を未来の日本映画を支える作家の登竜門としてとらえている人も少なくありません。ちなみに気になる今年のグランプリ受賞者は、「大阪外道」の石原貴洋監督。地元、大阪の地域性を生かした作品作りが、阪本順治監督や井筒和幸監督といった大先達に共通するセンスを感じさせます(担当Yの独断と偏見)。

若手の有望株を輩出し続ける一方、本映画祭は、同部門出身者が成長した姿を見せる場でもあります。中でも好例が09年、「大拳銃」で同部門の審査員特別賞を受賞した大畑創監督でしょう。「へんげ」という快作を引き提げて本映画祭に参加。「体が変質していく」という恐怖を、心理サスペンスから猟奇ホラー、そして最後は......と、刻々と映画の質を「変化(へんげ)」させながら見せる特異な作風が、早くもホラー映画ファンに注目されています。「大拳銃」の時は、「SR〜」と同じタイミングでグランプリを逃しましたが、着実に次代を担う映画作家としての片鱗を見せ始めています。
毎年、ユニークな作品が上映される本映画祭。地元の人々やボランティアが一丸となってイベントを盛り上げる"手作り感"や、若手からベテランまで、幅広い映画人たちが熱く議論を交わす様子など、映画に対する"熱"が、雪に閉ざされた夕張の街全体を包む、そんな印象を覚えた次第です。これからも、この場所から新たなとがった才能が羽ばたいていくに違いありません!

「へんげ」公開中

ある若い夫婦が抱える悩み。それは夫を襲う奇妙な発作だった。彼を襲う"無数の蟲に意識を乗っ取られるような"症状を前に、現代医学はあまりに無力。そしてある晩、ついに妻が恐れていた事態が現実になる。

ショック!? 巨匠クリント・イーストウッドの一家がリアリティ番組に!
2012年03月19日

私生活を語らない事で有名なクリント・イーストウッド。だが、この5月20日から放映される「Mrs. Eastwood & Co.」というリアリティ番組で、カリフォルニア州カーメルのイーストウッド家のすべてが明らかになってしまう! まさか「ハリウッド版ビッグ・ダディ」!?(違います)

番組は毎回30分、10回のオンエアで、題名どおり夫人のディナ・イーストウッドとことし18歳の娘フランセスカ、15歳の女子高校生、モーガン、そしてディナがマネージメントする男性6人組のアカペラ・グループ、オーバートーンが登場する。

クリントは「本当に家族を誇り思っている。元気と笑いの源なんだ」と語る。「家族はなによりも大切」という妻ディナ。「視聴者は私たち家族の生活ぶりに驚き、同時にオーバートーンの素晴らしさに恋してしまうでしょう」。

番組のエグゼクティブ・プロデューサーもつとめるディナは「風変わりだ」という家族を紹介しつつ、実のところ6人組のオーバートーンを大きく売り出す作戦と見える。イーストウッド監督の映画「インビクタス/負けざる者たち」のサウンド・トラックにも大きくフィーチャーされていたオーバートーン。もともと「インビクタス」の撮影中にディナがロケ地、南アフリカで発見し、夫に紹介。さらにアメリカに連れてきたのだ(当初は8人組、さらに7人組だったが現在のメンバーは6人)。

ディナ夫人はTVキャスターだった19年前、イーストウッドにインタビューを行なっている。2人はそれだけでは終わらず、'96年に結婚。イーストウッドにとって2人目の妻だった。1人目のマギー・ジョンソンとの間にはカイル、アリソンの一男一女をもうけた。43歳のカイルは最近のイーストウッドの映画で音楽を担当し、ゴールデン・グローブ賞の候補にもなっている。39歳のアリソンは女優であり、'07年に「レールズ&タイズ」で監督デビューも果たした。

イーストウッドの子どもは、最初の結婚の前に未婚のまま女優ロクサーヌ・テュニスとの間にも生まれており、47歳で女優やメイクアップ・アーティストをしているキンバーが、いちばん年上になる。ほかにキャビン・アテンダントのジョスリン・リーブスとの間にもスコット(26歳)、キャサリン(24歳)の一男二女。「タイタニック」「許されざる者」の女優フランセス・フィッシャーとの間に前述のフランセスカがおり、モーガンは現在の妻ディナとの間の娘。5人の女性との間に7人の子どもがいることになる(孫も2人)。

リアリティ番組「Mrs. Eastwood & Co.」では、妻ディナ、フランセスカ、モーガン、そして男6人のオーバートーンが家族&仲間であり、主役となるはずだ。イーストウッドが功労賞を受けた2009年のカンヌ映画祭でも妻ディナとフランセスカ、歯列矯正をしているモーガンがいっしょに登場している。

義理の母ディナをママと呼ぶフランセスカは奔放なところがあり、11歳年上の有名カメラマンとつきあっており昨年から同棲中。結婚も考えているとか。オーバートーンのリード・ボーカリスト、エミールとの間にも何やら(浮気?)あったといわれるが、実際のところは分からない。女子高生のモーガンはちょっと年上のお兄さんたちが6人もできて、いままさに大人の階段をのぼっているところ!?
 
セレブの出演するリアリティ番組といえば、ロック・ミュージシャン、オジー・オズボーン一家の「オズボーンズ」や、パリス・ヒルトンとニコール・リッチー(ライオネル・リッチーの養女)が貧乏暮らしや修行をする「シンプル・ライフ」、女優キム・カーダシアンの一家に密着する「Keeping Up with the Kardashians」などが有名。カーダシアンの番組はこの1月に高視聴率でシーズンを終えた。とくに18歳から49歳までの大人、さらには18歳から34歳の女性に人気が高く、まさに購買力の高い層に受け入れられている。

TV局はイーストウッド一家を"第2のカーダシアン家"にしたいようだ。アカデミー賞もカンヌのパルムドール(功労賞)も受けている現代映画の巨匠が、これでいいのかとも思えるが、イーストウッドの自慢の家族がTVに取り上げられるのは、本人にはうれしいことなのかもしれない。カーダシアンやパリス・ヒルトンのようにあまりゴシップ誌やタブロイド紙のネタにならないで、映画作りもしっかりやって戴けるのであればファンも見守ってゆくだろう。