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ウィーンに生まれ、最もアメリカ的な映画を撮り続けたビリー・ワイルダー監督が、95歳で亡くなった。マリリン・モンロー主演の「お熱いのがお好き」「七年目の浮気」などのコメディや、最近グレン・クロース主演でミュージカル舞台化された「サンセット大通 り」などで知られる巨匠。'60年の「アパートの鍵貸します」では作品賞、監督賞、脚本賞(I・A・L・ダイアモンドと共同)の3つのアカデミー賞を、ひとりで受賞した。 しゃれたセリフと凝ったストーリー展開のワイルダー作品は、日本でも和田誠、三谷幸喜ら熱烈なファンが多い。コメディ以外でも「白いドレスの女」に影響を与えたフィルムノワール「深夜の告白」、アルコール依存症の男を描いてアカデミー賞を受賞した「失われた週末」、どんでん返しに驚く「情婦」などの作品を残した。オードリー・ヘプバーンの「麗しのサブリナ」は'95年にハリソン・フォードで「サブリナ」としてリメイク。「第十七捕虜収容所」をもとにした「ホーガンズ・ヒーローズ」はラッセル・クロウの主演企画に予定されている。ワイルダーとのインタビュー集「ワイルダーならどうする?」を著したキャメロン・クロウ監督(「あの頃ペニーレインと」「バニラ・スカイ」)は「すべての映画ファンにとって、道はビリー・ワイルダーに続いている」と語っている。 ジャーナリストだったワイルダーは、ベルリンへ出て映画脚本家へ転身。やがてナチス・ドイツから逃れてアメリカに渡ったとき、英語はほとんどしゃべれなかった。ビザも切れており強制送還される危険があったが、移民審査官に「職業は?」と聞かれ「映画を書く」と答えた。係官は「じゃ、いい映画を書いてくれ」とビザを発給した。この係官がワイルダーの運命を決めた。その後ハリウッドで60年を過ごし、アカデミー脚本賞3回(ノミネート12回)、監督賞2回(ノミネート8回)に輝いた。ユダヤ人であり、母親と義理の父をナチスに殺されたワイルダーは「シンドラーのリスト」の映画化を熱望。映画化権を買ったスピルバーグから初期の脚本を任され、一時は監督する予定もあった。 |
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