「ライラの冒険 黄金の羅針盤」映画化
成海璃子さんインタビュー

全世界でベストセラー。深い世界観が大人にも愛読者を増やすファンタジー児童文学「ライラの冒険」。その第1章が映画化された「ライラの冒険 黄金の羅針盤」は、アカデミー賞視覚効果賞を獲得したVFXも見ごたえたっぷり。日本でも大ヒット上映中だ。

そしてその日本語吹き替え版で、主人公の魂が動物の形となったダイモンのパンタライモンを演じたのが成海璃子。声優は初めてという彼女が、その難しさや楽しさ、作品について思うことを語ってくれた。

好きな作品だったので純粋に嬉しいと思いました

―原作のファンと聞いていますが、パンタライモン役が決定した時はどう思いましたか。

成海 「好きな作品だったので純粋に嬉しいと思いました。人間以外のものを演じたことがなかったし、声優も初めてだから面白そうだなと。声だけのお芝居はまったくやったことがなく知識もなかったので、最初は悩むこともなかったしやりたいって気持ちだけだったんですが、やってみて、いつもは表情とか動きで見せているところを声だけでやるっていうのはすごく難しいなと思いました。最初はそれを知らなさ過ぎて何も準備しなかったんです。でも収録前にロンドンで英語版を見たので、それが少し準備になったかと」

―ダイモンはこの作品の要ですが、現実には存在しないものを演じるというのは難しかったのでは?

成海 「ダイモンは人間とは一心同体で、会話も人と人との会話と同じ。パンはすごくライラと近いしわかり合ってる。だから自然にやりました。パンとライラがコソコソ話している所なんかの2人の関係がいい。ライラは結構危険な所に行っちゃう子でパンがそれをなだめるので、吹き替えでも2人のそういうつながりを表現したかったですね」

―難しかったシーンは?

成海 「うめき声とかが結構難しかったですね。うめくような役ってあんまりやったことがないから。あと男の子の設定だったので、男っぽく聞こえるようにしゃべるのも難しかった」

―特にお気に入りのキャラクターは?

成海 「やっぱりパンタライモンかなあ。パンはちょっと皮肉なことを言いますけどなんか憎めないっていうか、愛らしい。(私の声で)愛されるキャラクターになればいいなと。実際に吹き替え版のほうを見てみたら反省することばかりでしたけど、精一杯やったので。次にまた声優の仕事があったらもう少しうまくできるといいなあと」

私はファンタジーっていうと、『え?』って思っちゃったりするんですけど

―本作のいちばんの魅力は何だと思いますか?

成海 「ダイモンっていうもの自体がこの作品ならではの世界観だと思います。原作の世界観はそのままにこんなにうまく映画に出来るんだって。熊の戦うシーンとかもすごい。私はファンタジーっていうと、不思議ではあるけどなんとなく『え?』って思っちゃったりするんですけど、この作品は不思議なだけじゃない。だからたぶん子供だけでなくいろんな人が楽しめるんだと思いますね」

―これから、やってみたい役はありますか?

成海 「孤独で自分の感情を抑えるような役をやったことはわりとあるんですけど、そうじゃなくてこう、迷惑なくらいワッと自分の感情を出す役とか、あと人を信じない役とかウソつきの役とか」

―誰のようにというのじゃなくて、成海璃子しかできない、と言われる役者さんになりたい?

成海 「できれば、こういうイメージだよねって言われたくない。いろいろやりたいと思ってます。自分に飽きたくないっていうか。飽きられたくないっていうか」

―その一つとして声優もあるし、人間じゃないものもあるし?

成海 「違うものとは思ってないんですよ、声の仕事と普通の芝居の仕事とが。どちらも同じだと思ってるから、たまたま『ライラ〜』という好きな作品の話が来てやりたいって思った時に、それがたまたま声の仕事だった。自分の中では区切って考えてないんです」

―吹き替え版ならではの見所のポイントを教えて下さい。

成海 「英語字幕の映画版も見て欲しいんです。そうすれば、字幕だけで表現しきれない部分がたくさんあるとわかると思うので。日本語独特の言い回しもあるじゃないですか、それを考えれば吹き替え版はわかりやすい。どっちも見るのがいいと思います」

撮影:金刺文三夫  スタイリスト:岡部美穂  ヘアメイク:石田 賢治(KiKi inc.)
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