「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」に思うこと
週末には「後編」が公開されるという週の水曜日に、「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」を映画館で見てきました。水曜日といえば、そう、レディースデイ。女性は割引というプロモーションが功を奏したのか、作品の力なのか、夜9時からの最終回にも拘らず映画館は女子たちでほぼ満席。公開後4ヶ月、しかも週末土曜日にはTV放映があるというのにだ。コミックがあり、TVアニメになり、TVドラマになり、スペシャルドラマまであった後の映画化。「花より男子」や「ROOKIES」の映画化を思い起こさざるを得なかったわけだが、本作はちょっと趣が違っていたのだった。特に前編は。後編と違って物語を大団円させる必要がない分、2時間の尺を思い切り自由に使うことができる。だから、のだめと千秋の恋は一旦脇に置いといて、ギャグと音楽をスケールアーーップすることだけに集中していて、それが大成功なのだ。千秋先輩との初共演話に浮かれてパリの街を走るのだめ。彼女の舞い上がりっぷりを表現するのに、これ以上ないってくらいアニメを使って色味も使って、"変態の森"の仲間たちが総出でのだめを祝う。もちろんかなりふざけているのだが、上野樹里もぎゃぼーな気持ちを全身で表現していて、見ているこっちもメチャクチャ嬉しくなってしまうのだ。そしてもうひとつ、音楽。これが意外なことに、マジで音楽映画になっていた。実際にパリの伝統あるコンサートホールでロケし、プロの演奏家たちが出演しているのだから当たり前なのだが...。なんというか、それだけではない何か。圧倒的な音量のオーケストラのハーモニー、クラシックの名曲のもつ高揚感、といえばいいのか。なんと言っても玉木宏が本物の指揮者に見えてくるのだ。見終わったときに残る、実際にパリのホールでコンサートを聴いたような満足感。劇中のだめは、そのコンサートを聴いて自分と千秋との力の差に凹んでしまうのだが、さもありなん。それだけ"音楽映画"として成功している本作は、日本映画としては稀有な作品かもしれない。
(ストロングマシーン15号)










