「猫忍」大野拓朗
2017年5月15日

シリーズ&映画「猫侍」の姉妹編、「猫忍」は猫をふところに旅をする忍者を描く癒し系アクション・エンターテインメント。幼いころに生き別れた父(船越英一郎)にそっくり(?)なデブ猫(金時)に出会い、父が“変化の術”で化けた猫だと思った陽炎太(大野拓朗)は、猫と旅に出る。猫の金時を“猫かわいがり”する陽炎太役の大野拓朗に話を聞いた。

撮影期間の短さと忍者走りが大変でしたね

――映画版「猫忍」公開おめでとうございます。

大野拓朗(以下大野)「有難うございます。1カ月半でドラマ11話と映画をいっぺんに撮ってしまったのであまり実感はなかったんですが、自分が主役の映画が、しかも大好きだった『猫侍』の新バージョンの作品で主役をやらせていただいた(映画が)、とうとう劇場の大スクリーンで公開されるというのが、ものすごく幸せなことですし、今からワクワクしています」

――本作は、ドラマを撮りつつ映画も撮るという特殊なつくり方をしているのですが、どういう現場だったんですか?

大野「台本が最初から全部出来上がっていたので、ドラマ11話分を前後しながら撮りました。今日は第10話の何撮って第8話の何撮って第2話の何撮ります、みたいな感じです。ドラマ版が終わるくらいの時期から映画版の撮影が入ってきて、ドラマの残っている部分と一緒に撮ったりしました」

――そうすると、ストーリーラインの把握が大変に?

大野「そうですね。前後関係とか、そのシーンを撮影する前にもう一回台本を読み返して、気持ちを作って撮影に臨みました。僕はなんでここで笑顔になるんだっけ?とか、僕が笑顔になるのはここが初めてだったっけ?とかですね」

――難しい撮影だったんですね。大野さんはスポーツマンなのでアクションはお手の物だと思いますが、本作では山道とかを走るじゃないですか。それも普通の走り方じゃなくて忍者の走り方をして。

大野「“ナンバ走り”ですね」

――大変だったんじゃないですか?

大野「もう大変でした。朝の7時とかからたくさん走って、朝9時頃には部活の朝練が終わった感じです。10月から11月くらいの撮影だったので山奥は結構寒かったんですけど、汗かいてそれが冷えて風邪をひかないように気を付けていました。あとは走り方。忍者走りはこう、前傾姿勢で腕を振らず、体が上下しないような“ナンバ走り”で走るという。ヘンなところが筋肉痛になったりしました。ただ山道は意外と大丈夫なんです。障害物が多いのが大変でしたけど、土とか草のクッションのおかげで、体操のゆか競技の床の上を走ってる感覚だったんです、フワッフワッフワッと走りやすかったですね、膝への負担が軽減されました」

甘えん坊の金時はかわいくて温かくてずっと抱いていた

――寒いときに金時がいて温かかったんじゃないですか?

大野「温かかったです。カワイイしあったかいしずーっと抱っこしてました」

――でも抱いて走るのは大変でしたね、(金時の体重は)8kgでしたっけ? 実際に抱いて走っているんですか?

大野「顔とか手が風呂敷から出てるときは絶対に抱いて走ってます」

――金時と初対面のときはどうでしたか?

大野「最初から甘えん坊でした。初めて会ったのは僕の写真集の撮影のときにゲストで来てくれて」

――そうなんですか? この作品じゃなくて?

大野「この作品の直前にです。その時から、ほんのちょっとずつ身を任せてくれるようになってきました。慣れてくるとちょっと我儘になってきて、でも最終的にはすごく甘えてくれました。膝の上でずっと寝てるから、カメラが回ってない時もずっと膝の上に乗せて毛布を掛けて温めてあげながら、自分もあったかいから一緒に寝る、みたいな(笑)。幸せな時間でした」

――大野さんは猫を飼ってらっしゃるんですか?

大野「実家ではずっと犬を飼っていました、15歳と13歳になります。猫は、飼っている友達も少ないしあまり接したことがなかったんです。ただ動物全般が大好きだから、今回、猫と共演と聞いてめちゃくちゃ嬉しかったです。金時の甘えん坊という性格もあって、猫もカワイイなあって思うようになりました。僕は犬派だったんですが、今はもう二刀流です(笑)。何かペットを飼いたいなと思っていたら、猫を飼ってる人たちに『独り暮らしだと猫の方がいいよ、犬は寂しがり屋だから独りでお留守番はきついかな』って。そんな時のこの撮影だったんで、撮影終わってから本気で猫のことを調べて、飼おうかって今、考えてます」

――飼う気マンマンですね(笑)。

大野「でも、もうちょっと大きいところに引っ越してから?とかいろいろ考えてて。飼うのは簡単だけど、一つの命だから責任をもって、と思うとちょっと悩んでしまいますね」

――実際に飼えたらもうメロメロなんでしょうね、きっと。

大野「猫を飼って外に出られなくなったら大変ですね、何も出来なくなってしまう。でも掃除はするかな、逆に」

――猫って毛が抜けて部屋の中に舞うようになるから、掃除をするようになります。

大野「そうですよね、ツメを研がれてしまうから床に物を置かないようにするとか。それ、いいかもしれない(笑)」

――男性の独り暮らしは、猫がいるといいかもしれないですよ、きれい好きになります。

大野「わあ、いいこと聞いちゃった。猫はエサも自分の好きな時に好きなだけ食べるから、いっぱい盛っておいても大丈夫だって聞きました」

ストーリーより、温かさに触れて癒されてください

――そんな金時以外にも、人間の共演者たちはいかがでしたか?

大野「すてきな大先輩方からたくさん勉強させていただきましたし、本当に幸せな時間でしたね」

――先輩方から何か、アドバイスとかは?

大野「映画版の現場で、父上役の船越さんと会いました。船越さんが『セリフ合わせしよう!』と提案してくださり、すごく嬉しかったです」

――この作品はちょっとしたギャグとかオトすところとかが結構ありますが、ああいうシーンはどうやってつくっていくんでしょう?

大野「渡辺監督が『猫侍』シリーズも含めてずっと追求してこられた方なので、僕の“間”がちょっと違うとすぐ指導してくださり、笑いの“間”をつくっていただいた感じです。周りの皆さんに対しても『今ちょっと狙い過ぎたね』とか『ここもうちょっとこういう風にやって』とか、監督のこだわりはすごかったです」

――渋川さんの演じる抜け忍のギャグ、ヌケててすごく面白かったですもんね。よくこれを笑わずにできるなと思って観てました。

大野「セリフはなんとかNGにならずに大丈夫でしたが、目線だけのシーンだともう完全に笑ってしまってました(爆笑)」

――ストーリーは一人の青年の成長物語なので、若い人たちに共感されるんじゃないかと思いました。

大野「この作品は老若男女すべての方が、リラックスして見て笑って、金時のかわいさに癒されてもらえればいいなと思います。ストーリーの温かさを肌で感じて癒されていただけたら」

――すごくお忙しい大野さんにとっての癒しは何ですか?

大野「癒しは現場それぞれにあります。『三匹のおっさん』だったら、共演者とスタッフに本当の意味での家族みたいな絆というかつながりがあるから、皆さん温かいし、優しいし。僕がミュージカル舞台に挑戦していたときは、本当の家族のように支えてもらいました。『Let’s天才てれびくん』では、リハが終わって本番まで結構時間があるときは子供たちと一緒に遊んでいるだけで癒されます。それぞれの現場で癒されつつ、家に帰ってからは金時の写真を見て癒されてます(笑)」

――金時の写真で?(爆笑)

大野「金時をもう、ホントに愛してます。それこそ自分の腹を痛めて産んだ子のように(笑)」

――産めない産めない(笑)。

「猫忍」
5月20日(土)公開
AMGエンタテインメント配給
忍者の陽炎太は忍び込んだ屋敷で、幼いころに生き別れた父にそっくり(?)なデブ猫に出会う。父が“変化の術”で化けた猫だと思った陽炎太は抜け忍となり、術を解くための“秘伝の巻物”を探して、猫と共に旅に出る。

■プロフィール
大野拓朗
1988年東京都出身。映画「インシテミル~7日間のデス・ゲーム~」(‘10)でデビュー。近年の主な出演作品は、映画「セーラー服と機関銃-卒業-」、「高台家の人々」(ともに’16)など。TVは「三匹のおっさん」シリーズ(’14~’17)、「Let’s天才てれびくん」(’14~’16)、「LOVE理論」(’15)、「とと姉ちゃん」(’16)など。舞台は「ヴェニシの商人」(’13)、「ロミオとジュリエット」(’17)などに出演。

©2017「猫忍」製作委員会