「ねこあつめの家」伊藤淳史&忽那汐里
2017年4月3日

庭先に集まってきた猫たちに癒される、スマートフォン向けのゲームアプリ「ねこあつめ」。累計1900万ダウンロードを突破したこのまったり系ゲームが、まさかの実写映画化! 伊藤淳史演じる売れない小説家が引っ越した田舎の一軒家は、猫が集まる家。庭にやってくる猫たちをまったり眺め、ご飯やおもちゃをあげて癒される生活が始まった――。

猫たちが優秀で僕らも油断できませんでした

――本作は猫飼いには必見の作品ですね。猫たちとの共演で、例えば猫待ちなど、困ったなとか、印象に残っていることはありましたか?

伊藤「待たされたりすることはなかったんですよ、ホントに優秀な猫たちでした。とにかくこっちが求める以上を出してきてくれるというか。だから〝猫のご機嫌を取ってます〟みたいなことは全くなかったです」

――そうですか。あんなにたくさん登場するのにね。

伊藤「そうですね。人間だって2人のシーンよりは10人いるシーンの方が、時間がかかるものなんですけど、そりゃ猫だって1匹よりは10匹の方が時間がかかるのは当たり前だって感覚で、撮影には臨みました。むしろちょっと空いた時間があれば猫と戯れたりできたので、全く〝待ってる感〟はなかったですね。たくさんいた猫の中で一番のお気に入りは、今日も一緒に写真を撮ってるんですけど、シナモンです」

――一番メインどころで話を回していくニャンコですよね。

伊藤「そうです。やっぱり一番優秀だし、芝居で絡む時間も一番長かったので」

――忽那さんはいかがでした?

忽那「私は猫とのシーンが少ないので、あんまり猫ちゃんが大変だったという体験はなく、現場でも、伊藤さんは猫ちゃんがらみの大変なシーンもあって、すごく時間かかるだろうなと思ってたんですけど、全くなかったですね。逃げちゃったりってこともなくて。シナモンなんて動かないですもんね、今日の撮影でも」

――動かないことができるとスター猫になれるんですってね。

伊藤「大スターだね、シナモン」

忽那「前に別の猫ちゃんと撮影した時も、こんな貫禄はなかったな。私も一番のお気に入りはやっぱりシナモンになっちゃう。大きいし、モミモミもするんですよ、猫独特の。今日も私が抱っこしてるとずっとモミモミしてくれてるんです」

伊藤「最高だね」

――猫の演技、こんなこともできるんだ!と驚かされたシーンはありましたか?

伊藤「一番は、やっぱりキーボードのところに来るシーン。台本を読んだらすごくいいシーンなわけです。佐久本が原稿を書いてはみたものの自信がないっていうときに、庭からシナモンがポーンって上がってトトトトって歩いてきて、佐久本の打ってるキーボードに乗っかって原稿を消しちゃって。ああこんなんじゃダメなんだって気づかされる。…と台本に書いてあったんです。でも、こんな演技できるわけないって思ってたんですよ、カットを分けてやらないと。でも現場で監督は、これは1カットでやりますって。いやいやいやそんな(笑)今からピョンって…ないでしょうと。そしたらタッタッタって歩いてきて乗って、一発OKでしたね」

忽那「あのシーン一発OKだったんですか?」

伊藤「そう。3テイクくらいやったんだけど3回とも同じことやったからね」

忽那「へえ。それはやっぱりスターの素質が。頭いいですね」

伊藤「頭いいですよね。こっちが油断してたら、わあ、この子完璧にできてる!みたいな変な思いがよぎっちゃう。心配になるくらいあの猫が完璧すぎて、こっちがちょっと動揺するみたいな(笑)」

忽那「こっちがNG出しちゃったらどうしよう(笑)」

伊藤「それぐらいの芝居力。もうびっくりしました」

行き詰ると僕も環境を変えることにしています

――猫に対するイメージが変わりましたか?

伊藤「僕は、猫は人間と距離をとると思っていました。近所のよく歩く道に猫が2~3匹いつもいるんですよ。たまにそばにいくと100%の確率で逃げていくんですね。毎回、また来たか、チェッって感じで」

忽那「チャレンジするんですね」

伊藤「かなりチャレンジしましたよ。でも本作を経験して猫の特性とか、ガツガツ行っちゃいけないとかを学び、今度は猫と距離を置いて立ち止まってみたんです。そしたら、お、逃げないな。今度は無視して歩いて行って振り向いたらちょっと近づいてきたんです。あ、こういうことなんだと思って。だから近所の猫に対する対応が変わりました。むやみにそばにいくのはやめよう、ちょっと眺めていようって」

忽那「私はもともと猫が好きなので、やっぱり近所に野良猫がたくさんいて。前住んでいた家の近所では必ず駅までついて来ちゃう子がいて。ミャミャ言いながら。かわいくなっちゃいますよね。猫好きとしては楽しかったです」

――猫によって自分の新たな部分を引き出されたり、変わったなというシーンはありました?

伊藤「だいたいそうですね。最初は猫に対して〝なんだよ、ここ俺んちなんだけど〟って思っている役柄。『だんだん猫と距離が近づくにつれ笑ったりする』と台本に書いてはあるんですが、あんまり気にせずに、猫の動きをただ見ようと思っていました。そうしたら自然に、じゃれ合ってる2匹を見ていれば楽しそうな感じが出せたり。人と芝居するとなかなかそういうことってできないけど、全部猫任せみたいな感じでやってましたね。アドリブというより、猫の動きをただ見ているだけで、かわいいからフッと笑ってしまったり、オッてなったり。自然にできたのでドキュメンタリーっぽい感じになったのかな」

――本作では、行き詰まっちゃった人がもがいた末に打開策を見つけるわけですが、行き詰ったことがありますか? そうなったときに何か打開策がありますか?

伊藤「佐久本ほどではないですが、どの作品を演じるときもいつも行き詰まります」

――ええっ? 毎回行き詰まるんですか(笑)。

伊藤「そうですね。一生そうじゃないかと思うんです。難しい役を簡単にできる力もないし、結構行き詰まります。そういう時は時間ができたらできるだけちょっと出かける、東京を離れる。1泊でどこかへ行くとか、温泉でもいいし。時間がなかったら実家に帰るとか。目の前のことを考えないようにしてみたり」

――環境を変えるというか。

伊藤「そう。撮影中はその役を引きずる人もいるかと思うんですが、僕は離れると離れられるタイプです。環境を変えると、追いつめられてる状況でも意外と忘れられます(笑)。悩んでても田舎に行ったら忘れて、考え過ぎてもしょうがないやと思うことが多いですね。ちゃんと1回リセットして、思いつめるのをやめるというか。とりあえずやってみよう!となることが多いです。やってみたらやってみたで、芝居は自分一人でやることじゃないですから、共演者と芝居してみると、なんでこんなことで悩んでたんだろうっていうような、答えが明確になることもありますね」

――忽那さんは、励ましてやらせる編集者役でしたが、実際に行き詰まった人をどうすればいいと?

忽那「相手が話してくれた場合は、ただ聞いてもらいたいということも多いと思うので、聞く耳を持てる状態でいることもあると思いつつ、最近逆に、私が自分の中にためておいたことを人に話した時、淡々とアドバイスを言ってくれた人がいて。その人が正直に言ってくれた時自分はスッキリしたことがあって。だから、今までは聞いていることが多かったんですが、相手が話してくれたらちゃんと答えてあげる、その方が打開できるんじゃないかと思うようになりました。そんな友達って何人もいるものじゃないですし」

「ねこあつめの家」
4月8日公開
AMGエンタテインメント配給
累計ダウンロード数2000万超えの人気ゲームアプリ「ねこあつめ」の映画化。ドラマやCMで大人気のスター猫が20匹以上出演!新人賞受賞以来スランプに陥った若手作家が、占い師の助言で千葉の田舎に引っ越すが、庭先に集まる猫たちを眺めて過ごすように。仲良くなろうと努力するうち、近所のペットショップで働くことになってしまう。

■プロフィール
伊藤淳史
1983年千葉県出身。「鉄塔武蔵野線」(’97)で映画初主演。「映画 ビリギャル」(’15)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。主な出演作に「ボクたちの交換日記」(’13)、「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」(’14)、「ボクは坊さん。」(’15)、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(’16)、フジテレビ系「大貧乏」(’17)ほか

忽那汐里
1992年オーストラリア・シドニー出身。ドラマ「3年B組金八先生」(’07)で女優デビュー。‘13年「許されざる者」「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作に「BECK」(’10)、「マイ・バック・ページ」(’11)、「海難1890」(’15)、「女が眠る時」(’16) 「キセキ ーあの日のソビトー」(’17)、「THE OUTSIDER(原題)」(’17年全米公開予定)ほか
ほか

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