「ミナミの帝王」につづく新シリーズ発進! 
竹内 力が自ら企画・原案した自信作「影の交渉人 ナニワ人情列伝」

「ミナミの帝王」シリーズが64作を数える"Vシネの帝王"竹内 力。劇場映画やTVでも活躍目覚しい彼が、満を持して世に問う新作がリリースされる。大阪を舞台に、ヤメ検(検事を辞職した者)とその仲間たちが弱きを助け強きをくじきまくる、アツイ作品だ。本作もシリーズにせんと燃える竹内 力が、その熱い思いを語った!

新作は「〜ミナミの帝王」を超えなければならない

ー企画・原案が竹内さんご本人で、制作もご自身の会社リキプロジェクトです。本作を作ろうと思った理由と、交渉人という発想はどこから来たのか、教えてください。

竹内力(以下竹内)「まず、『難波金融伝 ミナミの帝王』を超えなければならないと思ったんですよね。『ミナミ〜』の良かった部分は残しつつパワーアップしていくというのが自分の中でテーマだったんです。なので、本作では、法律用語を駆使して勝ち上がる、世直しをするっていう主人公にした。で、職業は何だって言ったら、法律に長けてるってことは検事が弁護士。それにその仲間をどういうタイプにするかってところを、元犯罪者を仲間に引き入れたって形で作れるんで、検事にしようってことに。じゃ次に、なんで検事を辞めたのかって事で。そこで監督が、『力ちゃんの正義感あふれるところを生かしたキャラクターにした方がいいんじゃないか』って。で、正義に駆られてああいうふうに暴力が出てしまってクビになると」

ー上司を殴って検事をクビに。

竹内「そう。それが大事なポイントだった。そして、なんでこういうファッションをしてるかっていうと、俺、シリーズものにはファッションっていうのがとても大事だと思うんですよね。やっぱりキャラクターっていうのは性格だけじゃなくて見た目も大事なのであって。で今回は、メンズファッション誌から出てきたようなファッショナブルな感じというか、堅苦しくなく若い人たちからも受け入れられるような、普通のファッションというか。ちょっとセンスいいねっていわれるような所で行こうかってなったわけですよ」

ー新しいシリーズをやる時に、竹内さんが声をかけられて新しい血を入れるんですか?

竹内「ええ、みんなで意見を出し合ってね」

ー作品の方向を、こういう風に行きたいって基本を竹内さんが考えれられて、監督たちと話し合って肉付けをしていかれるんですか?

竹内「そうですね、もちろん。まず、こういう作品作りたいという発想があるわけじゃないですか。そうしたら、そういうタッチの作品に合う監督をまず決めて、脚本家は誰がいいかっていうのを監督と相談しながら、それだったらこの人がいいよねって。で、打診して脚本やってくれるなら、次に監督と3人で話し合いをして。うちの会社の社員がプロデューサーとして入って、みんなで意見を出し合って。やっぱり原作がない作品っていうのは、自分たちでアイデア出し合ってやっていかないとね。一人の頭ではムリですよね、面白いものを作るっていうのは。世の中の人たちが見てくれるわけですから。1億3000万人日本人がいたら、皆が感受性違うわけだから、なるべくいろんな人の意見を聞きつつ、モノ作りはしていこうと思ってるんです」

ー主演だけでなく製作総指揮で、制作会社社長で、いろんな立場で関わらなきゃいけないですね。

竹内「そうですね。そういう立場でないとダメなんで」

ー竹内さん演じる主人公、城崎は、正義漢で人情に厚くてというキャラクターですが、演じるにあたり一番大事にしていることは?

竹内「やっぱりヒーローじゃなきゃいけない。簡単に言うと、『ミナミ〜』の銀ちゃんは水戸黄門現代版だったんです。主人公の銀次郎のキャラが立ちすぎてた。それはあの巻き舌だったりとか、まあ自分がそうやって来たんだけど、あとやっぱりスーツで肩で風を切ってっていうイメージじゃないですか。それはそれとして、でも今度は新しいものを作らなきゃだから、ファッションも変えて。インパクトというのは落ちたと思うんですよね、キャラクターとしては。でもその分仲間たちを設定して、いろいろカラーを揃えたっていうのが自分の中ではあるんです。実際『必殺仕事人』もそうじゃないですか。やっぱりこう、京本さんがインパクトあったりとか、中条きよしさんがインパクトあったりとかしたし、それぞれに得意技があったわけじゃないですか。そういうふうにしたかったんですよ。検事時代に自分が担当した元犯罪者たちを集めて一緒に世直しをするっていう。ヤツらをハッカーだったりピッキングのプロだったり、そういった設定にしたんですよ」

ー本作では仲間がそれぞれ専門分野をもって、チームを作って。

竹内「専門分野に関しては主人公より上なんですよ。だからいいんです。だからキャラが立ってくるし、まず主人公がいて、ちょっと下がった横並びにみんながいるっていう。前の『ミナミ〜』の場合はもう。何にでも長けてる主人公がドーンっとあったわけですけど、それをもっと近づける。それによってもっとチームの一体感が出るかなあと」

ーチームプレイが気持ちよくて。スティーブン・ソダーバーグの「オーシャンズ11」シリーズを思い出しました。キャラクターたちの専門分野はどういうふうに決めたんですか?詐欺師とかハッキングとか。

竹内「今後のシリーズ化を視野に入れて、どういうキャラクター、どういう罪状の人間ならストーリーを続けていかれるか。あの連中は全員ウチの事務所の役者なんですよ。彼らの普段の思いが役を通してお客さんに通じればいいなあと思ってるし、彼らを勝ち上がらせてもいかなきゃいけない、プロダクションの社長として。だから最初のクレジットを出す時もみんなを先に出して俺はあとなんですよね」

ファンの応援がパワーになる

ー「〜ミナミの帝王」シリーズは64作ありました。何がそこまで竹内さんを続けさせたのか、モチベーションはどこにあったのでしょうか?

竹内「俺なんか、テレビなどのメディアへ露出せずにこれをやってきたじゃないですか。その俺を応援してくれるサポーターというかファンは、常にレンタル店で借りてくれるわけじゃないですか。それによって自分は俳優を続けてきたという気持ちがありますよね。それが自分の中でパワーになって続けてこられたっていうのがあります」

ー違う作品をやるっていう手もあったと思うんですが、同じシリーズを続けたっていうモチベーションは?

竹内「継続は力なりですからねえ。自分の場合、他の作品で三枚目もできるし他にもいろんな役をやって、キャラクターを使い分けてるんです。で、また『ミナミ〜』に戻るっていう感じ。飽きる飽きないっていうのはないですよ。自分が作り上げているキャラだからラクなんです。萬田銀次郎を演じ、次はカオルちゃん(『岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説』のキャラクター)で学ランを着て。それも自分で作ってるキャラクターだからラクなんですよね。台本にあるとおりそのままやるということは面白味がないと思っているので。俺にしかできないキャラクター作りをしないと意味がないっていうか、そうでないと俺もやりがいがないんで。だから台本にないことも付け加えていくわけですよ」

ー本作も舞台は大阪。「〜ミナミ〜」が大阪だったから、やっぱり大阪のほうがやりやすいのかなと。

竹内「『ミナミ〜』シリーズはファンが多くて、最後作を撮ってからもう2年か3年経つんですけど、やって欲しいっていう声が多かったんです。次いつ出るのって。でも、いろいろな事情で撮れなくなったので、新たに企画して新作を作ろうということになったわけです」

ーでもやっぱり大阪ロケにこだわって?

竹内「ええ。作品の舞台を大阪にしたということについては、やっぱりあの『ミナミ〜』の関西のニオイっていうのが大事なんだという思いがあって。それに、バリバリ関西色の話が世の中にあまりない。確かに、撮影をオール大阪ロケにするということは、制作的に大変な部分も多い。それでもやっぱり、そこにこだわってやるということが、ファンに対しての恩返しじゃないかと。その分、撮影にあたって知り合いの方たちにたくさん協力もしていただきましたし、自分の車も東京から運んで行って使いました」

ー"Vシネマ"は東映の登録商標で、そこに帰ってきたっていうことと、劇場公開にしてもいいものをVシネマにしたっていうことについて伺いたいんです。現在の邦画状況の中、大人の鑑賞に堪えうるものを劇場にかけないのはもったいなんじゃないかと。

竹内「そこは俺も悩む所なんですけどねえ。うーん、でも地に足をつければ何とかなるんですよ。これが逆にうまく化けるかもしれない。何がどうなるかわかんないですよ、だから面白いんであって。頑張って劇場映画と同じように宣伝をやっていくことが、今までのVシネと違う所ですね。そうして、劇場にかけているものより面白いっていう噂が口コミで広がっていけば勝ち残れるのかなって思うんですよね。ウチの会社なんて力ないし小っちゃな会社だけど、なんとか維持してこられてるし、今後も地道にやってれば這い上がれるかなっていうのがあるんですよ。作品を見てくれるファンがサポーター。でも、一番大事なのはそこだと思うんですよね。だから一人でも多くの人に見てもらいたいですよね」

●撮影/金刺文三夫

プロフィール

竹内力

1964年、大分県生まれ。'86年「キャバレー」「彼のオートバイ、彼女の島」で映画デビュー。主演代表作に「難波金融伝ミナミの帝王」('93〜'07)、「仁義」('94〜'07)、「岸和田少年愚連隊カオルちゃん最強伝説」('01〜)などのロングヒットシリーズがある。近年は映画「バトル・ロワイアル? 鎮魂歌」('03)、「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」('06)、「大帝の剣」「大日本人」(ともに'07)、「ひゃくはち」「次郎長三国志」「ICHI」(以上'08)、「激情版 エリートヤンキー三郎」('09)などで幅広いキャラクターを演じる。また、'07年に「魁!ミッドナイト」で"エンターテイメント・シンガー"として歌手デビューした"双子の弟!?"RIKI(アールアイケーアイ リキ)のプロデュース・全曲の作詞を手がける。10月7日にはRIKI初のベスト・アルバム「全国制覇」をリリース予定
●竹内 力 オフィシャルサイト
●RIKI オフィシャルサイト

「影の交渉人 ナニワ人情列伝」

10月9日レンタル、10月21日セル 発売/東映ビデオ 

「難波金融伝 ミナミの帝王」の竹内力と萩庭貞明監督コンビによる新作OV。人の弱みに付け込んだ違法な貸し付けをする闇金業者たちに、検事のキャリアを捨てた城崎竜二(竹内力)と彼を慕う元犯罪者たちのプロ・チームが制裁を加えていく。山口祥行や野村祐人らに、桂ざこばや桑名正博、ぼんちおさむ、梅沢富美男、サンドウィッチマンの伊達みきおなど個性派が脇を固める 

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