ウイル・フェレル スペシャル・インタビュー

「俺たちフィギュアスケーター」のスマッシュヒットで、やっと日本でも認知度が上昇したハリウッドの人気コメディアン、ウイル・フェレル。そんな彼の最新作で、VFX満載のSFファンタジー「マーシャル博士の恐竜ランド」が9月18日に公開される。フェレルが子供のころ大好きだったという70年代TVシリーズの映画化リメイクだ。獰猛なT−レックス、Hな類人猿、間抜けなエイリアンらと共演し、時空を超えた笑いを提供をしてくれるフェレルに、その笑いの秘密をたずねてみた。

オリジナルTVシリーズの大ファンだったんだ

ーこのプロジェクトのどういうところにひかれて出演することに?

「いろんな要素が重なったんだが、そのなかでも最も大きかったのは、僕がオリジナルのTVシリーズ『Land of The Lost(原題)』の大ファンだったというところ。映画化リメイクの話を聞いたとき、これは相当楽しいものになるぞとワクワクしたくらいでね。脚本家も主人公のリック・マーシャル博士を書くとき、僕を想定していたというからありがたい。もうひとつは、こういったVFXを使った
アクション・アドベンチャー映画にいつか出てみたいと思っていたというのもある。そして、僕はエイリアンやUFOの存在を信じてる! まさにチャンス到来だったんだ(笑)」

ー"X-ファイル"なネタも好きなんですね

「ああ、大好きだよ。"エリア51"とか聞くとドキドキする。そういうのって、信じたほうが断然楽しいと思わないかい?」

ー思います! そして、肉体酷使系のアクションもたくさんありましたね。どうでした?

「僕はスポーツをやるほうなんだが、それでも今回のアクションはキツかった。何せ走りに走ったんだ。気温が40度以上はある砂漠を走ったし、身体にワイヤーをつけて振り回され、ハーネスをつけて吊るされたりもした。確かに肉体的にはヘビーだったけれど、演技的には大いに盛り上げてくれたよ」

T−レックスとの初共演には非常に満足しているよ

ーVFXありきの演技というのはどうでした?

「不思議な感じだった。そこにT−レックスがいるつもりで演技をするという感覚がね。そういうかたちでイマジネーションを使うというのは僕にとってはチャレンジングで楽しかったね。果たして出来上がりはどうなっているのか気になったが、それもまた楽しみだった。あ、出来上がりを見て、T−レックスとの"初共演"には非常に満足しているよ」

ー今回、音楽も満載ですよね。たとえばマーシャル博士が発明したタイムトラベル装置からミュージカルの「コーラスライン」のナンバーが流れたりして

「ああ、僕もとても気に入っている。あれは最初から脚本にあったネタなんだ。コメディと音楽というのはだいたい相性がいいしね。そうだ、ひとつ自慢すると、マーシャル博士がバンジョーを弾きながら歌うシーンがあるが、僕が本当に歌い弾いているんだよ。僕の父親はミュージシャンだったから、僕のファミリーにとって音楽をやるのはごく普通のことだったんだ」

ー今回も笑えるネタが山盛りですが、最も気に入ったネタは?

「うーん...どれも忘れがたいギャグだけど、やっぱり砂漠のモーテルのプールサイドで男3人、ナゾのフルーツの果汁を飲んでラリっているシーンかなあ。男たちの愛を感じるだろ(笑)。アドリブも多かったし、突如現われる巨大ゆでガニも笑えたしね。あのシーンが最終的に残されてうれしかったよ」

楽しいけれど真剣。それが僕の現場だろうね

ーセットにいるときのあなたは、映画のように笑える人なんですか?

「どうだろう? ただセットに来た多くの人は『思っていた以上にシリアスだ』というね。もちろん、ふざけあったりギャグを言ったりするけれど、コメディをつくるというのはみんなが考えている以上にハードなんだ。さらにその一方で、自然の流れに任せ、そのなかから自分でアイデアを探すことが必要でもある。ちゃんと準備してセットに入るけど、必要とあらばそれをすべて投げ捨てることもしなきゃいけないんだよ。楽しいけれど真剣、それが僕の現場だろうね」

ー『MAN VS WILD(原題)』というTV番組にこの映画のプロモーションのために出演し、トナカイの生の目玉を食べたと聞いたんですが

「ああ、食べたよ。自然のなかでサバイバルするという番組で、トナカイの死骸を見つけ、その頭部を料理し、角膜を生のまま食べたんだ。味は...味のないゼリーみたいな感じかなあ。もちろん、とてもまずい。みなさんにはオススメしないよ(笑)」

イヤなヤツを演じるのは楽しいし、観察するのが好きなんだな

ー『俺たちニュースキャスター』の続編をつくると聞いています。たくさんヒット作があるなかで、これを選んだ理由は?

「つくっていていちばん楽しかった作品であったと同時に、最も苦労した作品でもあったからだ。脚本をスタジオに読んでもらうのに3年かかり、スタジオ10社に断られたんだ。ところが、そのあと『アダルト♂スクール』('03・未)が公開されて大ヒットしたら突然『「俺たちニュースキャスター」はどうなった? あの脚本は大好きなんだ』だって。『おいおい、おまえ好きじゃなかっただろ?』って突っ込みたくなったけどね(笑)。そうやって苦労してつくり、ふたを開けたらみんなが愛してくれた。だから思い入れもひとしおでね。あのキャラクターをまた演じるのが楽しみで仕方ないよ」

ー『〜ニュースキャスター』であなたが演じたキャラクターはかなりイヤミでイヤなヤツでした。今回のマーシャル博士も善良でいいヤツとは言えないし、あなたはイヤなヤツを演じるほうが多いと思うのですが

「そうかもしれないなあ。まあ、僕とは大きくかけ離れたキャラクターだし(笑)、そういうイヤなヤツを演じるのは楽しいんだよ。実生活じゃできないことができるわけだしね。それに、そもそも僕はイヤなヤツを観察するのが好きで『どうすればあんなイヤなヤツになれるんだろう?』って思っていて、その観察の成果が映画の役づくりに反映されているという感じかな」

ー演じてみたいキャラクターはあります?

「特にはないね。"エイブラハム・リンカーンを演じるのが宿願"なんてのはないな。ただ、これをやるとおもしろいだろうというアイデアは常にもっている。僕は小さなコントやおかしなネタを披露するのが好きなタイプだからね」

●取材・文/渡辺麻紀 ●写真/Shuji Kobayashi

プロフィール

ウイル・フェレル

1967年、米カリフォルニア州生まれ。TV「サタデー・ナイト・ライブ」で人気コメディアンとなり、映画界に進出。初主演作「エルフ サンタの国からやってきた」('03・未)を皮切りに、「俺たちニュースキャスター」('04・未)、「俺たちフィギュアスケーター」('07)など次々とヒットさせ、主演作のうち4作が興収1億ドルを超えた。「プロデューサーズ」('05)、「主人公は僕だった」('06)ではゴールデングローブ賞にも全ノミネートされるなど、近年、演技の評価も高い。マーク・ウオールバーグ共演のアクション・コメディ「The Other Guys(原題)」が'10 年8月全米公開予定

「マーシャル博士の恐竜ランド」

9月18日公開  東宝東和配給

タイムワープとその先にある異次元世界の存在を信じて研究する量子古生物学者、リック・マーシャル博士(ウイル・フェレル)。彼の奇抜な学説は笑いものだったが、その説を支持する才媛ホリー(アンナ・フリエル)が現われる。自説の証明の機会を得て、自前のタイムワープ装置を完成させたマーシャル博士は、彼女と共にタイムワープが可能と思しき荒野へと向かう。案内人の土産物屋ウィル(ダニー・マクブライド)も道連れに、彼らがたどり着いたのは、さまざまな恐竜や怪生物が闊歩する、時代もめちゃくちゃな?恐竜ランド?だった! '74年から米国で人気を博したTVシリーズ「Land of The Lost」を基に映画化したアドベンチャー・ムービー。

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