「死霊館 エンフィールド事件」ジェームズ・ワン
2016年7月4日

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世界興収350億円を超える大ヒットを記録した「死霊館」の続編でホラー映画に帰ってきたジェームズ・ワンにインタビューを敢行! さらに恐怖演出に磨きがかかった本作のことはもちろん、なぜ「ワイルド・スピード」の続編のオファーを蹴ったのか? 「アクアマン」や「Robotech」の噂は? 気になるアレコレを直撃した!

超大作を撮った後だから、少しブレイクを取りたかった

――「ワイルド・スピード」8作目の破格の監督オファーを蹴って、再びホラー映画の世界に戻ってきた理由はなんですか?

ジェームズ・ワン(以下ワン)「『ワイルド・スピード SKY MISSION』という、あんな大がかりな大作を監督できたのは非常に良い体験だった。でも超大作を撮った後だから、少しブレイクを取りたかったんだ。『死霊館 エンフィールド事件』のほうが、ペースもスロウで馴染み深い映画だから。あと、パトリック・ウィルソンやヴェラ・ファーミガといった大好きな人たちと、また仕事できる点も大きな魅力だったし」

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――エンフィールド事件について、本シリーズの主人公の一人、ロレイン・ウォーレンさんから撮影前になにか話は聞きましたか?

ワン「うん、製作の初期段階に脚本家と一緒にロレインに話を聞きに行ったよ。ただ、彼女は80代だからね(苦笑)。どこまで過去の記憶が鮮明か定かではなかったけど、彼女が記憶していることは重要だった。あと、(本作の主人公)ジャネットと彼女のお姉さんマーガレットとも話したんだけど、当時どんな生活を送っていたかとか内情を教えてもらうことも非常に重要だったね」

――ロンドンとL.A.での本作の撮影中、なにか怪現象は起こりませんでしたか?!

ワン「あはは。いや、撮影中は監督業に専念していて、あまりにも集中していたし忙しかったから、なにも感じなかったかな(笑)」

――本作では幽霊と悪魔の2つを描いています。両者は当然異なる存在ですが、彼らはどこかでつながっていると思いますか?

ワン「ウォーレン夫妻と以前話したとき、幽霊と悪魔の明確な定義について教えてくれたんだ。幽霊はかつて人間の形をして生きていた魂で前に進んでいけるけど、悪魔は人間の形になったことがない怪物のような魂だと。この2つは全く別物の存在なんだ。幽霊は邪悪である必要はないけど、悪魔の目的全体は害悪を及ばすことだよね」

――幽霊を信じる?

ワン「信じていると思うよ。自分の目に見えないものを信じるという広い心を持っていると思うし(笑)。時々、幽界がこの世を侵食しているのかもしれないね…でも信じてるよ。幽霊とかが怖いし、僕はアジア人だしね(笑)」

「死霊館」は、現実世界についてどう思うかという自分のルールとロジックに従っている

――ワン監督は「インシディアス」と「死霊館」という2大幽霊ホラー・シリーズを生み出しました。「死霊館」はもちろん実話がベースですが、どのように差別化を図っているのでしょう?

ワン「『インシディアス』は、より狂暴で冒険ができる(笑)。自分で空想世界を創り上げて、幽霊や超自然的な勢力が住む別次元に旅に行けるんだ。『死霊館』では、現実世界についてどう思うかという自分のルールとロジックに従っている。なぜなら、主人公は実在のウォーレン夫妻だからね。このシリーズの映画作りへのアプローチも、より地に足が着いているじゃないかな」

――あなたが一番恐れているものはなんですか?

ワン「現実世界だね。僕が映画で料理する、この世の中で起こっていることが何よりも恐ろしいよ」

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――「インシディアス」と「死霊館」を観ると、日本のホラー映画からの影響を感じます。日本のどんな監督や作品に触発されたと思いますか?

ワン「ああ、日本のホラー映画の大ファンだよ! 昔の映画だと『怪談』(’65)とか。スロウで静かな部分が好きなんだ。日本のホラーはストーリーポイントや哲学が、日本の文化に根付いているよね。そこに魅了されたんだ。僕は世界中のホラーが好きで、色んな恐ろしい話を発見してきたけど、日本のホラーは特に気に入っている。一番好きな日本のホラーは中田秀夫監督の『リング』(’98)だね! ヒデオとも以前会ったけど、本当にナイスな人だったし!」

――「ソウ」リブート版の製作が噂されています。

ワン「確かなことは言えないけど、『ソウ』フランチャイズは一大ブランドだ。最も大きなホラー・シリーズの一つだからね。良いホラー映画の悪役と同じように、長い間死んでいるなんてことは不可能なんだ(笑)。いつ製作されるのか、どんな作品になるのかはわからないけど、未来のある時点で必ず作られるはずだと信じているよ」

――最後に、次回作の「アクアマン」について教えてください。

ワン「うん。『アクアマン』は間違いなく今、僕が企画開発を進めている作品のメインだね。スーパーヒーロー・ムービーの中でも、撮影もストーリーも複雑で、昔だったら技術的にも製作が不可能だった大規模な作品だ。すごくエキサイティングだよ。まあ、どうなるか見てみようじゃないか。あと、日本のアニメを基にした『Robotech』にも情熱を燃やしているよ。オリジナルのアニメが大好きなんだ!」

TheConjuring2_main「死霊館 エンフィールド事件」
7月9日(土)公開
ワーナー・ブラザース映画配給
監督・原案・脚本/ジェームズ・ワン
原案・脚本/チャド・ヘイズ ケイリー・ヘイズ
脚本/デヴィッド・レスリー・ジョンソン
出演/ヴェラ・ファーミガ パトリック・ウィルソン フランシス・オコナー

1977年、ロンドン北部の町エンフィールドを舞台に、心霊研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻がさらなる恐怖と対峙する。ポルターガイスト現象が最も長期間続いた事件として知られ、“ポルターガイスト”という言葉を広く世に知らしめた“エンフィールド事件”を映像化。

■プロフィール
ジェームズ・ワン
1977年2月27日、オーストラリア生まれ。’04年、「ソウ」のヒットで一躍名を知られるようになる。’15年には「ワイルド・スピード SKY MISSION」をシリーズ史上最高の大ヒットに導く。その他の監督作に「デッド・サイレンス」「狼の死刑宣告」(共に’07)など。DCコミック原作の「アクアマン」は’18年全米公開予定

●取材・文/小林真里
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