設楽統のこの映画にしたら? Vol.44「スター・トレック BEYOND」
2017年3月3日

半世紀以上の歴史を誇る大ヒットSFシリーズの最新作が登場。宇宙を舞台にした緻密な人間ドラマに設楽さんも太鼓判を押す!

――今回は「スター・トレック BEYOND」を選んでいただきました。

「スター・トレック」はマニアではないけど、映画も含め何本か観ています。TVシリーズは夜中によく観ていました。「〜BEYOND」は、SF都市ヨークタウンの美しさや迫力のバイクアクションにも目を奪われましたが、何より驚いたのは、前半でいきなりシリーズの象徴とも言うべきエンタープライズ号が大破したこと! え、壊す!?と思ったし、宇宙戦艦ヤマト爆破以来の衝撃でしたよ。でもね、普通の映画ならこんなド派手なシーン、クライマックスまで大事に取っておきそうじゃないですか。でもこの映画は、サラリとやってのける。粋ですよね。その後、未知の惑星に不時着したクルーたちそれぞれに見せ場があって、前半に張られた伏線がキレイに回収されていく。そして敵のリーダーにも悪に転じた理由がきちんとあって……。現代社会の縮図みたいなものが描かれ、洗練されたエンターテインメントを観た!と思いました。

――脚本はサイモン・ペッグ。「宇宙人ポール」や「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」の脚本も手がけ、本作には機関主任のスコッティ役で出演もしています。

なるほど、マルチな人なのですね。これだけ長いシリーズだとスタッフも変わっていくと思いますが、その一方で脈々と受け継がれているものが確実にある。だからこそ深みが出るんでしょうね。シリーズに一貫している魅力は、舞台は壮大な宇宙なのに、描いているのは、今の自分でいいのかと葛藤するクルーの泥臭く小さい世界の物語だということ。玄人好みのSFっていうのかな、老舗のスゴ味を感じます。スタトレはTVと映画合わせて720本以上の長寿シリーズ。大好きな人は、本当に楽しいでしょうね。生涯をかけて夢中になれるものがあるんだから。

――同じ男性から見た、カーク船長の魅力を教えてください。

とにかく人情派ですよね。父親が亡くなった年齢を越え、男として葛藤し壁を乗り越えようとする姿は励みになりました。悩みがあっても宇宙から見たら自分のことなんてちっぽけに思える。今は観たばかりで気持ちが大きくなっているだけかもしれないけど(笑)。

――設楽さんの思う、リーダーに必要な資質って何でしょう?

仲間を信じて任せるということかな。まとめる人は周りに仕事を振れないんですよね。僕もそうだった。以前もこの連載で話しましたが、昔は若さゆえ、全部自分でやりたかったし褒められたかったんですよ。でもライブひとつやるにしても、ネタは自分たちでできるけど、音響や照明を僕が同時にやることはやっぱり不可能なわけで。今は、個人では限界なことも、みんなでやればできると分かってきました。エンタープライズ号のクルーのようにいろんな力が結集して何かが出来上がる時の達成感を実感できるようになりましたね。

ここまで話していたら、「スター・トレック」の昔のシリーズ観返したくなりました。いや〜、とにかく見どころが満載。ただひとつだけツッコましてもらうのなら、別の惑星でのパーティなのにカークの私服は革ジャンにTシャツというイマドキのLAカジュアルというギャップ。違う星だし気候も湿度も違うのに。そして未来の洋服はもっと進化しているはず! そう信じたい(笑)。

――ちなみに設楽さんは宇宙に行きたいですか?

行きたいです! 僕は宇宙について考えるのが結構好きなんですよ。ブラックホールの謎とか。もし宇宙に行けるのならば、月や火星といった手近(?)な銀河系から出て、想像がつかないような未知の惑星にたどりつきたい。そのほうが、夢があるでしょ? せっかくならエンタープライズ号に乗りたいですね。今作で壊れていたけど、修理にはいくらかかったんだろう。ヨークタウンの転送装置も欲しいし。僕は基本は動かないので、いろんな土地に転送され名産品のお取り寄せをしたいです。

■今月の一本

「スター・トレック BEYOND」
J・J・エイブラムスがリブートした「スター・トレック」シリーズ3作目。今回新たにメガホンをとったのは「ワイルド・スピード」のジャスティン・リン。宇宙船救出ミッションの最中に敵の急襲に遭い、エンタープライズ号が大破。未知なる惑星で散り散りになってしまったカーク船長らクルーたちは、2人1組となって再会を目指す

監督・製作/ジャスティン・リン
製作/J・J・エイブラムス
脚本・出演/サイモン・ペッグ ダグ・ユング
出演/クリス・パイン ザッカリー・クイント カール・アーバン ゾーイ・サルダナ

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とバナナマン結成。「ノンストップ!」(フジ系)で司会を務めるほか、「バナナマンのせっかくグルメ!」(TBS系)、「バナナ♪ゼロミュージック:(NHK総合)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)などレギュラー多数。

■バナナマンinformation
2016夏ライブのDVD「bananaman live『腹黒の生意気』」が絶賛発売中。2月18日にはタワーレコード渋谷店で発売記念イベントを開催。ライブが出来上がるまでの舞台裏エピソードをたっぷり語ってくれました。

(C) 2016, 2017 Paramount Pictures. STAR TREK and related marks are trademarks of CBS Studios Inc.
撮影/杉 映貴子