設楽統のこの映画にしたら? Vol.43「シング・ストリート 未来へのうた」
2017年1月30日

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今月は青春音楽映画MOVIE「シング・ストリート 未来へのうた」。主人公同様、80年代に青春を過ごした設楽さん、バンドを掛け持ちしていた過去が!

――今月は青春音楽映画「シング・ストリート 未来へのうた」を選んでいただきました。

スピードワゴンの小沢(一敬)くんが絶賛していたので気になっていたんです。時代設定は1980年代。「恋しくて」(’87年)のような青春グラフィティが好きな僕としては、かなり楽しめました。

――監督のジョン・カーニー(1972年アイルランド ダブリン生まれ)は設楽さんと同世代で、本作は半自伝的映画だと言われています。

だからか~。若い頃特有の“あるある”描写がたくさんでしたね。好きなスターの髪型を真似する主人公コナーに、自分の青春時代と重なる部分もたくさんあって、キュンときました。バンドメンバーがひとりひとり集まっていって一気に世界が広がり「これから何かが始まるぞ!」というワクワク感がたまりません。

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――バンドのギター担当、エイモンの家での練習中に母親がオヤツを部屋に置いていくシーン。ああいうシチュエーション、昔はありましたよね。

背伸びしてバンドをやるコナーたちの大人な一面と、まだ親が世話を焼いている子供の狭間の、絶妙な瞬間を切り取っていたと思う。最初、コナーはいじめられっ子で幼い感じだったのに、どんどん大人になっていくその過程や成長にもグッときました。そして迎えるラストシーン。若いからこその根拠のない自信をもって突き進むコナーに、「いつかは地元を出て東京に出るんだ」と思っていた当時の僕自身がシンクロしていました。

――設楽さんは高校時代にバンドをやっていたのですよね。

そう。当時はめちゃくちゃバンドブームでした。クラス全員がバンドをやっていたぐらい。僕もいくつかバンドを掛け持ちしていたんですよ。でも、楽器はまったくできなくて、すべてボーカル担当。

ZIGGYやTHE BLUE HEARTSのカバーをして、楽器屋さんや友達の親がやっているスナックで練習していました。だから、映画の中で、音を最初に合わせる瞬間のコナーたちの喜びは「分かる分かる!」と共感しました。エイモンみたいな音楽オタク、僕の友達にもいましたよ。みんながBOOWYに熱狂してる中、やたらと洋楽に詳しくてね。ライブハウスや文化祭でライブもやったなぁ。

――主人公は、モデルのラフィナやお兄さんなど年上の人たちから影響を受けて成長していきますが、設楽さんはいかがでしたか。

少年が年上の大人びた女性に惹かれるプラトニックな感じ、良かったですよね。というのも、僕も高校時代に5歳年上の女性とお付き合いしていましたから。楽器屋さんの妹さんのお友達でね。いや〜、懐かしい。そして僕らも、楽器屋に出入りする何者だか分からない年上の男の人と仲良くなって、よく遊んでもらっていました。今考えると、誰だったんだろう?あの人(笑)。

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――まさに“青春”という感じのエピソードですねー。

考えてみると、僕はバンド活動をきっかけに他人前に出ることの快感を覚えた気がします。中高生の頃に好きだったものの延長に“今”がある。その意味で「シング・ストリート〜」は僕にとって初心を思い出させてくれた作品でした。……それにしてもコナーたちは今、何をしているんだろう? 彼らの人生の続きが見てみたい!

――最後に、もし今バンドを組むとしたら何をカバーしますか?

BOOWYですね。BOOWYは僕にとって特別な存在。バンドブーム当時は、地元で一番のワルの先輩たちがコピーをしていたので、僕らがカバーすることが許されなかったんです(笑)。だから満を持して!?BOOWYを歌いたい! ちなみに日村さんはTM NETWORK派。1歳しか違わないのに、音楽の話になると微妙にズレるんです。

■今月の一本

「シング・ストリート 未来へのうた」
「はじまりのうた」に続く、ジョン・カーニー監督の半自伝的映画。舞台は、1980年代のダブリン。年上のモデル、ラフィナにひと目惚れした14歳のコナーが、彼女と仲良くなりたい一心でミュージックビデオへの出演を頼み、慌てて友人を巻き込みバンドを結成する。彼らの青春をデュラン・デュランやザ・ジャムなど80’sロックにのせて描く

監督・製作・脚本・音楽/ジョン・カーニー
撮影/ヤーロン・オーバック
出演/フェルディア・ウォルシュ・ピーロ ルーシー・ボーイントン ジャック・レイナー マーク・マッケンナ

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とバナナマン結成。「ノンストップ!」(フジテレビ系)で司会を務めるほか、「バナナマンのせっかくグルメ!」(TBS系)、「バナナ♪ゼロミュージック」(NHK総合)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)などレギュラー多数。

■バナナマンinformation
バナナマンの2人が主役犬の声を担当した「ペット」のBD&DVDがリリース中。設楽が出演の「クレイジージャーニー」(TBS系)DVD第4弾が1月25日リリース。さらに! 2016年夏ライブのDVD「bananaman live 『腹黒の生意気』」が2月2日にリリースされます。

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撮影/杉 映貴子