設楽統のこの映画にしたら? Vol.35「ザ・ウォーク」
2016年5月30日

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地上411mの綱渡りシーンが鳥肌モノの「ザ・ウォーク」。大道芸人の型破りな生きざまを、設楽さんはどう観たのか?

――今回は、公開時に“失神系3D”と呼ばれた「ザ・ウォーク」を選んでいただきました。

公開前に番宣で見た時は、ぶっちゃけ「綱渡りだけで超大作? それっておもしろいの?」と思っていたんです。でもLiLiCoさんがオススメしていたのもあって観てみたら、メチャクチャおもしろかった! たまに、映画を観る前から「おもしろい」「つまらない」って思い込んでしまうこともあるけど、先入観はいったん疑わないと……と改めて思いましたね。映画館で観るべきだったなぁ。でも2Dで観ても十分おもしろかったですよ。

――監督は、設楽さんもお好きな「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキスです。

僕らの世代って「バック・トゥ〜」をベスト映画に挙げる人がホントに多い。「ザ・ウォーク」は同じゼメキス監督の新作で、これがまたおもしろくって……と同世代に映画通ぶれる作品だと思います。映画は1973年から始まるんですが、これは僕の生まれた年。車や衣装、街並など、当時のパリやNYの空気感が楽しめました。あと、フィリップがビルの実寸を確認して警備体制など潜入計画を仲間と練るあたりは、スパイ映画みたいにスリリングだし、仲間や恋人との絆を描いた青春映画としての見どころもある。綱渡りだけじゃない、いろんな要素が詰まっているんです。

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――そしてクライマックスはやはり綱渡りシーンですね。

いや〜、コワかった! 僕は高所恐怖症ではないけど、過去に仕事でスカイダイビングをやったときの“お尻の穴がムズムズする感覚”を久しぶりに味わいました。劇中では計画を回想するフィリップのナレーションが挿入されるので、綱渡りが成功するのは分かっているはずなのに、ですよ。

――しかも一度渡り切ったかと思ったら踵をクルッと返して……。

しつこく往復するんですよね(笑)。ワイヤー上で寝そべるシーンなんかは、手がビショビショに! 手に汗握るとはまさにこのこと。でも僕も単独ライブでお客さんが入ってくる開場直前、誰もいないステージの上で寝転がって天井を見上げることがあるんです。だから、自分だけにしか見えない景色を楽しもうとした彼の気持ちはちょっとだけ分かる気がしました。もちろん次元は違うんでしょうけれど(笑)。

――大道芸人と芸人、「芸」という大きな括りではフィリップと設楽さんも同じ道を極めていると思いますが、フィリップには共感しましたか?

感覚的には相通ずるところがあるなと思いました。ただね、計画決行日が近づくにつれて、フィリップはどんどんクレイジーになっていく。自分のリーダーだったらついていきたくないですよ、こんな人(笑)。でもお笑いでもそうだけど、若い時に「俺はこうなりたい!」って口だけの人はたくさんいるけど、実行に移している人はなかなかいない。どんなに無謀でも〝成し遂げる人〟には自然と人が集まってくる。それに、将来は見えないけど、目標があるからこそ楽しい。例えば僕らで言うと、初めて単独ライブをやろう!と決めてからの過程に近いものが描かれていました。そうやってやり遂げると世界が変わって見える感覚が、フィリップの挑戦を通して味わえます。

ぜひ早朝4時ぐらいから見始めて、日の出と共に綱渡りシーンを堪能して欲しい。きっとフィリップと“共犯”になれるはずです。

■今月の一本

「ザ・ウォーク」
1974年、ワールド・トレード・センターを命綱なし、ロープ一本で渡り切った大道芸人の挑戦を映画化。パリに住むフィリップは、NYに世界一の高さを誇るツインタワーが完成すると知ると、2棟にワイヤーを張り、その上を歩くことを決意。違法とされる計画を実行に移すべく、彼は仲間たちとビルにまつわるあらゆる情報を収集していく

監督・製作・脚本/ロバート・ゼメキス
原作/フィリップ・プティ
脚本/クリストファー・ブラウン
出演/ジョセフ・ゴードン・レヴィット ベン・キングズレイ シャルロット・ルボン ジェームズ・バッジ・テール

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とバナナマン結成。「ノンストップ!」で司会を務めるほか、「そんなバカなマン」(共にフジテレビ系)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)、「クレイジージャーニー」(TBS系)、「珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー」(設楽単独 TBS系)に出演

■バナナマン information
飼い主のいない間、ペットたちはどう過ごしているんだろう…? 「ミニオンズ」のスタッフによる最新作「ペット」で設楽が主役犬マックスを、日村がずんぐりむっく犬デュークの声を務める(8月11日公開)。本誌8月号(7月20日発売)で紹介します!!

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撮影/杉 映貴子