設楽統のこの映画にしたら? Vol.31「ピクセル」
2016年2月15日

pixels_1

子供の頃に自分がハマっていたものを、大人になって映画で楽しむという贅沢

――今月は「ピクセル」を選んでいただきました。いかがでしたか?

予告編で観て気になっていたんですよね。いよいよソフトになった!と楽しみにしていた作品です。ただ、子供向けかと思って娘と一緒に観たら、意外に下ネタも出てきて気まずかったですけど(笑)。子供より、1980年代初頭に子供だった僕ら世代の大人が喜ぶ映画ですね。

――そんな設楽さん世代の大人たちを喜ばせているのは、日本製のゲームのキャラクターたちです。

「パックマン」や「ドンキーコング」、「ギャラガ」は、僕もやっていたゲームなので、キャラクターが画面に登場した時はアガりましたよ。タイトルバックのビットマップ調のフォントに始まり、人間の身体や建物がピクセル状になったり、高層ビルにテトリスのブロックが積み上がって一列揃ったら崩れたりとビジュアルもスゴいので観ていて飽きないし、ゲームをやっていない人でも楽しめるはずです。ただ……

pixels_3

――ただ?

ちょっとストーリーの進め方が強引なんですね。例えば、かつて主人公と一緒にゲームしていたボンクラな親友が、大人になっていきなり大統領になっていたり。不条理すぎます(笑)。あとは、架空のゲーム「ドージョークエスト」のキャラクター、レディ・リサが人間と心を通わせ、恋に落ちてしまうくだり。「パックマン」の開発者(岩谷徹氏)は、自分が生んだはずのパックマンの暴走を止められないのに。

……と、こんな風にツッコミどころも満載なんです。が、そこが良い意味でのB級感につながっているなと思いました。あと、パックマン退治は「ゴーストバスターズ」(’84)、エイリアンの地球侵略は「インデペンデンス・デイ」(’96)を彷佛させて、オタクのツボをくすぐってくるなぁ〜と。頭を空っぽにしてトコトン世界観に浸っていただきたいです!

――設楽さんとゲームの思い出を聞かせてください。

ファミコンが発売されるちょっと前、ゲームウォッチはメチャクチャやってました。当時、折りたたみ式の二画面構成が画期的でね。みんなお年玉でゲームウォッチを買ってましたね。片やゲームセンターは不良の溜まり場だったので、おそろしくて滅多に足を踏み入れられず…。しかも僕の地元は秩父で田舎だったので、もっぱら駄菓子屋やスーパーの軒先のアーケードゲームをやってましたね。

――過去、ゲームの映画化で気になった作品や、まだ映画化されていないゲームで設楽さんのオススメはありますか?

有名なのは「バイオハザード」(’02~)シリーズですよね。あと「スパルタンX」(’84)は、ジャッキー・チェン主演の映画からゲームになったパターン。まだ映画化されてないゲームで映画化にオススメ……そうだなぁ、「ゼビウス」とか? クリアできた記憶がないんですが、考えてみたら画面がずっと俯瞰だから映画にしづらいか(笑)。あとは、ネズミの警官と猫の泥棒が出てくる「マッピー」とか「忍者くん」とか?

pixels_2

――懐かしいタイトルが次々出てきますね。「ピクセル」は映画の中にゲームのキャラクターが登場するという、ちょっと変わった構造になっています。

考えてみたら「ピクセル」って、明確な敵は出てこないし、不思議な設定だと思うんです。それでも観やすいのは、作り手のゲームへの愛情を感じるから。よくあるゲームの映画化ではなく映画の中にゲームのキャラクターが存在している構造なので、CG映画だけどアナログで、どこか温かみを感じるんです。例えば、昔の「ロジャー・ラビット」(’86)や「メリー・ポピンズ」(’64)って、実写映像の中にアニメーションのキャラクターが登場するじゃないですか。あれって「アニメーションのキャラクターと同じ画面にいられたら……」という作り手や観る側の願望がきっかけになっていると思っていて。「ピクセル」もまさにそんな映画。子供の頃に自分がハマっていたものを、大人になって映画としてもう一度楽しむことができるって、幸せなことですよね。

――最後に、本作をどなたに観せたいですか?

今回はちょっと趣向を変えて「出ていただきたい人」。“80年代のゲーム界のカリスマ”、高橋名人はいかがでしょう? 名人なら、劇中のようにチームを結成せずともひとりで十分。魂の16連射で、宇宙人を一網打尽にできるでしょうね(笑)。


■今月の一本
「ピクセル」

人気ゲームのキャラクターに扮し地球を侵略しにやって来た宇宙人に対し、冴えないゲームオタクたちが地球存亡をかけた闘いを挑む。監督は「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバス。パックマンやスペースインベーダー、ドンキーコング、ギャラガなど日本生まれのゲームのキャラクターはたくさん登場する。

監督・製作/クリス・コロンバス
製作・出演/アダム・サンドラ―
出演/ケヴィン・ジェームズ ミシェル・モナハン ピーター・ディンクレイジ ジョシュ・ギャッド ダン・エイクロイド

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とバナナマン結成。「ノンストップ!」で司会を務めるほか、「そんなバカなマン」(共にフジテレビ系)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)、「クレイジージャーニー」、「教えて!ココロくん」(ともにTBS系)などに出演。

■バナナマンinformation
2015年8月に開催されたコント・ライブDVD「bananaman live LIFE is RESERCH」が2月2日(火)に発売。レンタルは3月2日。「Re Union」「メリケンさん~ピチ太郎の恋から」「赤えんぴつ」ほかコント6作を収録。幕間映像を収めた映像特典もあり。

(c)2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and China Film Co., Ltd. All Rights Reserved.
撮影/杉 映貴子