設楽統のこの映画にしたら? Vol.45「シン・ゴジラ」
2017年3月31日

――今月選んだのは、昨年7月に公開し、社会現象となった大ヒット作「シン・ゴジラ」。

第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞も獲りましたね!! これだけたくさんの映画が作られている今、63年前に第1作が公開された「ゴジラ」が大ヒットするってスゴいことですよ。もともと、ゴジラやガメラは小さい頃から好きでした。ゴジラ=怪獣映画というイメージをもっている人も多いと思います。僕も子供の頃は模型に夢中でした。大人になってからは心が離れてしまっていた時期もあったけど、「シン・ゴジラ」で分かりましたよ。ゴジラはずっと僕たちの心の中にいたんだってことが! 

――総監督は「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督です。

ゴジラの進化は使徒そのものだし、“エヴァ”のBGMを使った作戦会議シーンのスピード感もそうだし、監督がゴジラを使って自分の好きなものを詰め込んでいるように思いました。ゴジラが東京にやって来るシーンや逃げ惑う人々のシーンなんかは、庵野監督の「巨神兵東京に現わる」(2012年に開催された「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にて公開)を彷佛させるし、まさに監督の集大成的作品と言えると思う。と同時に、今作の大ヒットで、改めて日本のアニメーションの底力を実感した気がしています。

今の若い人たちはいろんなアニメを見て育ってきているから、あの膨大な数の文字テロップやスピード感あるセリフも受け入れられるんでしょうね。技術者たちの動きもどこかアニメチックでね。様々な試行錯誤を経て、「よし、この作戦でゴジラを倒せるぞ!」っていうチームの一致団結感もたまらなかった。そうしたオタク向けの作りもありながら、冒頭の東宝のロゴやゴジラの叫び声は1954年の第1作当時のものを使用しているようで、往年のファンへの配慮も忘れない。幅広い層が楽しめる娯楽作品になっています。

――ゴジラの造形についてはいかがでしたか。

今回のゴジラは、身長118.5mと史上最大。しかも第2形態、第3形態、第4形態とどんどん形を変えていき、背中からビームまで出す。鎌倉や蒲田など知っている街が破壊されていくさまもリアルでね。ゴジラはただ前進しているだけなのに(泣)、攻撃されて。自衛隊総動員でも太刀打ちできず、最後の“ヤシオリ作戦”も“エヴァ”そのものでアガりました!

――意味深なクライマックスについては、ネットでも様々な説があがっています。

いやぁ〜、最後のアレ…、いったい何でしょうね……。ぜひソフトで一時停止して観てほしい。観るたび発見があり、いろんな解釈ができる映画ですよ。観た後は誰かと語り合いたくなるはずです。

――「ゴジラはずっと僕たちの心の中にいた」とありますが、設楽さんは“ゴジラ”という存在をどう捉えていますか。

最初のゴジラは水爆実験で生まれ、それからずっと人類へ警鐘を鳴らす神様みたいな存在として描かれてきました。今作のラストでも根本の解決になっておらず、問題を先送りにしているだけ。人間が作った果てしないビル群をゴジラが壊すのもどこか皮肉。しかもゴジラは何も言わないから、観る人それぞれが自分の思いを託せるというか。決して敵とは言い切れないんですよね。僕にとってのゴジラは、王貞治さん長嶋茂雄さん、アントニオ猪木さんに並ぶ、日本が生んだ圧倒的なヒーロー。きっと僕らの世代が全とっかえになったあとでも、ゴジラ映画は作り続けられていくはずです。

――最後にもしゴジラが目の前に現れたら、設楽さんはどんな作戦をとりますか。

う〜ん……、ヒモに引っ掛けて転ばせたる、巨大な落とし穴を作る…古典的な方法しか思い浮かばないですね(笑)。SF映画にありがちな、宇宙に飛ばすというのも考えたけど、打ち上げ失敗したら大惨事になるし。「ジュラシック・パーク」みたいに人間と共存させるのはどうでしょう? いや、サイズが違いすぎるな。無理だ。結論! いろいろ考えたけどやっぱりヤシオリ作戦を超える方法は思い浮かびません!

■今月の一本

「シン・ゴジラ」
興収80億円を突破し、第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いたシリーズ12年ぶりの新作。東京湾アクアラインに突如、正体不明の巨大生物が出現。鎌倉へと上陸し、次々と街を破壊していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下すが、巨大生物は、戦車からの攻撃をものともせず形態を変えてついに東京へと襲来する

総監督・脚本・編集/庵野秀明
監督・特技監督/樋口真嗣
准監督・特技統括/尾上克郎
出演/長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ 高良健吾 大杉漣 柄本明 余貴美子 市川実日子 國村隼 平泉成 松尾諭

■プロフィール
1973年、埼玉県生まれ。’93年に日村勇紀とバナナマン結成。「ノンストップ!」(フジテレビ系)で司会を務めるほか、「バナナマンのせっかくグルメ!」(TBS系)、「バナナ♪ゼロミュージック」(NHK総合)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)などレギュラー多数。

■バナナマンinformation
バナナマン、おぎやはぎ、オードリーの3組が出演するトークバラエティー「もろもろのハナシ」(フジテレビ系)のレギュラー化が決定。4月12日(水)深夜0時25分から放送開始です!! 2016夏ライブDVD「bananaman live 『腹黒の生意気』が絶賛発売中

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撮影/杉 映貴子