タイの"幽霊話"に初のパルムドール! カンヌ映画祭の受賞者決まる
カンヌ映画祭が12日間のスケジュールを終え、コンペ部門の最高賞であるパルムドールなどの受賞者がアナウンスされた。パルムドールは、39歳になるタイのアピチャッポーン・ウィーラセタクン監督の「Lung Boonmee Raluek Chat」(一生を振り返るブンミおじさん)が受賞。病に冒され死を覚ったブンミおじさんのもとへ死んだはずの妻が現われたり、行方不明の息子が人間ではない姿でやって来る。毛むくじゃらのお化けやしゃべるナマズが登場し、生まれ変わりを信じるアジアならではの幽霊譚だ。「この映画を作り映画祭にまで来られたのも、タイの幽霊や精霊のおかげ。そして30年前に家のそばの小さな映画館に連れていってくれた両親に感謝したい」と監督。映画祭期間中はタイで起きた反政府デモと政府の弾圧を心配していたが、母国初のカンヌ映画祭最高賞といううれしい結果が待っていた。ウィーラセタクン監督は2002年にカンヌ映画祭のある視点部門に出品した「Blissfully Yours」で最優秀賞、2004年には「Tropical Malady」でコンペ部門の審査員賞を受けている。今回の作品は審査委員長ティム・バートンのホラ話映画「ビッグ・フィッシュ」と設定は似ているが、全体のトーンや音楽はタイの山奥版デビッド・リンチという雰囲気。パルムドールに次ぐグランプリには、俳優でもあるグザビエ・ボーボワが1996年にアルジェリアで起きた修道士殺害事件を描いた「DES HOMMES ET DES DIEUX」が輝いた。コンペ部門に参加したが暴力描写に賛否両論が起きた北野武監督「アウトレイジ」、ある視点部門に出品した中田秀夫監督のイギリス映画「Chatroom」はいずれも受賞しなかった。おもな受賞者は以下の通り。
パルムドール
「Lung Boonmee Raluek Chat」(=一生を振り返るブンミおじさん)
アピチャッポーン・ウィーラセタクン監督(タイ)
グランプリ
「DES HOMMES ET DES DIEUX」(=神々と人々)
グザビエ・ボーボワ監督(フランス)
審査員賞
「UN HOMME QUI CRIE」(=叫ぶ男)
マハマット・サレー・ハルーン監督(チャド)
監督賞
マチュー・アマルリック「TOURNÉE」(=ツアー先で) (フランス)
脚本賞
イ・チャンドン「POETRY」(=詩)(韓国)
女優賞
ジュリエット・ビノシュ「COPIE CONFORME」
アッバス・キアロスタミ監督
男優賞(同時受賞)
ハビエル・バルデム「BIUTIFUL」
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督
エリオ・ジェルマーノ「LA NOSTRA VITA」
ダニエレ・ルケッティ監督
カメラドール(新人監督賞)
マイケル・ロウ「Ano Bisiesto」(メキシコ)
ある視点部門賞
ホン・サンス「Ha, Ha, Ha」(韓国)









