第63回カンヌ映画祭が5月12日から23日まで開催される。オープニングはリドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット主演の「Robin Hood」。クロージングはオリバー・ストーン監督の「Wall Street: Money Never Sleeps」。後者は「ウォール街」の続編で、マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ主演。ほかにウディ・アレン監督、アントニオ・バンデラス、ナオミ・ワッツ主演の「You Will Meet A Tall Dark Stranger」、スティーブン・フリアーズ監督の「Tamara Drewe」がコンペ外で上映される。コンペ部門は審査委員長がティム・バートン、審査員はケイト・ベッキンセール、シェクール・カプールら。コンペ部門出品作として発表される16本はこの審査員の顔ぶれとはちょっとイメージが違うアート系、インディーズ系、ヨーロッパの巨匠がずらり。どういう結果になるか? また、残念ながら期待されたいくつかの作品はリストに見当たらない。ジョニー・デップ主演の「The Rum Diary」、テレンス・マリック監督、ブラッド・ピット主演の「The Tree of Life」、クリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙主演の「インセプション」、シルベスター・スタローン監督の「The Expendables」、ダーレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン主演のバレエ・スリラー「ブラック・スワン」などがそうだ。もっともこれらが映画祭のどこかでサプライズ上映されたり、部分的に上映される可能性もあり得る。ある視点部門ではジャン・リュック・ゴダール監督の最後の作品ともいわれる「Film Socialisme」や、「豚が井戸に落ちた日」のホン・サンス監督の「Ha Ha Ha」、「リング」の中田秀夫監督の「Chatroom」などが上映される。「Chatroom」はネットで知り合った10代の少年少女を巡るスリラーで全編英語、イギリスで製作された。決定したコンペ部門出品作は以下の通り。
●コンペ部門:
「Tournee」 マチュー・アマルリック (フランス)
#「潜水服は蝶の夢を見る」の主役、「007/慰めの報酬」の悪役で有名。短編の監督は数多いが長編は第1作。自ら主演も兼ねる。
「Des Hommes et des Dieux」 グザビエ・ボーボワ(フランス)
#「夜風の匂い」「殺し屋」などで俳優として知られ、監督歴もあるボーボワ。キリスト教をめぐるドラマ。タイトルは「神と人間について」。
「Hors la loi」 ラシッド・ブシャール (フランス、アルジェリア、ベルギー)
#第二次大戦後、フランスからの独立を勝ち取ろうとするアルジェリアの物語。題名は「法の外で」。
「Biutiful」 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ (メキシコ、スペイン)
#法のウラで取引する男の前に幼なじみが出現、彼は警官だった。「バベル」でカンヌの監督賞をとったイニャリトゥの最新作。ハビエル・バルデム主演。
「UN HOMME QUI CRIE」 マハマット・サレー・ハルーン(チャド、フランス、ベルギー)
#タイトルは「叫ぶ男」。'06年の「Daratt」はベネチア映画祭審査員大賞を受賞。
「Housemaid」 イム・サンス (韓国)
#東京国際映画祭でも評価の高い韓国映画の傑作、キム・ギヨン監督の「下女」をリメイク。「シークレット・サンシャイン」によりカンヌで女優賞を受けたチョン・ドヨン主演。
「Copie Conforme」 アッバス・キアロスタミ (イラン、イタリア、フランス)
#'97年に「桜桃の味」によりカンヌでパルムドール(最高賞)を受賞しているイランの巨匠キアロスタミが、主演に仏女優ジュリエット・ビノシュを迎える。イギリス人作家がイタリアで魅力的なフランス人女性に出会う。
「アウトレイジ」 北野武 (日本)
#実験的な語り口のギャング映画。コンペ部門の出品は'99年の「菊次郎の夏」以来。
「Poetry」 イ・チャンドン(韓国) (Lee Chang-dong)
#「シークレット・サンシャイン」のイ・チャンドン監督の最新作。60歳代で詩に興味を持ち始めた女性の物語。
「Another Year」 マイク・リー (イギリス)
#'96年に「秘密と嘘」でパルムドールを受賞したリー監督の最新作。「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のジム・ブロードベント主演。
「Fair Game」 ダグ・リーマン (アメリカ)
#「ボーン・アイデンティティー」「ジャンパー」のリーマンの最新作。ハリウッドで活動する監督では唯一のコンペ参加。ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ主演。イラク戦争に批判的な元外交官への報復に米政府は彼の妻の身分を暴露する。彼女はCIA工作員だった。実話の映画化。
「You, My Joy」 セルゲイ・ロスニツァ(ウクライナ、ドイツ) (Sergei Loznitsa)
#ドキュメンタリー映画の作り手として数々の受賞歴のある同監督の最新作。
「La Nostra Vita」 ダニエレ・ルケッティ(イタリア、フランス) (Daniele Luchetti)
#ナンニ・モレッティの助監督から出発したルケッティ監督。「イタリア不思議旅」「マイ・ブラザー」に続く最新コメディ。
「太陽に灼かれて2」(Utomlyonnye Solntsem 2) ニキータ・ミハルコフ (ドイツ、フランス、ロシア)
#スターリン独裁前夜の古き良きロシアを巨匠ミハルコフが叙情的に描いた'95年の作品の続編。
「La Princesse de Monptpensier」 ベルトラン・タベルニエ(フランス)
#フランス初期の文学作品、ラファイエット夫人の「モンパンシエ公爵夫人」を映画化。恋人がいながら別の男性と結婚した女性の物語。
「Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives」 アピチャートポン・ウィーラセータクン(タイ、スペイン、ドイツ、イギリス、フランス)
#'02年カンヌ映画祭、ある視点部門で「ブリスフリー・ユアーズ」が最優秀賞。「トロピカル・マラディ」が'04年カンヌ映画祭審査員賞。同監督の最新コメディ。死の床で男が人生を振り返る。