史上初、アニメ作品「カールじいさんの空飛ぶ家」で幕を開けた第62回カンヌ国際映画祭。待望のクエンティン・タランティーノ監督+ブラッド・ピット主演の戦争アクション「イングロリアス・バスターズ」や、「ダークナイト」でアカデミー助演男優賞受賞したヒース・レジャーの遺作でジョニー・デップ、ジュード・ローら豪華な代役が出演している「ジ・イマジナリウム・オブ・Dr.パルナッサス」、クロージング作品の「ココ・シャネル&イゴール・ストラビンスキー」、フランシス・フォード・コッポラ監督の初の自伝的作品「テトロ」(監督週間に上映)、菊地凛子主演作「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」など話題作が目白押し。日本からは監督週間の「ユキとニナ」(監督:諏訪敦彦、イポリット・ジラルド)、ある視点部門の「空気人形」(監督:是枝裕和)が出品されている。現地時間13日から24日まで開催されているが、コンペ部門のおもな注目作を紹介しておこう。
(題名は原題もしくは英語題):
「イン・ザ・ビギニング」 グザビエ・ジャノリ監督
#(結果的に)高速道路をつくった詐欺師の物語。「情痴 アヴァンチュール」のジャノリ監督は2006年に「QUANDJ'ETAISCHANTEUR」をカンヌ出品。
「アンティクライスト」 ラース・フォン・トリアー監督
#幼い子供を亡くした夫妻(ウィレム・デフォー、シャルロット・ゲンズブール)が、悲しみから立ち直り、互いの関係を修復するために"別荘"を訪れる。フォン・トリアー監督は賛否両論を呼んだ「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でパルムドール受賞。
「BAK-JWI(コウモリ)」(渇き) パク・チャヌク監督
#アフリカでワクチン開発のため身を捧げていた神父(ソン・ガンホ)が医療実験上のミスから死亡。吸血鬼となって生き返る。吸血鬼は未知の病への答なのか。神父の古い友人(シン・ハギュン)が現れるが、神父はその妻(キム・オクビン)と恋に落ち、友人を殺すよう頼まれてしまう。「オールドボーイ」で審査員特別賞を受賞しているチャヌク監督の、コメディ
風味のホラー。
「ブライト・スター」 ジェーン・カンピオン監督
1818年ロンドン。英国の詩人、23歳のジョン・キーツと隣人の女学生ファニーとの風変わりで情熱的な恋を描く。カンピオンは1993年に「ピアノ・レッスン」でパルムドールを受賞している。
「スプリング・フィーバー」 ロウ・イエ監督
#2003年「パープル・バタフライ」、2006年に「天安門、恋人たち」をコンペ部門に出品しているロウ・イエ監督。夫の浮気調査(相手は男)を頼まれた青年とその恋人たちの大胆な関係。
「ザ・ホワイト・リボン」 ミハエル・ハネケ監督
#1913年、第一次世界大戦前夜のドイツ北部。村の子供たちの聖歌隊におかしな事件が起こる。聖歌隊を指揮しているのは学校の先生、貴族、医者、農民たち。誰が何のために裏で操っているのか? ハネケ監督は2001年に「ピアニスト」で審査員特別賞を、2005年に「隠された記憶」で監督賞を受賞。かつて主演した女優イザベル・ユペールが奇しくも今回の審査委員長。
「エンター・ザ・ボイド」 ギャスパー・ノエ監督
#東京でドラッグの売人として稼ぐ兄オスカー。妹リンダは同じくダンサーをしている。ある日撃たれたオスカーは、生前の約束通り、妹をひとり残して去ることなく、魂となっても東京をさまよい続ける。過去、現在、未来と...。1991年批評家週間出品作「カルネ」の暴力的描写で話題になったノエ監督。2002年にも「アレックス」でコンペに参加している。